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2. 主要国の砂糖需給(2020年6月時点予測)

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最終更新日:2020年7月10日

2. 主要国の砂糖需給(2020年6月時点予測)

2020年7月

 
【生産量】
 2019/20年度の砂糖生産量を国別に見ると、ブラジルは、砂糖の国際価格の低迷を受けてサトウキビのエタノール生産への仕向け割合が前年度に引き続き6割を超えるものの、砂糖生産への仕向け割合をこれ以上減らすことが困難とみられることから、3180万トン(前年度比1.9%増、3月予測から増加)とわずかに増加し、結果として首位に返り咲く見通しである(図2)。

 インドは、サトウキビの主産地で豪雨による浸水被害が発生した影響で、2933万トン(同18.1%減、3月予測から変化なし)と大幅に減少し、第2位に後退する見通しである。

 EU(英国を含む。以下同じ)は、干ばつや熱波の影響を受けててん菜の生育が伸び悩んだことから、1816万トン(同0.5%減、3月予測より増加)とわずかに減少すると見込まれる。

【輸入量】
 2019/20年度の砂糖輸入量を国別に見ると、中国は、中央政府による国内の砂糖在庫の増加方針を受け、582万トン(前年度比15.5%増、3月予測より増加)とかなり大きく増加すると見込まれる。

 他方、インドネシアは、砂糖の在庫が積み上がっていることで輸入糖の需要が低下し、468万トン(同13.0%減、3月予測より増加)とかなり大きく減少すると見込まれる。

【消費量】
 2019/20年度の砂糖消費量を国別に見ると、COVID-19の感染拡大防止のために都市封鎖が世界的に実施されたことを受けて、インドは2679万トン(前年度比2.7%減、3月予測より減少)、EUは1887万トン(同2.7%減、3月予測より減少)、中国は1566万トン(同5.2%減、3月予測より減少)と減少が見込まれる。

 一方インドネシアは、昨今の景気動向や個人消費が堅調に推移していることを踏まえ、734万トン(同2.3%増、3月予測から変化なし)とわずかに増加すると見込まれる(注)

(注)インドネシアの砂糖年度は4月〜翌3月であるため、2019/20年度におけるCOVID-19の砂糖消費に及ぼす影響は限定的と予測される。

【輸出量】
 2019/20年度の砂糖輸出量を国別に見ると、ブラジルは、砂糖の国際価格の低迷を受けて2028万トン(前年度比3.5%減、3月予測より減少)とやや減少すると見込まれる。第2位のタイは、他作物への転作や全土的な少雨に伴うサトウキビ生産量の減少などによって砂糖生産量が大幅に落ち込んだことに伴い、860万トン(同14.9%減、3月予測より増加)とかなり大きく減少すると見込まれている。

 インドは、砂糖の過剰在庫の解消に向け、政府が補助金政策などを通じて輸出を促進していることを受け、627万トン(同14.0%増、3月予測より増加)とかなり大きな増加が見込まれる。
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