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2. 主要国の砂糖需給(2020年12月時点予測)

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最終更新日:2021年1月12日

2. 主要国の砂糖需給(2020年12月時点予測)

2021年1月

 
【生産量】
 国別に見ると、ブラジルは、天候不順により降雨が少なく乾燥した気候であったものの、サトウキビの収穫が順調に進んでいること、ATR(サトウキビ1トン当たりの回収糖分)が2006/07年度以降で最高であることや、製糖業者におけるエタノールから砂糖へ生産を切り替える動きを背景に、4479万トン(前年度比40.8%増)と大幅に増加し、世界の砂糖生産量の約4分の1を占めると見込まれる(図2)。
 
 インドは、雨季の降雨に恵まれてサトウキビが順調に生育し、3375万トン(同14.7%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。

 EUにおいては、てん菜生産量第1位のフランスで干ばつと萎黄いおう病の流行を背景とした減産が予測されており、EU全体の生産量は1527万トン(同10.1%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。

【輸入量】
 国別に見ると、インドネシアは、砂糖生産量の不足分を輸入で補っていることから、国内の減産に伴い545万トン(前年度比16.5%増)と大幅に増加すると見込まれる。

 また、中国では、政府が戦略的に備蓄量を100万トン追加すると発表したことにより、砂糖の国内在庫量を積み増すために、ブラジルなどからの輸入糖の需要が上昇すると予測されることから、675万トン(同1.3%増)とわずかに増加すると見込まれる。

【消費量】
 国別に見ると、インドは、個人消費が堅調に推移していることを踏まえ、2832万トン(前年度比4.9%増)とやや増加すると見込まれる。長らく世界の砂糖需要をけん引してきた中国も、1663万トン(同2.0%増)とわずかに増加すると見込まれる。一方インドネシアは、COVID-19の感染拡大防止のために都市封鎖が実施されたことを受けて、686万トン(同6.6%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。

 EUは、1707万トン(同0.7%増)とわずかに増加すると見込まれる。

【輸出量】
 国別に見ると、ブラジルは、エタノール需要の低下やレアル安が砂糖輸出への意欲を刺激し、3390万トン(前年度比66.8%増)と大幅に増加し、輸出量全体の5割弱を占めると見込まれる。タイは、砂糖生産量の3年連続の落ち込みと輸出に仕向けられる国内在庫の減少に伴い、543万トン(同33.5%減)と大幅に減少し、第2位から第3位に後退する見通しである。

 一方、インドは、2019/20年度は在庫量が多かったことから輸出が好調だったが、その反動から2020/21年度は一定の在庫量を確保すると予測されるため、696万トン(同13.2%減)とかなり大きく減少するものの、第2位に浮上する見通しである。
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