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3. 国際価格の動向

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最終更新日:2021年4月9日

3. 国際価格の動向

2021年4月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(2/1〜3/15)
〜2月下旬に約4年ぶりの18セント台に乗せる〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2021年2月の推移を見ると(3(がつ)(ぎり))、1日は、EUの砂糖生産量予測が下方修正されたことなどが影響し、1ポンド当たり16.15セント(注1)まで値を上げた。2日は、原油価格が1年ぶりの高値を付けたことで、砂糖相場も追随し、同16.29セントの値を付けたが、3日は、同16.04セントまで値を戻した(注2)。4日以降は、原油価格の回復やタイ産砂糖の減産予測などに伴い上昇傾向で推移し、10日は、同16.71セントまで値を上げた。11日は、インド砂糖貿易協会が2020/21年度の国内砂糖生産量が前年度から9%増加するとの見込みを発表し、砂糖需給の緩和が予想されたことで、同16.55セントと下落した。16日以降は、タイ産砂糖生産量の減少やインドからの砂糖輸出の停滞、原油価格の上昇などを背景に相場が上昇し、22日は同18.78セントとおよそ4年ぶりに18セント台に乗せた。23日は、原油価格の下落を受けて同18.41セントまで下落した。25日は、2021/22年度の砂糖生産量が消費量を大きく上回るとの予測が市場に広まり、同17.84セントまで値を下げた。 26日は、ブラジルレアル相場と原油価格の下落を受けて同17.53セントを付け、3月限は納会した(注3)。  

 期近が5月限に切り替わった3月1日は、同16.21セントを付けた。3日は、インドの2月末時点の砂糖生産量が前年同期から増加したと発表されたことで、同16.14セントまで値を下げた。5日は、原油価格の上昇に伴い同16.40セントまで値を上げた。8日以降は原油価格とレアル相場の下落に引きずられ、9日は同15.90セントとおよそ1カ月ぶりに16セントを割り込んだ。12日は、ブラジル中南部地域における2020/21年度2月期までの砂糖生産量が、前年同期から大幅に増加したことを受けて、同16.13セントまで値を下げた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替(補填)燃料であるバイオエタノールの需要も上昇する。バイオエタノールの需要が上昇すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ることが想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が上昇すると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
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