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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2020年3月10日

2. 国際価格の動向

2020年3月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(1/2〜2/14)
〜世界的な砂糖の減産見通しの下堅調に推移し、一時2年9カ月ぶりに15セント台後半まで上昇〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2020年1月の推移を見ると(3(がつ)(ぎり))、2日は、インドの砂糖生産見通しが上方修正されたことで1ポンド当たり13.13セント(注1)の値を付けた。3日は中東情勢の緊迫化を受け、原油相場が急伸した影響で同13.31セントまで値を上げ、6日は同13.73セントとさらに続伸した(注2)。7日以降は原油相場の動きを受けて反落し、8日は同13.47セントと続落した。10日は、米国農務省(USDA)が2019/20年度の世界の砂糖生産見通しを下方修正したことを受けて同14.07セントと急伸し、1年2カ月ぶりに14セント台に乗せた。その後も相場は堅調に推移し、15日は、ブラジルの12月後半の砂糖生産が芳しくなかったことが押し上げ要因となり、同14.52セントと2018年1月以来の高値を付けた。その後小幅な下げに転じたものの、すぐに持ち直して22日は同14.66セントとさらに値を上げた。23日以降は、原油相場やブラジルの通貨レアル安に伴い下落し、27日は同14.21セントの値を付けた。28日は原油相場が上昇したことで反発し、同14.54セントまで上昇した。その後は目立った弱材料がなく堅調に推移し、31日は同14.61セントの値を付けた。 

 週明けの2月3日は、2019/20年度のインドの砂糖生産実績やEUの砂糖輸出実績が前年同期を大幅に下回って推移していると発表されたことを受けて、同14.89セントまで値を上げた。4日はレアル安が影響し、同14.71セントと下落した。5日以降は、タイでも砂糖の減産見通しが報じられるなど世界的な砂糖の供給不足感から上昇傾向で推移し、10日は同15.04セントと2年1カ月ぶりに15セント台に乗せた。12日は、原油価格の上昇も相場を下支えしたことで同15.78セントまで急伸し、2年9カ月ぶりに15セント台後半の値を付けた。13日は、前日の高値を受けて売りが先行し、同15.16セントまで急落した。14日は続落し、同15.06セントの値を付けた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、代替燃料であるバイオエタノールの需要が上昇する。バイオエタノールの需要が上昇すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが増えるため、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の供給が減る方向に作用する。その結果、需給ひっ迫の懸念が強まり、商品相場は上昇する傾向にある。
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