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日本のグミを一消費者から考える

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最終更新日:2020年8月11日

日本のグミを一消費者から考える

2020年8月

日本グミ協会 会長 武者(むしゃ)) 慶佑(けいすけ))

1.日本にグミは根付くのか

 こう切り出すと、本記事を読まれている方は「十分根付いているのでは?」というイメージを持つと思います。実際、グミ市場はここ数年右肩上がりに伸びており、市場規模は年間600億円とも、700億円とも言われています。しかし、とあるメーカーの調査によると、60%の人はグミを購入したことがないというデータも出ているのです(チョコレートの購入体験は100%に近い)。

 なぜこのようなデータが出るのか、それは歴史の差が一つあると思います。グミは1980年に初めて日本で販売されましたが、当初は駄菓子屋での販売であり、親御さんがお子さんにお菓子として食べさせるという意味でのグミは1988年の果汁グミが始まりだと考えます。故に40代以上の方はお菓子をよく食べる幼少期にグミという選択肢がほぼなかったのではないでしょうか。その方たちが未購入のまま大人になっていったというわけです。

 そして私が思うにはもう一つ、大人になってから購入する理由がないという要因もあると思うのです。チョコレートの場合は、年に一度バレンタインという、ほぼ全国民がチョコレートを意識する瞬間が訪れます。買う理由として、気になっている人に贈る、お世話になっている人に贈るなど、自分で食べる以外にも贈答用としての購入機会も多いと考えられます。

 こうした歴史的な背景と、文化的な背景から日本においては60%の人がグミを購入したことがないという結果になっているのではないでしょうか。

2.日本のグミを広げる日本グミ協会の活動

 私は、2013年から「日本グミ協会」という活動を行っております。協会とは名乗っていますが、どこかに申請を出したというわけではなく、明確な会員の定義というものも定めてはおりませんが、ウェブサイトで会員証のデータを誰でも発行できるようになっており、2020年7月現在5300件ほど発行されています。活動の主体は主にソーシャルメディアを活用しており、フォロワー数はTwitterで5万6000人、Instagramで1万2000人となっており、主に新作グミのレビューやグミを使ったちょっとした面白企画の投稿を行っています。
 
 また、日本グミ協会は、とあるテレビメディアに出演させていただいたことを契機に、業界内認知度が増し、結果として国内のグミを製造するメーカーの方ともつながりができ、2017年より日本グミ協会に加え、UHA味覚糖株式会社、カンロ株式会社、春日井製菓株式会社、カバヤ食品株式会社、株式会社CANDY・A・GO GOなどのメーカーの皆さまと「GUMMIT(グミット)」という団体を組織いたしました。

 GUMMITの目的は冒頭にも書かせていただきましたが、グミを買う理由を作るべく、9月3日の「グミの日」を広めようということにあります。グミの日はUHA味覚糖株式会社により制定された日ではありますが、メーカーの垣根を越えて、この日だけは共同でプロモーションを展開しています。昨年、一昨年は原宿の竹下通りのフラッグをジャックし、原宿で大型のグミのイベント「グミパ(グミパーティー)」を行い、500人以上の方が来場し、各種メディアでも取り上げていただきました(写真2)。ソーシャルメディアでも盛り上がりのランキングを示す「国内トレンド」で「グミの日」がトップ10に入るなどの実績を出すこともできています。2020年も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が懸念される情勢下ではありますが、実施できる範囲でのグミの日をメーカーの皆さまと一丸となって行っていく予定です。

 このように、「グミの日」が話題となり、継続することで、日本国内に根付き、結果としてまだグミを買ったことがない層の方がグミを買う理由ができるのではないかと考えています。
 
 

3.グミの魅力とは何か

 グミの魅力は一般的にはその食感にあると言われています。私も実際にそうだと思います。ただ、そこに加えて私はもう一つグミの魅力をお伝えしています。それは「自由」です。

 チョコレートやキャンディ、ガムと比べて、グミと言ったときに頭の中に浮かぶ特定のイメージはバラツキがあるのではないでしょうか。グミには色も、形も、味も、食感も答えがありません。自由なのです。

 つまり、グミは消費者一人一人で違うイメージを持っている。そう考えるとグミの魅力を伝えるに当たっては明確な機能面の魅力ではなく、その自由さを逆手にとって伝えることが効果的ではないかと思います。私はこれを「グミニケーション」と名付けており、日本グミ協会では新商品のグミのレビューを行うだけでなく、グミパなどイベントの実施、冷やしグミパ、グミスマスといった季節と掛け合わせた企画(写真3)、トークイベントのグミトーク、ラジオグミトーク、グミのLINEスタンプ、グミのアパレルなど自由にグミの魅力を訴求しています。
 
 また、一人一人が違うグミの魅力を訴求できるようソーシャルメディアの文化であるハッシュタグを活用し、ソーシャルメディア上で日々グミ好きの方とコミュニケーションを行っています。

 2020年の春、緊急事態宣言中は、在宅のおうち時間とともに家でソーシャルメディアに触れる機会も増えましたが、そうした中、お菓子業界はハッシュタグ「#おかしつなぎ」を行い、各メーカーのお菓子が当たりおうちに届くというキャンペーンのバトン企画が行われていました。

 日本グミ協会はメーカーではありませんが、この「#おかしつなぎ」の企画に参加し、1人の方にグミを93(グミ)個プレゼントする企画を行いました。その結果、Twitterの国内トレンド1位を何度も取ることとなり、非常に盛り上がりました。

 こうしたことから、グミの自由な魅力を訴求するに当たって、日本グミ協会ではソーシャルメディアに注力しています(写真4)。
 

4.グミと糖の関係は

 さて、本誌の主題である砂糖類・でん粉とグミというものを考えたとき、やはりその市場の拡大が糖の消費を後押しできるのではないかと思います。最近では、カンロ株式会社がコーポレートスローガンを「糖から未来をつくる。」に変更し、グミ製造ラインの投資なども行うなど、グミ生産の拡大や糖への理解促進に向けた取り組みも進められています。

 私もいくつかの専門誌などからグミ市場が伸びているといった理由から取材を受ける機会が多々ありました。新しいお菓子としてのグミは認知度が増え、新商品が出れば出るほど伸びるというのがこれまでだと思います。そして、これは仮説なのですがその伸びしろは実は外国人観光客の方が支えていた部分もあったのではないかと思います。

 日本のグミはおいしいということで、ドラッグストアなどでいわゆる爆買いをしている姿をたびたび見かけました。外国人観光客の方が訪れるスポットであるドラッグストアは、実際にグミの販売チャネルとして大きなウエイトを占めていると思います。しかし、COVID-19の影響で外国人観光客の方は大きく減っています。グミ市場にどの程度影響があるのか、私は販売者ではなく、一消費者であるため実のところは分かりません。

 また、本誌でもたびたび取り上げられている糖質制限なども、一部ではまだ極端な解釈をされており、結果としてそれもグミに限らずお菓子市場全体に影響を与えているかもしれません。

 グミ市場は急拡大し、今ではスーパーやコンビニに常設コーナーを持つまでになりました。男性向けグミや機能性グミなどでグミにあまり触れてこなかった方たちに対しての販売を注力しているという側面も見られます。しかし、個人的には、新商品での特定層への訴求だけではなく、今こそ定番商品の中での魅力を日本人に再認識してもらい、購入頻度を向上させることが下支えになるのではないかと思っています。

 また、その下支えとともにグミの自由さ「グミニケーション」を訴求することも重要と考えています。糖質制限などの認知度が高まる中にあっても、砂糖やでん粉などを原料とするタピオカドリンクは、その見た目や食感の楽しさやインスタ映えなどを背景に、一昨年から昨年にかけて若い世代を中心に大きなブームとなりました。人が求めていることはお菓子の味や種類だけでなく、お菓子を通してのコミュニケーションではないでしょうか。そのためにグミだからできる、自由なグミニケーションを伝えていき、大好きなグミに微力ながら一消費者として貢献していきたいと思っています。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



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