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3. 国際価格の動向

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最終更新日:2021年7月9日

3. 国際価格の動向

2021年7月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(5/3〜6/15)
〜5月中旬には2カ月半ぶりに18セント台へ乗せるも、6月は17セント台で推移〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2021年5月の推移を見ると(7月(がつ)(ぎり))、5月3日は、インドの砂糖生産実績が前年同期より増加したことで、1ポンド当たり16.73セント(注1)を付けた。4日以降は、ブラジルの乾燥気候への懸念やブラジルレアルが米ドルに対して上昇したことなどから堅調に推移し、6日は同17.55セントまで値を上げた(注2)。11日は、ブラジル産砂糖の減少予測や同国におけるエタノール価格の上昇などにより、同18.10セントと2カ月半ぶりに18セント台へ乗せたものの、12日以降は原油価格の下落などに伴い値を下げ、14日は同16.96セントを付けた(注3)。18日は、ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が、2021/22年度の同国砂糖生産量が前年度比5.7%減の3890万トンになると予想したことなどから、同17.21セントと上昇した。21日は、ブラジルの主要砂糖生産地域で週末にかけて20ミリメートルの降雨予報があったことや、ブラジルレアル安となったことなどから、同16.67セントと下落した。28日は、気象予測会社がブラジル主要砂糖生産地域で、6月から8月にかけて降雨量が不足するとの見込みを公表したことなどから、同17.36セントと上昇した。  

 6月2日は、インド第2位の製糖業者が、2020/21年度の同国砂糖輸出量が過去最高の680万トンに急増するとの見通しを発表したことなどから、同17.68セントを付けた。3日は、国際砂糖機構(ISO)が発表した2021/22年度の世界の砂糖市場における供給量不足が270万トンとなり、2020/21年度の310万トンの不足からわずかに改善するという予測から同17.43セントと値下がりした。8日は、インド製糖協会(ISMA)が、2020年10月1日から翌年5月31日までの同国砂糖生産量が、豊作により前年同期の2701万トンから3057万トンへと前年同期比で13%増加したと発表したことなどから、同17.73セントを付けた。10日は、ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)がブラジル中南部における5月後半の砂糖生産量が当初予想の252万トンを上回る262万トンに増加したと発表したことなどから、同17.66セントと下落した。15日は、ブラジル中南部のサトウキビ主要生産地において、前週の降雨量が過去平均値の160%となり干ばつが緩和されるとの期待から、続落して同17.05セントまで下落した。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も低下する。バイオエタノールの需要低下により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
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