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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2020年9月10日

2. 国際価格の動向

2020年9月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(7/1〜8/14)
〜7月中旬に11セント台半ばまで下落も、8月中旬には13セント超え〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2020年7月の推移を見ると(10月(がつ)(ぎり))、1日は、1ポンド当たり12.17セント(注1)と12セント台のスタートとなった。2日は続伸して同12.24セントと値を付けたものの、6日は米国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大による砂糖需要の減退懸念から、同11.93セントと12セントを割り込んだ。7日は、原油価格の上昇(注2)に伴い同12.18セントと12セント台に乗せるも、COVID-19の収束が不透明である状況などを受けて8日以降は再び下落に転じ、14日は同11.32セントまで下落した。15日は、原油価格が上昇したことにより、同11.82セントまで反発した。16日以降は、COVID-19の影響で、世界の砂糖消費量が冷え込むとの予測や、ブラジルのエタノール需要が低調であるとの情報から小幅に下落し、21日は同11.67セントとなった。22日は、ブラジルレアルの上昇(注3)を受けて同11.86セントまで値を上げたものの、24日は、ブラジル中南部における7月前半の砂糖生産量が前年同期と比べ大幅に増加したことや、エタノール販売量の減少が発表されたことなどから、同11.49セントまで値を下げた。27日は、インドネシアが輸入を増やすとの期待感を受け、8日以来の12セント超えとなる同12.12セントまで上昇した。31日は、インドネシアに加え中国も輸入量を増やすとの見方や原油価格の上昇によって、同12.64セントと約4カ月半ぶりの高値を付けた。

 8月に入り、3日は原油価格の続伸に伴い、同12.72セントまで上昇した。5日は、タイで週後半に降雨が予報され、サトウキビの生育が促進されると見込まれたことで、同12.54セントに下落したものの、6日には、2020/21年度の世界の砂糖需給がひっ迫するとの見方が市場に広がり、同12.94セントと5カ月ぶりの高値を付けた。10日は、タイ気象局が8月および9月の降雨量を平均以上と予測したことなどから、同12.55セントに下落した。11日から13日にかけては、中国におけるブラジル産糖の需要の増加に引きずられ上昇し、13日には同13.11セントと2020年3月以来の13セント台に乗せた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替(補填)燃料であるバイオエタノールの需要も上昇する。バイオエタノールの需要が上昇すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ることが想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが高くなると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すれば、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
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