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新型コロナウイルス感染症関連の情報

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最終更新日:2021年10月11日

新型コロナウイルス感染症関連の情報

2021年10月

調査情報部  


 調査情報部では世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各国政府の対応など需給に影響を与えるタイムリーな情報を、海外情報としてホームページの以下のURLに随時掲載しております。 (掲載URL:https://www.alic.go.jp/topics/index_abr_2021.html)  

 ここでは、8月30日までに掲載したものをまとめて紹介いたします。

目次

・【欧州】
1.(令和3年8月20日付)欧州委員会、砂糖の短期的需給見通しを公表(EU)
2.(令和3年8月20日付)欧州委員会、バイオ燃料の短期的需給見通しを公表(EU)

・【オセアニア】
(令和3年8月30日付)サトウキビ生産者団体、コロナ禍の生産者に対し感染防止の徹底を呼び掛け(豪州)

【欧州】

1.(令和3年8月20日付)欧州委員会、砂糖の短期的需給見通しを公表(EU)

 欧州委員会は2021年7月5日、農畜産物の短期的需給見通し(注)を公表した。今回、このうちの砂糖(てん菜)の需給見通しの概要について紹介する。

(注)欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年3回(晩冬、初夏、初秋)、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。

EUの期末在庫量は、前年度比で半減

 2020/21年度(10月〜翌9月)のEUの砂糖生産量は1440万トンと低迷し、輸出量も生産余剰の減少から、過去最低の80万トン(前年度比30%減)になると見込まれる(図1)。また、輸入量も域内消費が比較的安定する中、輸出量が減少することから、輸入量は150万トン(同16%減)にとどまると予測されている。消費量は、一人当たりの砂糖消費量が長期的な減少傾向にある中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束後、外食需要の回復による減少幅の緩和が見込まれることで、食用に1480万トン(精製糖換算、以下同じ)、バイオエタノール(60万トン)を含めた工業用に140万トンと予測されている。結果として、同年度の期末在庫量は110万トン(同48%減)と大幅に減少すると予測されている。  

 2020年の世界の砂糖価格は、COVID-19のパンデミック初期に一時的に急落したが、2021年春には完全に回復した。EUでは1トン当たり370〜380ユーロ(4万8840〜5万160円)で安定して推移し、2021年には同400ユーロ(5万2800円)を目指す展開となっている。

 

2021/22年度の砂糖生産量は、1550万トンに増加の見込み

 2021/22年度のてん菜の作付面積は149万ヘクタール(前年度比1.3%増)とわずかに増加すると予測された(図2)。また、()(しゅ)期の寒波と降霜により作付けの一部に影響があったものの、そのほとんどで再播種が行われるとともに、春先の寒さにより病害虫の発生が抑えられたことで、同年度のてん菜の収量は前年度比9.4%増の1ヘクタール当たり73.8トンと、過去5年平均収量並みの回復が予測されている。このため、てん菜生産量は1億1004万トン(同11%増)とかなり大きく、砂糖生産量は1550万トン(同6.9%増)とかなりの程度増加すると見込まれている。一方、砂糖消費量は前年度と同程度の1480万トンと見込まれることから、在庫量の回復が見込まれている。また、世界の砂糖生産量は、非常に深刻な干ばつによるブラジルの生産量減少を、他の主要砂糖生産国であるEU、ロシア、タイ、インドの生産量増加が補うため、全体では緩やかに増加すると予想されている。

 また、今後の砂糖の需要について、欧州委員会では、COVID-19ワクチン接種の進展により、EUでは飲食店の再開をはじめとする諸規制が緩和されることで、夏の観光シーズンを中心に消費の好転が見込まれるとしつつ、一方で、COVID-19ウイルスの変異株に対するワクチン接種者への影響が不透明であるとし、引き続き注視する姿勢を見せている。

(注)為替レートは三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2021年7月末日TTS相場(1ユーロ=132円〈131.61円〉)を使用した。

   

(国際調査グループ 水野 崇)

2.(令和3年8月20日付)欧州委員会、バイオ燃料の短期的需給見通しを公表(EU)

 欧州委員会は2021年7月5日、農畜産物の短期的需給見通し(注)を公表した。今回、このうちのバイオ燃料(バイオディーゼルおよびバイオエタノール)の需給見通しの概要について紹介する。

(注)欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年3回(晩冬、初夏、初秋)、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。

バイオ燃料の需要は2021年に回復を見込む

 2020年のバイオ燃料の消費量は、前年比3.4%減の2357万キロリットルと、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う都市封鎖による影響から減少するも、輸送用燃料全体の減少幅よりは軽微となった。これは、欧州議会による輸送用燃料へのバイオ燃料や再生可能エネルギーの10%以上の混合義務(注1)が奏功したことが一因であると考えられている。バイオディーゼル(ディーゼルエンジン用のバイオ燃料)の消費量は、輸送用燃料への混合率の上昇が進んだが、同4.1%減の1890万キロリットルとなった。また、バイオエタノールの消費量も、工業用需要が増加したものの、同6.6%減の710万キロリットルとなった(図1)。  

 2021年には、COVID-19の影響の低減が見込まれ、バイオ燃料の混合率の目標水準(注2)が年ごとに引き上がることを背景に混合率のさらなる上昇が見込まれることから、バイオ燃料の需要は回復し、COVID-19以前の水準を超えると予測されている。

(注1)2008年12月に欧州議会が採択した「再生可能資源のエネルギー利用促進に関する欧州議会および欧州理事会指令」において、EU加盟国へ輸送用燃料へのバイオ燃料や再生可能エネルギーの最低10%混合を義務づけるとともに、バイオ燃料導入に係る持続可能性基準が示された。
(注2)上記基準において、目標水準の達成度合いを算定する際に、各種の廃棄物や残さなどを原料とするものについては先進型バイオ燃料とされ、他のバイオ燃料などの 2 倍分とみなして計上される扱いとなっている。

 

バイオ燃料の生産量は増加、輸入量は減少の見通し

 今後、バイオ燃料は、COVID-19の影響の低減による需要の回復見込みを背景に増産が予想されている。特にバイオディーゼルにおいては、EU加盟国における再生可能資源のエネルギー利用促進政策による動きもあって、中国をはじめとするアジア諸国からの廃食用油の輸入が増加している。このため、21年のバイオ燃料の生産量は、前年度より12%増加して650万キロリットルと増産が見込まれている。

 一方、20年のバイオディーゼル輸入はCOVID-19の影響を受け減少するも、バイオエタノール輸入は、20年後半に安価なブラジル産の流入により輸入量は130万キロリットル(前年比37%増)と大幅に増加した(図2)。

 21年について、バイオ燃料輸入は、全体で25%減少し、バイオディーゼルで300万、バイオエタノールで100万キロリットルと予測された。

 また、今後のバイオ燃料の需要について、欧州委員会では、COVID-19ワクチン接種の進展により、EUでは飲食店の再開をはじめとする諸規制が緩和されることで、夏の観光シーズンを中心に消費の好転が見込まれるとしつつ、一方でCOVID-19ウイルスの変異株に対するワクチン接種者への影響が不透明であるとし、引き続き注視する姿勢を見せている。

(国際調査グループ 水野 崇)

【オセアニア】

(令和3年8月30日付)サトウキビ生産者団体、コロナ禍の生産者に対し感染防止の徹底を呼び掛け(豪州)

 豪州の主要サトウキビ生産地であるクイーンズランド(QLD)州のサトウキビ生産者団体CANEGROWERSは8月16日、同国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やサトウキビ生産に関連する最新情報をホームページに公開した。

 これによると、国内の複数のサトウキビ生産地ではCOVID-19の感染拡大を受けて人々の往来が制限されている。そのうちQLD州北部のケアンズやヤラバーでは、8月8日から3日間都市封鎖が実施され、解除後も外出時のマスク着用義務や、自宅での集会や結婚式などでの人数制限が継続された(図)。また、州都ブリスベンなどの同州東南部でも、規制は徐々に緩和されたものの、依然としてマスクの着用義務や人数制限などは継続されている(8月23日時点)。さらに同州に次ぐ主産地であるニューサウスウェールズ(NSW)州では、COVID-19の感染拡大が止まらず、州都シドニーなどでは6月26日から始まった都市封鎖が何度も延長される事態となり、9月以降も措置が継続される予定となっている。

 このような中、CANEGROWERSは自らのホームページを通じ、農業が必要不可欠な仕事(essential service)に指定されていることから、コロナ禍においても関連業務であるサトウキビの収穫や製糖工場への運搬、農作業の委託なども行うことができるとしつつも、作業中は常にマスクの着用が必要であるとしてQLD州の生産者に対して注意喚起を行っている。また、COVID-19の感染リスク最小化のため、農機洗浄や作業場での衛生管理、ワクチン接種などに関する情報に加え、同団体が2020年に作成したCOVID-19対策のガイドラインを改めて紹介している(参考)。さらに、現在または今後、労働力の確保が必要となる生産者へ向けて、連邦政府が運営する農業関係の求人サイト(Harvest Trail)などの積極的な利用や、地域のCANEGROWERS事務局への相談を呼びかけている。

 CANEGROWERSはこの非常に不安定な状況下において、今後もサトウキビ生産に関わる労働者を支援し続けるとしている。

(参考)CANEGROWERSのCOVID-19対策ガイドライン
URL:https://www.canegrowers.com.au/icms_docs/317139_canegrowers-sugarcane-farm-covid-19-guide.pdf

    同ガイドラインでは、以下の取り組みが感染防止策として挙げられている。
    ・従業員やコントラクターの健康管理の徹底
    ・従業員間の距離を1.5メートル以上確保し、農場での作業人数を制限
    ・握手などのスキンシップの回避
    ・消毒剤やせっけんなどの設置と手指の洗浄・消毒
    ・ドアノブやテーブルなど、頻繁に人が触れる部分の消毒
    ・作業後の農機や道具の洗浄(最低でも60%のアルコールで消毒) など

 

(国際調査グループ 塩原 百合子)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272