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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2020年6月10日

砂糖類の国内需給

2020年6月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。3月に「令和元砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した。(詳細は2020年5月号参照。)

表1

 表2

表3

2. 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月からかなりの程度減少

 財務省「貿易統計」によると、2020年3月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、8万5007トン(前年同月比7.5%減、前月比43.1%増)であった(図1)。

 輸入先国は豪州、タイおよび米国で、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。

豪州    7万1986トン  
(前年同月比13.7%減、前月比21.2%増)
タイ     1万3002トン  
(同53.5%増、前月輸入実績なし)
米国        19トン  
(前年同月同、前月同)

図1

図2

 2020年3月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、4万1401円(前年同月比6.4%高、前月比62.2%安)であった(図3)。

タイ      4万1301円  
(前年同月比6.5%高、前月輸入実績なし)
米国    10万9895円  
(同11.6%高、前月比0.3%高)

 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、4万1960円(前年同月比9.3%高、前月比2.4%安)であった。

図3

【含みつ糖の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月からやや減少

 財務省「貿易統計」によると、2020年3月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、1650トン(前年同月比5.3%減、前月比79.0%増)であった(図4)。

 輸入先国はタイ、中国、フィリピン、ボリビア、ペルーおよび台湾の6カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図5)。

タイ        1155トン  
(前年同月比7.0%減、前月比77.4%増)
中国       364トン  
(同26.0%増、同59.6%増)
フィリピン     70トン  
(同79.5%増、同66.7%増)
ボリビア      51トン  
(同70.3%減、前月輸入実績なし)
ペルー        5トン  
(前年同月および前月輸入実績なし)
台湾         5トン  
(前年同月輸入実績なし、前月比5倍)

図4

 図5

 2020年3月の1トン当たりの輸入価格は、11万6228円(前年同月比2.3%安、前月比1.0%安)であった(図6)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ      11万1962円  
(前年同月比0.9%安、前月比4.5%安)
中国      11万9591円  
(同4.3%安、同0.6%高)
フィリピン   15万1557円  
(同22.9%安、同40.8%高)
ボリビア   12万4941円  
(同6.6%安、前月輸入実績なし)
ペルー    16万8000円  
(前年同月および前月輸入実績なし)
台湾      22万1600円  
(前年同月輸入実績なし、前月比27.8%安)

図6 

【加糖調製品の輸入動向】
3月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度増加

 財務省「貿易統計」によると、2020年3月の加糖調製品の輸入量は、4万6437トン(前年同月比7.9%増、前月比24.2%増)であった(図7)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

図7

表4

3. 異性化糖の移出動向

4月の移出量は前年同月からやや減少
 2020年4月の異性化糖の移出量は、7万8594トン(前年同月比5.6%減、前月比3.5%増)であった(図8)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図9)。

果糖含有率40%未満       463トン  
(前年同月比2.4%増、前月比18.2%増)
同40%以上50%未満     2万644トン  
(同3.3%減、同4.1%増)
同50%以上60%未満     5万6178トン  
(同6.8%減、同2.5%増)
同60%以上             1308トン  
(同8.4%増、同42.2%増)

図8

図9

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 4月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京             1キログラム当たり187〜188円
大阪                      同187〜188円
名古屋                       同191円
関門                      同191円

上白糖(小袋)
東京         1キログラム当たり199〜202円
大阪                    同202円

本グラニュー糖(大袋)
東京           1キログラム当たり192〜193円
大阪                    同192〜193円
名古屋                      同196円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京          1キログラム当たり187〜188円
大阪                     同187〜188円
名古屋                      同189円

 4月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの     1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの           同137〜138円

【小売価格】
4月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で25.6円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける4月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、192.4円(前年同月差1.8円高、前月同)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は25.6円であった。

同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

表5

4月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で74.0円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける4月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.8円(前年同月差1.5円高、前月差0.5円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は74.0円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

表6

4月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で47.3円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける4月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、232.9円(前年同月差2.7円安、前月差0.5円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は47.3円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

表7

【購入金額および購入量】
3月の砂糖の支出金額は前年同月と比べやや上昇

 総務省「家計調査」によると、2020年3月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は39、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は93円(前年同月比3.3%高、前月比8.1%高)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、343グラム(同13.6%減、同4.2%減)であった(図11)。

図10

図11

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272