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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2021年2月10日

2. 国際価格の動向

2021年2月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(12/1〜1/15)
〜12月は14セント台で推移するものの、その後は16セント台まで急騰〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2020年12月の推移を見ると(3月限(がつぎり))、1日は前月末の原油価格の下落(注1)とレアル安(注2)に引きずられ、値を下げた前日と変わらず1ポンド当たり14.51セント(注3)を付けた。3日はレアルが米ドルに対して4カ月ぶりの高値を付けたことで、同14.71セントまで上昇したものの、4日は11月のブラジル産砂糖の輸出量が前年から大幅に増加したとの報道を受け、同14.44セントと値を下げた。9日はインドネシア政府が砂糖の次期割当量について近日中に発表するとの見方が市場に広まり、同14.97セントと反発したものの、その後は世界的な増産見通しを受けて反落し、11日は同14.43セント、14日は同14.12セントまで値を下げた。17日はブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が、今年の干ばつにより、2021/22年度の同国産砂糖の減産見通しを発表したことを受け、3日連続で続伸して同14.68セントまで上昇した。18日はブラジルのサトウキビ生産地の降雨予報を受けて、同14.44セントと値を下げた。21日は主要消費国であるインドネシアの製糖業界団体により、実需の増加を背景に、今後消費が伸びるとの見込みが発表されたことを受け、同14.53セントと緩やかに上昇した。23日はブラジルでの降雨減少による砂糖の減産懸念から、同14.83セントと価格を押し上げた。24日は中国海関総署(日本の税関に相当する組織)が報告した11月の砂糖輸入量が、前年同月比114%増であったことが報じられたことで、中国での需要拡大予測を受け、同14.90セントと上昇し、31日にはインドネシアや中国の堅調な砂糖需要を受けて、同15.49セントと高値を伸ばした。

 明けて2021年1月4日は、アジアからの堅調な砂糖需要に加えて、引き続き世界的に砂糖の供給がひっ迫するとの見通しに支えられ、前月からの流れを引き継いで、同15.76セントと高値を付けた。6日は世界最大級の砂糖トレーダーが、2020/21年度に500万トン、2021/22年度に600万トンの砂糖不足の予測を発表したことなどから、世界的に砂糖の供給がひっ迫するとの見方が強まり、3年半ぶりの高値となる同16.25セントを付けた。7日はレアルが対ドルで1カ月半ぶりの安値となったことから、同15.60セントと急落した。13日はUNICAが、2020年12月後半のブラジル中南部での減産(前年同期比13.7%減)を発表したことから、同15.84セントと上昇した。14日は世界的な砂糖の供給ひっ迫の見通しから、砂糖の先物買いが活発化し、同16.67セントと急騰し、3年半ぶりに高値を更新した。15日はレアル安と原油価格の下落などを受けて、同16.45セントと下落した。

(注1)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替(補填)燃料であるバイオエタノールの需要も低下する。バイオエタノールの需要が低下すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えることが想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注2)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが安くなると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が上昇すると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
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