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新年のごあいさつ

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最終更新日:2020年1月10日

新年のごあいさつ

2020年1月


独立行政法人農畜産業振興機構 理事長 佐藤 一雄
 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 alicの業務につきまして、旧年中は皆さまのご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

 昨年の皇位継承に伴い、祝賀ムードの中で一連の式典が執り行われ、新たな令和の時代の幕開けを迎えました。また、日本で開催されたラグビーワールドカップにおける日本代表チームの目覚ましい活躍は、日本中を沸かせたところです。

 こうした中、夏から秋にかけては、九州地方の集中豪雨、関東地方を縦断した台風による河川の氾濫・決壊など災害が続きました。これらにより、多数の方々が被災されたほか、農作物や家畜、農畜産業の関連施設にも多大な被害が発生しました。被害に遭われた皆さまに、心からお見舞い申し上げます。

 さて、わが国の農畜産業をめぐっては、平成30年12月の「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)」の発効に続き、「日EU経済連携協定」が昨年2月1日に発効したほか、「日米貿易協定」が本年1月1日に発効することとなりました。

 こうした新たな国際環境の下で、alicは、輸入される加糖調製品からの新たな調整金の徴収など、さらにその業務の重要性が高まっております。

 国内生産に目を向けますと、令和元年産の北海道のてん菜については、作付面積が前年を下回り、5月には風害などの影響があったものの、生育期が好天に恵まれたこともあり、前年産を上回る見込みとなっています。鹿児島県のサトウキビについては、人手不足などによる植え付け・管理作業の遅れが見られたものの、生育期の天候に恵まれたことから平年作以上の作柄が期待できる状況です。沖縄県のサトウキビについても、収穫面積は前年を下回る見込みであるものの、干ばつや台風被害が少ない地域が多いことから、生産量は前年を上回るものと見込まれています。

 また、令和元年産の北海道のでん粉原料用ばれいしょについては、作付面積は前年並みが見込まれ、生育も順調であることから、ばれいしょでん粉の生産量も前年を上回るものと見込まれています。一方、南九州のでん粉原料用かんしょについては、昨年に引き続き、一部()(じょう)でサツマイモ基腐病などが発生していることから、かんしょでん粉は、生産量が落ち込んだ前年と同程度になることが見込まれています。

 他方、改正出入国管理法が施行され、人手不足が一段と深刻化する農業分野において新たな担い手確保の救いの一手となることが期待される反面、魅力ある労働環境づくりといったソフト面の充実が求められ、そして何より(はん)(かん)が激しい製糖工場やでん粉工場において、働き方改革に対応した具体的な取り組みを早急に検討することが必要となっています。

 これらの諸課題に対し、関係機関との連携を図りながら、今後も引き続き現場の生の声や具体的な優良事例などを含む多様な情報を幅広く収集し、課題解決の一助となる情報をお届けできるよう努めてまいります。

 また、海外情報は、新たな国際環境の下で、その重要性が一層高まるものと考えています。特に農畜産物の関係国における需給・価格や輸出余力、わが国の輸出可能性や輸出促進に関する先進事例などについて、関係者にタイムリーに提供することを通じ、わが国の農畜産業を支援してまいります。

 その際、媒体として本誌やホームページに加え、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)も活用することにより、関連する情報を皆さまに広く発信し、農畜産物の生産・流通・消費についての理解の促進に寄与することとしております。

 alicはこれからも、生きていく上でなくてはならない大切な「食」を支えていくために、農畜産業・関連産業に携わる方々を応援し、消費者の皆さまに農畜産物が安定的に届けられるよう努めてまいりますので、引き続きのご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 本年が皆さまにとって希望に満ちた明るい年となりますことをご祈念申し上げて、新年のごあいさつといたします。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272