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4. 日本の主要輸入先国の動向(2021年10月時点予測)

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最終更新日:2021年11月10日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2021年10月時点予測)

2021年11月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14-110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14-200〉の合計)の主要輸入先国は、豪州およびタイで、2020年の主要輸入先国ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比5.2ポイント増)、タイが10.5%(同8.1ポイント減)となっており、2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。

豪州

2021/22年度の砂糖生産量は、わずかに減少する見込み  
 2021/22年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比1.2%減)とわずかに減少すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、3067万トン(同1.5%減)とわずかに減少すると見込まれる。  

 砂糖生産量は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による都市封鎖や主力製糖工場での故障などによる稼働率の低下を受けて収穫作業に遅れが出るなどの影響により419万トン(同2.1%減)とわずかに減少すると見込まれる。輸出量は、在庫量の減少を背景に、314万トン(同6.4%減)と依然減少傾向が続くと見込まれている。

表6 豪州の砂糖需給の推移

タイ

2021/22年度の輸出量は、前年度から大幅に回復する見込み  
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、種苗の不足(注)やキャッサバなどの他作物との競合により、149万ヘクタール(前年度比0.2%増)と前年並みで推移すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、前年度が干ばつの影響を大きく受けた中、主産地の降雨量が平年並みまで回復し、単収が大きく改善することで、9250万トン(同38.8%増)と大幅に増加すると見込まれる。  

 砂糖生産量は、サトウキビ生産量の大幅な回復を受けて1061万トン(同35.3%増)と大幅に増加すると見込まれる。輸出量も、記録的な不作となった前年度からの反動を受けて、781万トン(同2.2倍)と大幅に回復し、前年度比で倍増する状況となることが見込まれる。

(注)LMCは種苗不足の要因に、近年の収穫面積や単収の減少を挙げている

ベトナム商工省、タイ産砂糖の貿易救済措置の回避について調査を決定  
 ベトナムサトウキビ・砂糖協会(VSSA)と同国内の製糖会社は、貿易救済措置(アンチダンピング税と補助金相殺関税)の対象となるタイ産砂糖が、第三国を経由してベトナム国内に流通しているとして、証拠を付した嘆願書を同国商工省(MOIT)へ提出していた。これを受けてMOITは9月21日、タイ産砂糖に関する貿易救済措置の回避について調査することを決定した。  

 タイ産砂糖輸入の急増を受けてMOITは、2021年6月15日からタイ産砂糖に対しアンチダンピング税と補助金相殺関税を正式に課していた。同国税関の輸入データによると、タイ産砂糖に対する貿易救済措置の検討を開始し、アンチダンピング関税の暫定発動による影響が出る2020年10月(注)から2021年6月までにASEAN加盟の5カ国(ラオス、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー)からの砂糖輸入量は52万7200トン(前年同期:10万7600トン)と急増した。一方で、同期間のタイからの砂糖輸入量は、59万5000トン(同95万5500トン)と前年同期比約38%の減少となっている。

(注)ベトナム政府は、2021年2月にタイ産砂糖に対してアンチダンピング税を暫定発動した。これにより、この発動日の90日前となる2020年11月以降に輸入されたタイ産砂糖に対し、遡及して当該暫定税率が適用されることとなった。

表7 タイの砂糖需給の推移

 

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