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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2021年5月10日

2. 国際価格の動向

2021年5月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(3/1〜4/9)
〜3月後半は、新型コロナウイルス感染症の拡大などを受けて下落傾向で推移〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2021年3月の推移を見ると(5(がつ)(ぎり))、1日は、1ポンド当たり16.21セント(注1)の値を付けた。3日は、インドの2月末時点の砂糖生産量が前年同期から増加したと発表されたことで、同16.14セントまで値を下げた。5日は、原油価格の上昇に伴い同16.40セントまで値を上げた(注2)。8日以降は原油価格とレアル相場の下落に引きずられ、9日は同15.90セントとおよそ1カ月ぶりに16セントを割り込んだ(注3)。12日は、ブラジル中南部地域の2月末時点の砂糖生産量が、前年同期から大幅に増加した影響で、同16.13セントまで値を下げた。16日は、ブラジルの主要港で船積み作業が遅延している状況を受けて、同16.30セントまで上昇した。17日以降は、インド産砂糖の増産報道や、欧州における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大による経済の停滞懸念などによって下落が止まらず、23日は同15.43セントの値を付けた。24日は、原油価格の上昇に伴い同15.63セントまで値を戻したものの、25日は、ブラジル産砂糖生産量の増加やレアル安などの影響を受けて、同15.09セントと急落した。29日以降は世界的な砂糖の供給過剰感やブラジルにおけるCOVID-19の拡大などによって下落が続き、31日は同14.77セントの値を付けた。  

 4月1日は、前月からの流れが継続し、同14.71セントと下落したが、6日は、原油価格の上昇とレアル高を受けて同15.16セントまで上昇した。9日は、ブラジルにおける1月〜3月のエタノール輸出量が過去5年間で最多を記録したとの報道を受け、引き続きエタノールの増産が継続するとの思惑から、同15.46セントまで値を上げた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も上昇する。バイオエタノールの需要上昇により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が上昇すると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
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