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3. 国際価格の動向

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最終更新日:2020年7月10日

3. 国際価格の動向

2020年7月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(6/1〜7/14)
〜6月上旬に12セント台まで上昇も、7月中旬以降11セント台へ下落〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2020年6月の推移を見ると(7月限(がつぎり))、1日は、ブラジルにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者数の急増を背景に砂糖生産や輸出が少なからず影響を受けるとの懸念から、1ポンド当たり11.00セント(注1)の値を付けた。その後4日間は原油価格やレアル相場の回復に伴い続伸し(注2、3)、5日は同12.02セントと約3カ月ぶりに12セント台に乗せた。8日に一旦、原油価格の下落を受けて同11.94セントまで値を下げたものの、その後は上昇に転じ、10日は、ブラジル製糖業者によるエタノール増産の憶測が市場で広まったことで同12.23セントまで値を上げた。12日は、ブラジル中南部地方における5月後半の砂糖増産発表を受け、同11.87セントまで下落した。15日以降は原油価格の回復に伴い上昇し、16日は同12.19セントの値を付けた。17日以降は原油価格やレアル相場の影響を受けて変動し、19日は同12.05セントまで上昇した。22日は、雨季の降水量が平年並みと予測されたインドで前年度に比べ砂糖の増産が見込まれることから、同11.92セントと値を下げた。その後は続落し、24日は、原油価格とレアル相場が落ち込んだ影響で、同11.75セントとさらに値を下げた。25日は同11.81セントと小幅に値を上げたものの、インド産糖の増産予測を背景に26日は、同11.55セントと下落に転じた。その後は原油価格の上昇に伴い値が回復し、30日は同11.84セントの値を付けた。

 期近限月が10月限に切り替わった7月1日は、同12.17セントと12セント台のスタートとなった。2日は原油価格とレアル相場の上昇を受けて続伸したものの、6日は、米国でCOVID-19が再拡大したことによる砂糖需要の減退懸念から、同11.93セントと下落した。7日は、同12.18セントと12セント台に乗せるも、COVID-19の収束が不透明である状況などを受けて8日以降は再び下落に転じ、14日は同11.32セントまで値を下げた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替(補填)燃料であるバイオエタノールの需要も上昇する。バイオエタノールの需要が上昇すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ることが想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが高くなると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すれば、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
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