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砂糖の価格調整業務実績について(平成30砂糖年度)

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最終更新日:2020年2月10日

砂糖の価格調整業務実績について(平成30砂糖年度)

2020年2月

特産調整部、特産業務部

はじめに

 当機構では「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、輸入糖、異性化糖および輸入加糖調製品から調整金を徴収し、それらを財源として国内のさとうきび生産者やてん菜糖・甘しゃ糖の製造事業者に支援を行うことで内外価格差を調整し、国内の砂糖の安定的な供給の確保を図っている。

 本稿では、平成30砂糖年度(平成30年10月1日〜令和元年9月30日〈以下「30SY」という〉)における砂糖の価格調整業務実績についてとりまとめたので、報告する。

 なお、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の発効に伴い、平成30年12月30日から砂糖とココア粉や粉乳などを混合した輸入加糖調製品が調整金の徴収対象として新たに追加された。輸入加糖調製品に係る「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」の改正概要は、2018年8月号の砂糖類・でん粉情報に掲載しているので参照されたい。

1.調整金徴収業務

(1) 30SYの指標価格など

 30SYの指標価格などは表1の通り。

 

(2) 砂糖の需要と供給

 令和元年12月に農林水産省が公表した30SYの砂糖の需給見通し(実績)は、表2、3の通り。

 

 

(3) 国際相場などの動き

 ニューヨーク粗糖先物相場(期近)は、平成28年10月に1ポンド当たり23セント台を記録した後、世界的な供給過剰感を背景に弱含みで推移し、30SY直前の30年9月26日にはインド政府が想定を上回る規模の輸出支援策を打ち出したことから同9.90セントと、20年以来の低水準となった。30SYにおいても、主要な砂糖生産国であるブラジルにおける生産量が前年度よりも増加した影響や、インドの輸出補助金政策の継続などにより、同10〜14セント台で推移した。

 具体的には、30年9月末には同10セント前後の水準であったが、ブラジル大統領選でエタノール政策推進に意欲的な候補が首位に立ったことや、主要生産国での生産見通しの下方修正により、10月24日に同14.01セントまで上昇した。その後原油価格下落や世界的な供給過剰感から、31年1月3日に同11.69セントまで下落したものの、石油輸出国機構(OPEC)主導の原油協調減産による原油高や、インドの減産懸念により2月20日には同13.44セントを付けた。

 3月以降はおおむね同12〜13セント台で推移していたが、8月から9月にかけては、インド政府による10月以降の輸出補助金支出発表、インド、タイの砂糖生産量上方修正などの弱材料が重なり、9月12日には同10.76セントに下落した。

 

(4) 粗糖、加糖調製品糖および異性化糖の平均輸入価格など

 30SYにおける粗糖、加糖調製品糖および異性化糖の平均輸入価格などは表4〜6の通り。

 

 

 

(5) 売買実績

ア.指定糖
 30SYの指定糖の売買数量は、前年度比1.8%増の119万トン(実数量)、売買差額は、前年度比5.1%減の480億円となった。売買数量が増加した主な要因は、分蜜糖消費量が前年より減少した中、国内産の分蜜糖供給量がそれ以上に減少したことによる。また、売買差額の減少については、30年12月30日より、調整金単価の算定において1000キログラムにつき3400円の加糖調製品軽減額が適用されたことが影響している。

イ.輸入加糖調製品
 30SYの輸入加糖調製品の売買は実質的には平成31年1月から開始された。売買対象となる輸入加糖調製品は、原則しょ糖含有量50%以上のものとして糖価調整法の政令で指定されている関税分類上の20ラインが対象となっている。1月から9月の売買数量は35万トン、売買差額は44億円となった。

 なお、当該ラインの対象物品であってもTPP11協定および日EU経済連携協定に基づく関税割当を受けて輸入されるものは、機構の売買対象外となっている。

ウ.異性化糖
 30SYの異性化糖の売買は、全期間を通じて異性化糖の平均供給価格(機構の買入価格)が異性化糖標準価格(機構の実質的な売戻価格)を上回ったことから、売買は行われなかった。

 

2.交付金交付業務など

(1) 甘味資源作物および国内産糖の生産動向

ア.てん菜・てん菜糖
 平成30年産は、農林水産省の需給見通しによると、30年6月中旬以降に多雨・寡照となり生育が停滞したものの、9月以降は好天に恵まれて生育は良好となった。前年産が豊作であったため、それとの比較では減少しているが、作付面積が約930ヘクタール(前年産比1.6%)減少した中で、生産量は平年並みの361万トン、産糖量も61.5万トンとなった。

 

イ.さとうきび・甘しゃ糖
 平成30年産の鹿児島県および沖縄県のさとうきびは、農林水産省の需給見通しによると、梅雨期の降水量が少なく各地域で干ばつが発生したほか、台風が複数回襲来したことで一部地域に被害が見られることにより、両県を合わせた生産量は前年度比7.8%減の120万トン、産糖量は同6.0%減の12.6万トンとなった。

 

 

(2) 交付金の交付状況など

ア.甘味資源作物交付金(さとうきびのみ)
 さとうきびの収穫期はおおむね12月から翌5月ごろまでであり、製造事業者への売渡しに応じて交付金を交付している。平成30年産は、鹿児島県・沖縄県ともに減産であることから、交付決定数量は前年度比8.4%減の112万トン、交付決定金額は同6.0%減の185億円と減少した。

 なお、国内産糖の販売価格の指標となる輸入粗糖の機構売戻価格が、加糖調製品軽減額の設定に伴い引き下げられたことから、それに見合う交付金単価の期中改定(30年12月30日に改定。以下、国内産糖の交付金単価の期中改定も同理由による。)が行われた。

 

イ.国内産糖交付金
 (ア).てん菜糖の交付状況

 てん菜糖の製造事業者の販売は年間を通じて行われ、これに応じて交付金を交付している。30SYは、当年産の減産により交付決定数量は前年度比2.2%減の60.1万トンとなった一方、交付金単価が引き上げられたため、交付決定金額は同29.1%増の141億円となった。

 

 (イ).甘しゃ糖の交付状況
 甘しゃ糖の製造事業者が製造した粗糖は、製糖後それほど期間をおかずに精製糖メーカーに販売されるため、操業時期に対応して交付金を交付している。

 30SYは、さとうきびの減産により、交付決定数量は前年度比6.0%減の12.6万トンとなったが、交付金単価の引き上げにより、交付決定金額は同7.0%増の83億円と増加した。

 

(3) 国庫納付金納付業務(てん菜)

 てん菜生産者への農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に要する経費の財源に充てるため、農林水産大臣からの通知に従い、30SY(発生ベース)は、調整金収入などから200億円を国庫に納付する予定である。
 
 しかしながら、30SYはてん菜糖の産糖量が減少したほか、てん菜の直接支払交付金の単価が据え置かれ、その一方で他の交付金の単価引き上げがあったことから、相対的にてん菜への納付率が小さくなり、29SYより9億円減少する見込みである。

 

(4) 砂糖の価格調整業務における収支(見込み)

 30SYの収入については、平成30年12月30日から始まった輸入加糖調製品の売買によって、収入構造が大きく変化した。まず、輸入加糖調製品からの調整金が新たな収入となった。一方で、粗糖の調整金単価に1000キログラム当たり3400円の加糖調製品軽減額が適用されたことで、指定糖からの収入は前年度より減少した。収入全体としては前年度より14億円増加し、617億円(国費収入含む)となった。

 支出については、加糖調製品軽減額の発生により各交付金単価が期中改定で引き上げられたこともあり、支出合計は前年度より17億円増加し、610億円と見込まれる。

 以上により、30SYにおける調整金収支は、7億円の黒字(前年度は10億円の黒字)と見込まれる。

 

 

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部  (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



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