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新たな食料・農業・農村基本計画について〜我が国の食と活力ある農業・農村を次の世代につなぐために〜

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最終更新日:2020年7月10日

新たな食料・農業・農村基本計画について〜我が国の食と活力ある農業・農村を次の世代につなぐために〜

2020年7月

中国文化センター

〇はじめに

 日本語で「(あん)」、「(あん)()」というと豆や芋、栗などで作った甘いペーストのイメージが強いですが、もともと「餡」は餃子や中華まん、点心、お菓子などに「詰めるもの」全般を意味する言葉です。ですから、ひき肉や野菜のみじん切りももちろん「餡」。むしろ中国では「肉餡」や「菜餡」など、おかずとしてのイメージが強くあります。一般的にペースト状の、いわゆる「あんこ」を指すときは「棗泥(ザオニィ)」「南瓜泥(ナングワニィ)」というように「材料+泥」で呼び、小豆餡は「紅豆沙(ホンドウシャー)」、あるいは単に「豆沙(ドウシャー)」と呼びます。

 このように、「餡」の意味は日本とは少し違いますが、小豆餡は中国人にも非常になじみ深い食材です。中国では古くから、赤色には邪気を追い払う力があるとされ、小豆にも強い厄よけの力があると信じられています。また唐代の大詩人・王維が「相思」という有名な小豆の詩を詠んだことで、小豆は「相思豆」とも呼ばれ相思や愛情の象徴となりました。

 豆沙は唐代から普及が始まったといわれ、一説によると、太宗皇帝(598〜649年)の長患いを心配した皇后が病邪を払うために宮女に命じて作って食べさせたのが始まりといいますから、1400年ほどの歴史があります。以来、あんまんや月餅、ゴマ団子などをはじめ、豆沙入りおやきの「豆沙餅(ドウシャービン)」、餅で豆沙を巻いた「リューダーグン」、菊花の形を模した春節のお菓子「ジウホアスー」(写真1)、大福のような「マーツー」などなど、さまざまな豆沙を使ったお菓子が生まれ、今では全国的に小豆が栽培され、生産されています。
 

 しかし、今でこそ東北地区の黒龍江省などで生産が盛んですが、小豆はもともと熱帯の植物で、中国では広東省、広西省、雲南省一帯が原産です。そのため今でも中国北部よりは南部の食文化とより密接なようで、南部では春節に神に捧げる蒸しケーキ「ファーガオ」や(くつ)(げん)(中国の戦国時代の楚の政治家・詩人)をしのぶ端午のちまき、祖先を祭る中秋の月餅など、さまざまな節句や慶事のお菓子に豆沙が使われる傾向があります。

 一方、北部ではナツメ文化が浸透しています。例えば上述の春節のファーガオや中秋の月餅などには棗泥(ナツメ餡)が、端午のちまきには干しナツメがそのまま入れられます。栄養豊富で保存性に優れ、食用の簡便なナツメは華北・河南・山東など北方の黄河流域やその周辺では8000年以上も前から食されていたようです。また、赤いナツメには厄よけの力があるとされるだけでなく、「棗(そう)」の発音が「早」と同じであることから「早く出世する、早く世継ぎが生まれる」に通ずる非常に縁起の良い食べ物とされ、古来、官民問わず祝事の贈答品や祭事の供物、結婚式の支度品などとしても用いられてきました。

 棗泥がいつ始まったかは定かではありませんが、以前は寒食節(冬至後105日目)に棗泥が入った小麦菓子「子推燕(ズートゥイイェン)」を捧げるという風習がありました。寒食節は春秋時代の晋国の文公が功臣・(かい)()(すい)の死を悼んで始めたといいますから、制定当初からの習慣なら、山西省一帯では2500年前には棗泥を作っていたことになります。いずれにせよ、棗泥が昔から中国北部の人々にとって身近な食材であったから子推燕の餡として使われたのだと推測できます。

  もちろん、「北は棗泥、南は豆沙」と明確に分けられているわけではありません。北京でも旧暦10月15日の下元節では「豆沙包」(あんまん)を食べますし、広州にも「ザオニィガオ」(ナツメの蒸しケーキ)があります。さらに現代では流通の発達により文化の融合が進み、南北食文化の差異は小さくなりました。しかし、そういった文化の傾向は確かに存在し、棗泥が豆沙と並んで中国文化を代表する餡であることは間違いありません。

 続いて、餡を使用した代表的なお菓子である「月餅」についてご紹介しましょう。

〇基本計画のポイント

 みなさんは「月餅」と聞いてどのような形や餡を思い浮かべますか。おそらく、丸くて茶色いしっとりした皮の小豆餡のお菓子を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに、日本でも中国でもそういう月餅がよく普及していますが、本場中国の月餅は小豆餡以外にも、非常に多様な形、餡が存在します。

 もちろん、月餅は月を模して作るため円柱型やドーム型が基本です。しかし(こう)(しゅう)式(広式)、()(しゅう)式(蘇式)、()(きん) 式(京式)(写真2)、(うん)(なん)式(テン式〈「テン」はさんずいに眞〉)、(ちょう)(さん)式(潮式)などそれぞれの地域の月餅があり、京式などの中には四角形のものも存在します。広式や京式は表面に複雑な細工があしらわれていて精緻な印象を受けますが、蘇式やテン式などはせいぜい食紅で字を書いたり、ゴマをかけてあるだけでとても素朴です。
 

 月餅の生地は大きく三つに分けられます。一つ目に、日本でよく見る月餅は「糖漿皮(タンジャンピー)」といい、シロップと油を練りこんでいるのでしっとりしています。もともとは北京天津、広東地区を中心に作られていましたが、現在では全国的、世界的に主流となりました。二つ目は「焼餅」(おやき)文化の流れをくむパイ生地の「酥皮(スーピー)」で、蘇式、テン式、潮式をはじめ多くの地域で作られています。そして三つ目はこの15年ほどで流行している「冰皮(ビンピー)」です。蒸したもち米皮のモチモチとした歯触りが特徴で、冷やして食べます。これら三種の生地は色にも違いが見られます。「酥皮」は小麦粉自体の黄白色や卵黄を塗った黄金色で素朴な色合いですが、「糖漿皮」と「冰皮」の色は茶、赤、緑、白、黒、紫など非常にカラフルです。

 月餅の餡は非常に多彩で、中国餡文化の懐の深さを感じさせます。一般的に広式はしっとりした餡を使い、京式などの北方系は水分が少ない餡を使う傾向がありますが、月餅の起源の一つとされる「胡餅」には胡桃(くるみ)、落花生、松の実、麻の実、ゴマなどさまざまな果物やナッツ類が入っていたようです。この餡は現在でも「五仁餡」として販売されており、これに「蛋黄蓮蓉」(塩漬け卵黄入り蓮の実餡)、そして「棗泥」と「豆沙」(写真3)を加えた四種がとりわけ多く流通しています。ほかにも緑豆餡、白豆餡、黒豆餡、サンザシ餡、紫芋餡、カボチャ餡、松の実餡、ゴマ餡など多種多様な餡があって、さらには地域によってココナッツや栗の実、バラやキンモクセイの花びらなど、それぞれの風土に合わせた月餅が作られ、流通しています。
 

 中国では甘くない餡の月餅も非常にポピュラーです。広式の香辣牛肉(辛味牛肉)や、肉松(肉のでんぶ)、蘇式の肉月餅や椒塩月餅、テン式のハム月餅(テン式火腿)などが広く知られています。こうした月餅は「酥皮」で作られていることが多く、日本人のイメージする「月餅」よりは「おやき」に近く感じます。

  さらに最近では、アイスクリームやチョコレートといった洋菓子風のものや「コーヒー月餅」「ウーロン茶月餅」「緑茶月餅」「カレー月餅」など次々と新しい月餅が登場しており、若い層を中心にこうした月餅も受け入れられています。

 このように中国の月餅は生地も餡も地域や様式によってさまざまで、本当に同じ「月餅」なのかと思ってしまいます。しかし、中国では陰暦8月15日前後には必ずさまざまな月餅が人々の間を行き交い、中秋節を祝います。最近は中秋節に帰省せず、勤務地で家族や友人らと過ごす人々も出てきていますが、今日でも、月餅は中国文化を象徴するお菓子として、家族や仲間のだんらんと共にあり続けています。皆さんもぜひ中秋の時期に近しい人たちと月餅を食べ、中国の月餅、餡の文化を堪能してみてはいかがでしょうか。

〇基本計画の内容

第1 食料、農業及び農村に関する施策についての基本的な方針

 グミの魅力は一般的にはその食感にあると言われています。私も実際にそうだと思います。ただ、そこに加えて私はもう一つグミの魅力をお伝えしています。それは「自由」です。

 チョコレートやキャンディ、ガムと比べて、グミと言ったときに頭の中に浮かぶ特定のイメージはバラツキがあるのではないでしょうか。グミには色も、形も、味も、食感も答えがありません。自由なのです。

 つまり、グミは消費者一人一人で違うイメージを持っている。そう考えるとグミの魅力を伝えるに当たっては明確な機能面の魅力ではなく、その自由さを逆手にとって伝えることが効果的ではないかと思います。私はこれを「グミニケーション」と名付けており、日本グミ協会では新商品のグミのレビューを行うだけでなく、グミパなどイベントの実施、冷やしグミパ、グミスマスといった季節と掛け合わせた企画(写真3)、トークイベントのグミトーク、ラジオグミトーク、グミのLINEスタンプ、グミのアパレルなど自由にグミの魅力を訴求しています。

第2 食料自給率の目標

 また、一人一人が違うグミの魅力を訴求できるようソーシャルメディアの文化であるハッシュタグを活用し、ソーシャルメディア上で日々グミ好きの方とコミュニケーションを行っています。

 2020年の春、緊急事態宣言中は、在宅のおうち時間とともに家でソーシャルメディアに触れる機会も増えましたが、そうした中、お菓子業界はハッシュタグ「#おかしつなぎ」を行い、各メーカーのお菓子が当たりおうちに届くというキャンペーンのバトン企画が行われていました。

 日本グミ協会はメーカーではありませんが、この「#おかしつなぎ」の企画に参加し、1人の方にグミを93(グミ)個プレゼントする企画を行いました。その結果、Twitterの国内トレンド1位を何度も取ることとなり、非常に盛り上がりました。

 こうしたことから、グミの自由な魅力を訴求するに当たって、日本グミ協会ではソーシャルメディアに注力しています(写真4)。
 さて、本誌の主題である砂糖類・でん粉とグミというものを考えたとき、やはりその市場の拡大が糖の消費を後押しできるのではないかと思います。最近では、カンロ株式会社がコーポレートスローガンを「糖から未来をつくる。」に変更し、グミ製造ラインの投資なども行うなど、グミ生産の拡大や糖への理解促進に向けた取り組みも進められています。

 私もいくつかの専門誌などからグミ市場が伸びているといった理由から取材を受ける機会が多々ありました。新しいお菓子としてのグミは認知度が増え、新商品が出れば出るほど伸びるというのがこれまでだと思います。そして、これは仮説なのですがその伸びしろは実は外国人観光客の方が支えていた部分もあったのではないかと思います。

 日本のグミはおいしいということで、ドラッグストアなどでいわゆる爆買いをしている姿をたびたび見かけました。外国人観光客の方が訪れるスポットであるドラッグストアは、実際にグミの販売チャネルとして大きなウエイトを占めていると思います。しかし、COVID-19の影響で外国人観光客の方は大きく減っています。グミ市場にどの程度影響があるのか、私は販売者ではなく、一消費者であるため実のところは分かりません。

 また、本誌でもたびたび取り上げられている糖質制限なども、一部ではまだ極端な解釈をされており、結果としてそれもグミに限らずお菓子市場全体に影響を与えているかもしれません。

 グミ市場は急拡大し、今ではスーパーやコンビニに常設コーナーを持つまでになりました。男性向けグミや機能性グミなどでグミにあまり触れてこなかった方たちに対しての販売を注力しているという側面も見られます。しかし、個人的には、新商品での特定層への訴求だけではなく、今こそ定番商品の中での魅力を日本人に再認識してもらい、購入頻度を向上させることが下支えになるのではないかと思っています。

 また、その下支えとともにグミの自由さ「グミニケーション」を訴求することも重要と考えています。糖質制限などの認知度が高まる中にあっても、砂糖やでん粉などを原料とするタピオカドリンクは、その見た目や食感の楽しさやインスタ映えなどを背景に、一昨年から昨年にかけて若い世代を中心に大きなブームとなりました。人が求めていることはお菓子の味や種類だけでなく、お菓子を通してのコミュニケーションではないでしょうか。そのためにグミだからできる、自由なグミニケーションを伝えていき、大好きなグミに微力ながら一消費者として貢献していきたいと思っています。

第3 「食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策」

(食料の安定供給の確保)
 消費者や実需者ニーズの多様化・高度化への対応を進めつつ、関係者の連携・協働による新たな価値の創出を推進します。また、政府一体となった輸出促進や日本食・食文化の海外普及や食産業等の海外展開等の取組を推進し、農林水産物・食品の輸出額を令和12(2030)年までに5兆円とすることを目指します。

 食品の安全確保と食品に対する消費者の信頼確保、食生活・食習慣の変化等を踏まえた食育や消費者と生産者の関係強化を進めます。また、食料供給に係るリスクを見据えた総合的な食料安全保障を確立します。

(農業の持続的な発展)
  経営感覚を持った人材が活躍できるよう、経営規模や家族・法人など経営形態の別にかかわらず、担い手の育成・確保を進めるとともに、担い手への農地の集積・集約化、農業生産基盤の整備の効果的な実施、需要構造等の変化に対応した生産供給体制の構築とそのための生産基盤の強化、スマート農業の普及・定着等による生産・流通現場の技術革新、気候変動への対応などの環境対策等を総合的に推進します。また、中小・家族経営など多様な経営体による地域の下支えを図るとともに、生産現場における人手不足等の問題に対応するため、ドローン等を使った作業代行やシェアリングなど新たな農業支援サービスの定着を促進します。

 甘味資源作物については、価格調整制度による国内生産の安定を図るとともに、砂糖に関する知識の普及や食文化の発信等により砂糖の需要拡大を図ります。

(農村の振興)
  農村を維持し、次の世代に継承していくため、(1)生産基盤の強化による収益力の向上等を図り農業を活性化することや、農村の多様な地域資源と他分野との組合せによって新たな価値を創出し所得と雇用機会を確保すること、(2)中山間地域をはじめとした農村に人が住み続けるための条件を整備すること、(3)農村への国民の関心を高め、農村を広域的に支える新たな動きや活力を生み出していくこと、といった「三つの柱」に沿って、農林水産省が中心となって関係府省、都道府県・市町村、民間事業者と連携し、農村振興施策を総動員して、現場ニーズの把握や課題解決を地域に寄り添って総合的に推進します。

(東日本大震災からの復旧・復興と大規模自然災害への対応)
 東日本大震災については、地震・津波災害及び原子力災害からの復旧・復興を進めます。

 大規模自然災害への備えとして、災害に備える農業経営の取組の全国展開、異常気象などのリスクを軽減する技術の確立・普及、農業・農村の(きょう)(じん)化に向けた防災・減災対策、初動対応をはじめとした災害対応体制の強化、不測時における食料安定供給のための備えの強化に取り組みます。また、被災地の早期の復旧を支援します。

(団体)
 農業協同組合系統組織、農業委員会系統組織、農業共済団体、土地改良区について、その機能や役割を効果的かつ効率的に発揮できるようにします。

(食と農に関する国民運動の展開等を通じた国民的合意の形成)
 食育や地産地消などについて、消費者、食品関連事業者、農協などを含め官民が協働し、食と農とのつながりの深化に着目した新たな国民運動を展開します。
 こうした取組を通じて、食と環境を支える農業・農村への国民の皆様の理解を醸成し、農は「国の基(もとい)」との認識を国民全体で共有し、食料自給率の向上と食料安全保障の確立を図っていきます。

(新型コロナウイルス感染症をはじめとする新たな感染症への対応)
 内需・外需の喚起、農業労働力の確保、国産原料への切り替えなどの中食・外食・加工業者対策などを機動的に講じます。

〇おわりに

 今後、基本計画に基づく施策を着実に推進していくために、関係者の皆さまのご理解、ご協力をお願いします。(基本計画の詳細については、農林水産省のホームページ〈https://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/index.html〉をご覧ください。)


岡本 浩一(おかもと こういち)
【略歴】
平成12年農林水産省入省。
食料安全保障課(食料自給率担当)、在タイ日本国大使館(一等書記官)、貿易業務課(麦の輸入制度等の企画)等を経て、29年から大臣官房政策課計画グループにて、TPPや日米貿易協定等の影響試算、食料・農業・農村基本計画の策定等を担当。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272