[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ
検索
alic 独立行政法人農畜産業振興機構
砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 調査報告 > その他 > 情報提供が砂糖消費に対する消費者選好に及ぼす影響

情報提供が砂糖消費に対する消費者選好に及ぼす影響

印刷ページ

最終更新日:2022年1月11日

情報提供が砂糖消費に対する消費者選好に及ぼす影響

2022年1月

東京農業大学 国際食料情報学部 国際バイオビジネス学科 助教 今井 麻子

【要約】

 国内における砂糖消費量の減少要因の一つとして、消費者の砂糖に対する誤解による甘味離れが考えられている。そこで砂糖に関する正しい情報を消費者に提供することで、消費者の選好がどのように変化するのか、全国の消費者を対象に選択実験を行い、条件付きロジットモデルを用いたコンジョイント分析を行ったところ、砂糖に関する正しい知識、科学的情報を提供することで、価格への消費者の反応度合が大きく低下した。また、消費者の心情に訴えかける情報を提供することで、同じく価格への消費者の反応度合が大きく低下し、共感が得られれば、価格が高い場合でもあまり効用水準が変化しない可能性が得られた。

1.問題の背景と調査の目的

 国内における砂糖の消費量は減少傾向にある。その要因の一つとして、消費者の砂糖に対する誤解に起因する甘味離れが考えられている。こうした甘味離れについて長年指摘がされているものの、先行研究では実態解明に終始したものが多く、消費者行動モデルに基づく実証研究が不足している。

 こうした状況をふまえ、本研究では、砂糖に関する正しい情報を消費者に提供することで、砂糖消費に対する選好がどのように変化するかを定量的に明らかにすることを目的とした。その際、情報の種類によって、消費者の行動に与える影響は均一ではないこと、さらに、情報ごとにどの消費者層に影響が強く表れるかということも均一ではないとの前提を置いた分析を行った。つまり、消費者個人の選好の多様性に配慮するというのが本研究の特徴の一つである。これは、消費者の多様性に配慮することで、より効率的な情報発信の提案を目指すことを目的としているからである。また、本調査は独立行政法人農畜産業振興機構の令和2年度砂糖関係研究委託調査により実施したものである。

2.調査の方法

 砂糖に関する誤情報について消費者に情報提供を行うことで、消費者の選好がどのように変化するのかを明らかにするため、全国の消費者を対象に選択型コンジョイント実験を行い、条件付きロジットモデルを用いたコンジョイント分析を行った。

 コンジョイント分析では、商品全体の価値はさまざまな属性(表示内容、色、価格など)の部分価値の和であると想定し、価格を含めた商品の各属性の部分価値を推計することで、各属性の限界支払意思額(追加的に一単位消費することに対して最大限支払ってもよいと考える価格のこと:Marginal Willingness to Pay、以下「MWTP」という)を算出する。具体的には、さまざまな属性の組み合わせにより構成される商品を回答者に複数提示し、最も購入したいと思う商品を一つ選択してもらう。提示する商品の属性の組み合わせを替えた選択型質問を回答者に繰り返し行い、どの商品が選択されるのかというデータを得る。このデータから、回答者がどの属性をどれくらい評価しているのかを推計し、価格に対する評価と価格以外の属性の評価の大きさを比べることで各属性(例えばラベルが付くこと)に対する限界支払意思額を推計する。商品の部分価値の推定は、近年、コンジョイント分析の標準的な推定手法の一つとなっている条件付きロジスティック回帰で行った。計算式の詳細な説明は割愛するが、本研究では、(1)砂糖・甘味料の種類(2)製造国(3)色−による、限界支払意思額を算出している。

 なお、web調査の実施は株式会社マクロミルに委託し、インターネットを用いてアンケートモニターを対象に実施した。アンケートの対象者は、日々の食品の購入に際し、「自分で商品を選んで、自分で購入する」層を対象とし、性別、年齢の割合が偏らないよう割り付けを行った。選択型コンジョイント実験の詳細は後述する。

3.アンケート調査の結果と分析

 本調査は選択型コンジョイント実験のほかに、砂糖・甘味料の利用状況、選択理由、知識水準、年齢や職業などアンケート調査を含む全57問で構成される。ここではまず、アンケート調査の結果と分析を紹介する。

 回答者の主な内訳について概観する。全体で2044人の回答が得られ、性別でみると男性が49.5%、女性が50.5%となっている(図1)。回答者の居住地は全国に分布しているが、上位5都府県は上から東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県となっている。回答者の結婚状況については、未婚(離別・死別含む)が43.5%、既婚が56.5%である(図2)。子供の有無の状況については、有りが50.3%となっている。うち、小学生以下の子供がいる回答者の割合は、40%となっている(表1)。

 回答者の職業は、会社員が最も多く、次いでパート・アルバイト、専業主婦(主夫)の順に多くなっている(表2)。学生については所属を追加で聞いており、学生のうち87%が大学生と回答している。最終学歴の分布をみると、大学が43.2%、次いで高等学校が27.3%、短期大学が10.1%となっている(表3)。

 世帯年収の分布は、400万円〜600万円未満が21.8%、200万円〜400万円未満が21.1%、答えたくないが 16.5%となっている(表4)。

 砂糖や甘味料購入の際、表5のそれぞれの項目について、「重視する」を5、「重視しない」を1として、5段階評価で調査したところ表5の通りとなった。表6は、回答者全体で各項目をどれくらい重視しているかを平均したものである。回答者全体の平均でみると、最も重視している項目は(2)色が茶色である、次いで(5)機能性食品である(脂肪の蓄積を抑える、血糖値の上昇が緩やかなど)(7)有機JAS認定である―が上位の3項目となった。先行研究と同様に、消費者は砂糖や甘味料の選択においては、色を重要視しているということが示唆された。

 次に、砂糖や糖分の摂取に関して、気を付けていることを複数回答で聞いたものが表7である。回答者全体の平均でみると、一人当たり平均2.0項目程度気を付けていることがあるという結果となった。最も気を付けている項目は、(1)糖分控えめ、微糖、低糖、無糖などの商品を選ぶ(37.3%)、次いで(4)砂糖・糖分が多い食べ物・飲み物を控える(29.8%)、(14)特に気をつけていることはない(25.7%)という結果であった。

 表8は、「砂糖に関する情報として誤りであると思うものに、チェックをつけてください(複数回答)」という質問(図3)での回答の分布状況を示したものである。

 ここで提示されている情報はすべて誤りである。したがって、チェックした項目が多い方が、知識水準が高いことになる。チェックされた項目数の平均は11個中3.17個となっている。先行研究と同様、多くの回答者が誤情報を信じていることが示された。知識水準の得点の分布は以下のようになっている。全問正解の回答者は124人で、全体の6%程度となっている。項目別に正答率をみると、最も正答率が高いものは「白砂糖は体に悪いが、黒砂糖は体に良い」というものである。一方、最も正答率が低いものは、「グレープフルーツに砂糖をかけると、含まれるビタミンCが無駄になる」という質問項目であった。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.選択型コンジョイント実験

(1)調査設計

 選択実験へ移る際には以下の注意書きを記載している。

 「あなたが普段の生活で使っている砂糖・甘味料のストックがなくなって、1キログラムの商品を比較して購入する場面を想定してください。下記の中から、あなたが最も買いたいと思う商品を選んでください。画像は各商品の特徴をまとめたものです。デザインではありません。また、価格は、1キログラムあたりの税込価格です。」

 回答者に提示される画面では、図4のように四つのプロファイルと「この中からは選ばない」という、合計五つの選択肢が提示される。このプロファイルカードは表9に示した属性ごとに各水準を組み合わせた数(計100通り)用意し、そこから四つのプロファイルカードが抽出される。これを6回繰り返したものが1セットとなる。選択実験で設定した属性と水準は表9に示した通りである。回答者は2セットの選択実験に回答する。

 1セット目の実験は、情報提示を行う前の段階で実施され、対象はすべての回答者である。

 2セット目の選択実験に先立ち、すべての回答者に「基礎的な用語の解説」(図5)の情報提供を行った。加えて、一部の回答者に対して2種類の情報提供を行った。一つ目は、「砂糖の科学的な情報」(情報A)である。二つ目は、「砂糖の国内での生産の位置付けと生産状況に関する情報」(情報B)である。前者は、科学的根拠に基づく情報であり、後者は回答者の心情に訴える情報である。いずれも砂糖購入の際に、パッケージなどに記載され目にする可能性がある情報である。回答者には情報A(図6)、情報B(図7)、基礎的な用語の解説のみのいずれかの状況で回答してもらう。これにより、砂糖および甘味料を購入する際に効果的な情報の種類を検証することが可能である。基礎的な用語の解説、情報Aおよび情報Bの文面は以下の通りである。
 
 

 

 

 

 

 

(2)選択型コンジョイント実験に関する分析

 2セット目の実験は、回答者の属性および砂糖・甘味料の使用状況、選択理由などの項目に質問を終えた後、回答者に前述の情報提供が行われてから提示される。情報提供の種類は以下の三つに分けられる。(1)基礎的な用語の解説+情報A(2)基礎的な用語の解説+情報B(3)基礎的な用語の解説のみ−の3種類である。

 1セット目、2セット目ごとに分析の結果を概観する。

ア 1セット目の選択型コンジョイント実験の結果

 まず、価格の係数であるが、−0.00087と負の値であり、これは、価格1円の上昇が−0.00087の効用指標の低下をもたらすことになるため、価格が高くなるほど、効用水準(満足度)が低下するという傾向が読み取れる(表10)。つまり、価格が高くなるほど満足度が下がるということである。砂糖・甘味料の種類に砂糖(サトウキビ・てん菜)を基準とすると、てんさい糖では効用水準が0.65だけ低下する。同様に、はちみつでは0.36、人工甘味料は1.30、植物由来甘味料は1.16だけ効用水準が低下する。次に、製造国について、外国を基準とすると、国内製造は1.00だけ効用水準が上昇している。最後に、色について、白色を基準とすると、茶色は0.21効用水準が上昇している。以上が係数について概観したものである。効用水準に最も大きく影響していたのは、人工甘味料または植物由来甘味料であるかどうかと、製造国であることが示された。

 次に、MWTPについてみていく。前述のとおり価格1円の上昇は−0.00087の係数の低下をもたらすので、てんさい糖に追加的に支払ってもよい額は砂糖を基準として1キログラム当たり−743.77円(≈−0.64708/0.00087)である。同様に、はちみつでは−411.07円、人工甘味料では−1499.65円、植物由来甘味料では−1328.62円が追加的に支払ってもよい額である。

 製造国が日本の場合には、1144.40円、色が茶色の場合では、236.30円追加的に支払ってよいという結果になった。

イ 2セット目の選択型コンジョイント実験の結果

 2セット目は、情報提供の内容の違いにより、三つのグループに分かれている(表11)。以下、順にこの三つのグループ別の結果についてみていく。

(ア)情報Aが提供されるグループ

 係数について概観する。価格の係数はプラスの値で、2.16E–07と非常に小さい値であり、効用水準に与える影響は比較的小さいことが分かる。

 次いで種類についてみると、てんさい糖、人工甘味料の係数はプラスの値で、効用水準はそれぞれ0.008だけ上昇しており、はちみつ、植物由来甘味料の係数は0で、効用水準は変化しない。

 製造国についてみると、国内製造の係数はプラスの値で、効用水準は0.017上昇している。

 色についてみると、茶色の係数は0で、効用水準は変化しないことが明らかになった。

 MWTPについて見ていく。砂糖を基準としててんさい糖に追加的に支払ってもよい額は−1.000円、人工甘味料では−0.899円、はちみつと植物由来甘味料に関しては追加的に払ってもよい額は0円となっている。

 製造国が日本の場合には、−2.013円、色が茶色の場合では、0円追加的に支払ってよいという結果になった。

(イ)情報Bが提供されるグループ

 価格の係数は3.64E–06とプラスの値ではあるものの絶対値は非常に小さく、効用水準に与える影響は比較的小さいことがわかる。

 種類についてみると、てんさい糖、人工甘味料、植物由来甘味料の係数はマイナスの値で、はちみつの係数のみがプラスの値である。てんさい糖は0.013の低下、はちみつでは0.020の上昇、人工甘味料では0.011の低下、植物由来甘味料では0.008の低下となる。

 製造国についてみると、日本で製造されることの係数はプラスで、0.024の上昇である。色についてみると、茶色の係数はプラスで0.005の効用水準の上昇である。

 次に、MWTPについてみていく。てんさい糖に追加的に支払ってもよい額は、砂糖を基準として3546.818円、はちみつでは−5420.058円、人工甘味料では3151.599円、植物由来甘味料では2145.219円となる。

 製造国が日本の場合には、−6682.928円、色が茶色の場合では、−1254.350円追加的に支払ってよいという結果になった。

(ウ)基礎的な用語の解説のみのグループ

 価格の係数は6.70E–0.7とプラスの値で、絶対値は非常に小さい値であり、効用水準に与える影響は比較的小さいことが分かる。

 種類についてみると、てんさい糖、人工甘味料の係数は0であり、効用水準は変化しない。はちみつ、植物由来甘味料はともにプラスの値である。はちみつは0.031だけ効用水準が上昇し、植物由来甘味料は0.004だけ効用水準が上昇する。

 製造国においては、日本である場合に効用水準が0.026上昇する。色についてみると、茶色であっても係数は0であり、効用水準に影響しない。

 このグループにおいては、MWTPについては有効な結果は算出されなかった。

 

 

5.考察

 選択型コンジョイント実験の1セット目と2セット目の推計結果の比較を行うことで、情報提供が消費者にどのように影響を与えたかについて見ていく。

(1)情報Aが提供されるグループ

ア 価格

 情報Aでは砂糖に関する科学的な正しい情報を提供した。これにより、価格に関する係数は、1セット目ではマイナスの(−8.662E–04)であるが、情報A提供の場合はプラスの値(2.16E–07)に変化している。また係数の絶対値を比較すると、情報A提供後の方が小さくなっている。これは情報Aによって、消費者の価格への反応度合が大きく低下したことを示唆している。本来、価格が高くなれば購買確率は低下すると想定されるが、情報A提供後は、これに反する結果となっている。計測に当たり、価格は連続データとして扱い推計を行ったが、カテゴリーデータとして扱う場合も比較検討する必要がある。これは後述する(2)情報Bが提供されるグループおよび(3)基礎的な用語の解説のみのグループでも同様である。

イ 種類

 種類についてみると、1セット目では基準である砂糖と比較して他の選択肢では相対的に効用水準が低下している。一方、2セット目の場合には、砂糖を基準として、その他の選択肢の効用水準がてんさい糖、人工甘味料では高まっている。砂糖の効用水準が高いと選択していた消費者が、砂糖に関する知識水準を高めることで、砂糖以外の選択肢を選ぶ可能性が生じているということである。どういった属性の回答者が、どの選択肢を積極的に選ぶ可能性が高まるかについては、今後の検討課題としたい。

ウ 製造国

 製造国が日本であることについて、1セット目、2セット目ともにプラスの値であるが、絶対値で比較すると1セット目の方が大きい。砂糖に関する知識水準が高まることで、製造国の情報が効用水準に与える影響は小さくなったといえる。

エ 色

 色が茶色であることは、回答者の砂糖・甘味料の種類選択の理由としても重要度が高い項目であったが、情報Aの提供によりその係数が大幅に低下している。

オ MWTP

 MWTPに関して、情報Aの提供によりいずれの属性も大幅に低下している。特にはちみつ、植物由来甘味料、色が茶色という点については、MWTPは0となっている。砂糖に関する科学的な正しい情報を提供することで、消費者の誤解を解き消費行動を変化させることが示唆された。

(2)情報Bが提供されるグループ

ア 価格

 次に1セット目と2セット目(情報Bの提供)の比較を行う。情報Bでは、砂糖の生産は地域の経済・雇用に重要な役割を果たすという内容で、回答者の心情に訴える情報である。これにより、1セット目の価格に関する係数はマイナスの(−8.662E–04)であるが、2セット目ではプラスの値(3.64E–06)に変化している。また係数の絶対値を比較すると、2セット目の方が小さい値になっている。これは、情報Bによって、回答者の価格への反応度合が大きく低下したことを示唆している。本来、価格が高くなれば購買確率は低下すると想定されるが、情報B提供の場合は、これに反する結果となっている。砂糖の生産は地域の経済・雇用に重要な役割を果たすという情報に対し、共感が得られれば、価格が高い場合でも、あまり効用水準が変化しない可能性が指摘できる。
 
イ 種類

 種類について見てみると、1セット目では基準である砂糖と比較して他の選択肢では相対的に効用水準が低下している。一方、2セット目の情報B提供の場合には、砂糖と比較してはちみつだけは効用水準が0.020だけ上昇している。てんさい糖、人工甘味料、植物由来甘味料では、砂糖と比較して効用水準が低下している。1セット目と、2セット目でその係数の絶対値を比較すると、1セット目の方が大きい。つまり、砂糖の生産は地域の経済・雇用に重要な役割を果たすという、心情に訴える情報に回答者が接したことで、砂糖とそれ以外の選択肢の効用水準の差が小さくなったといえる。
 
ウ 製造国、色

 製造国および、色が茶色であるという点については、1セット目および2セット目ともに、係数がプラスの値である。情報Bでは、情報Aと異なり、色味に関する情報が含まれていない。したがって、茶色の方が効用水準が高いまま維持されている。

(3)基礎的な用語の解説のみのグループ

ア 価格

 価格に関する係数がマイナスの(−8.662E–04)から、プラスの値(6.70E–07)に変化している。また係数の絶対値を比較すると、2セット目の方が小さい値になっている。基礎的な用語の解説のみの場合、価格への回答者の反応度合が大きく低下したことを示唆している。本来、価格が高くなれば購買確率は低下すると想定されるが、これに反する結果となっている。
 
イ 種類

 種類についてみてみると、2セット目では、てんさい糖と人工甘味料は係数が0で、砂糖と比較して効用水準の差がないことがわかる。また、はちみつと植物由来甘味料については、係数はプラスとなっており、砂糖より効用水準が高まった傾向がみられる。基礎的な用語の解説は、2セット目に三つのグループいずれも共通に提供されている。このグループの結果は、この基礎的な用語の知識水準をそろえるだけでも、消費者の選択行動が変化しうることを示唆している。
 
ウ 製造国、色

 基礎的な用語の解説によって、製造国の情報が効用水準に与える影響は小さくなったといえる。また色味が茶色の場合、効用水準は白色と同等であるという変化も生まれている。
 
エ MWTP

 このグループにおいては、MWTPは有効な値で算出されなかった。今回は価格を連続データとして取り扱ったが、別の推計モデルで計測することで、MWTPの算出を再検討したい。

おわりに

 砂糖・甘味料に関する基礎的な知識は、先行研究の結果と同様に、誤解されていることが今回の調査でも明らかになった。ただし、情報提供の仕方によっては、消費者の選択行動に変化が見られた。科学的な正しい情報を提供した場合、砂糖以外の種類についての効用水準が高まり、はちみつ、植物由来甘味料は砂糖と同等の効用水準が得られるようになった。また、色が茶色であることの追加的支払意思額は情報提供によって0円に変化した。つまり、正しい情報を伝えることは消費者の選択行動に影響を与えうることを示唆している。今回の実験では、消費者の心情に訴える情報を提供した場合、消費者の選択行動に与える影響は相対的に小さくなっていたが、基礎的な知識を消費者に広めるだけでも、商品選択の変化が生まれることが示唆された。今後は、いかに効率よく消費者に情報提供をするべきか、どういった消費者層に行動変容の影響が出やすいのかといった点についても検討していく必要がある。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



このページのトップへ

Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.