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でん粉の価格調整業務実績について(令和2年でん粉年度)

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最終更新日:2022年1月11日

でん粉の価格調整業務実績について(令和2年でん粉年度)

2022年1月

特産調整部、特産業務部

はじめに

 当機構では「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、コーンスターチ用輸入とうもろこしおよび輸入でん粉から調整金を徴収し、それを財源として国内のでん粉原料用かんしょ生産者やいもでん粉製造事業者に支援を行うことで内外価格差を調整し、国内のでん粉の安定的な供給の確保を図っている。

 本稿では、令和2でん粉年度(令和2年10月1日〜令和3年9月30日〈以下「2SY」という〉)におけるでん粉の価格調整業務実績について取りまとめたので、報告する。

 なお、令和2砂糖年度における砂糖の価格調整業務実績については、本誌2月号において報告する予定である。

1.調整金徴収業務

(1)2SYの指標価格等

2SYの指標価格等は表1の通り。

 

(2)でん粉の需要と供給

 令和3年9月に農林水産省が公表した2SYのでん粉の需給見通しは、表2、3の通り(詳細は、『砂糖類・でん粉情報』2021年11月号参照)。

  

  

(3)国際相場などの動き

 シカゴ先物相場(期近)は、元SYの令和2年4月から8月は米国産とうもろこしの豊作見込みや新型コロナウイルス感染症(COVID–19)の拡大に伴う需要の減少懸念などから1ブッシェル当たり300セント台前半で推移したが、2SYに入ると中国の飼料向けを中心とした米国産の輸出の増加や南米産の乾燥気候による生育懸念などを背景に値を上げ続け、3年5月に同700セントの最高値となった。その後、中国産とうもろこしの豊作による飼料向け需要の緩和と米国農務省による次年度のとうもろこしの増産予測により2SY末は同500セント台前半まで値を下げた。

 一方、米ドルの為替相場は、2年10月に1ドル106円の水準でスタートし、2SY後半は原油高による景気悪化懸念や米国の長期金利の上昇の影響を受けて円安傾向で推移したため、3年9月は111円台となった(図1)。

 

(4)指定でん粉等の平均輸入価格等

 2SYにおける指定でん粉等の平均輸入価格等は表4の通り。

  

(5)売買実績

 2SYの売買数量は、輸入でん粉が前年度比7.7%減の13万1000トン、でん粉供給量の大半を占めるコーンスターチ用輸入とうもろこしが同2.8%減の301万2000トン、売買差額は、輸入でん粉が同15.5%減の5億1800万円、コーンスターチ用輸入とうもろこしが同10.9%減の81億2300万円で、合計では同11.2%減の86億4100万円となった(表5)。

 なお、売買差額がかなり大きく減少した理由は、東京オリンピック・パラリンピックの開催による需要増加が期待されていたものの、開催直前の令和3年7月に緊急事態宣言が再発令されたこともあり、COVID–19拡大防止のための外出自粛の影響による糖化製品向けの需要減少と情報・広告分野の電子化への移行による製紙・段ボール向けの需要減少が生じたためと推察される。

 

2.交付金交付業務など

(1)でん粉原料用いもおよび国内産いもでん粉の生産動向

ア.でん粉原料用ばれいしょ・ばれいしょでん粉

 北海道のばれいしょ生産は、近年170〜190万トン程度で推移しており、その約4割がでん粉原料用に仕向けられている。作付面積はやや減少しており、収穫量は生育時の天候に影響されやすい傾向にある。

 2SYについて、令和3年9月の農林水産省の需給見通しでは、同年6月後半の低温・日照不足の影響による着いも数の減少により収穫量が前年比8.4%減少したため、ばれいしょでん粉生産量は、同9.6%減の16万1000トンの見込みである(表6)。

イ.でん粉原料用かんしょ・かんしょでん粉

 南九州のかんしょ生産は、農家の高齢化による離農を主たる要因として、作付面積および収穫量とも減少傾向にある。

 2SYについて、令和3年9月の農林水産省の需給見通しでは、平成30SYからの3年連続のサツマイモ基腐病(立枯症状や塊根部が腐敗する症状)が特に鹿児島県内で深刻な病害をもたらしたため、かんしょの収穫量は前年比17.0%減の28万4000トンと大幅に減少し、かんしょでん粉生産量は同25.0%減の2万1000トンと過去最低の見込みである(表7)。

  

 

(2)交付金の交付状況など

ア.でん粉原料用いも交付金(でん粉原料用かんしょのみ)

 収穫期はおおむね9月から11月であり、いもでん粉製造事業者への売渡しを行ったものに交付金を交付している。

 2SYについては、サツマイモ基腐病によるでん粉原料用かんしょ生産量の大幅な減少のため交付決定数量は前年比22.6%減の7万2000トン、交付決定金額は同21.8%減の19億3900万円となった(表8)。

イ.国内産いもでん粉交付金

 ばれいしょでん粉およびかんしょでん粉の販売は年間を通じて行われ、販売したものに応じて交付金を交付している(表9)。

(ア)ばれいしょでん粉の交付状況 

 2SYの交付実績は、年度後半に糖化、化工製品向けの販売が増えたため交付決定数量は前年比11.7%増の10万5000トン、交付金額は同10.7%増の20億9700万円と数量および金額ともにかなりの程度増加した。
 
(イ)かんしょでん粉の交付状況

 2SYの交付実績は、交付決定数量は前年同の2万4000トン、交付金額は交付金単価が引上げられたことから前年比1.5%増の8億9900万円となった。
 

 

 

(3)国庫納付金納付業務(でん粉原料用ばれいしょ)

 でん粉原料用ばれいしょ生産者への農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に要する経費の財源に充てるため、2SYにおいては、農林水産大臣からの通知に従い、調整金収入から45億6800万円を国庫に納付する予定である(表10)。前年度より減少した主な要因は、COVID–19の影響で指定でん粉等の売買数量(輸入数量)が減少し調整金収入が減少したことによる。

 

(4)でん粉の価格調整業務における収支(見込み)

 2SYの収入は、前年度に引き続きCOVID–19の拡大による外出自粛の影響により清涼飲料向けの糖化製品の需要などが減少したため、調整金収入は前年比11億円減となる86億円となった。

 2SYの支出は、ばれいしょでん粉は交付決定数量が増加したため交付金額は同2億円増の21億円となり、かんしょでん粉の交付金額は前年同額の9億円となった。でん粉原料用かんしょはサツマイモ基腐病による交付決定数量の減少のため交付決定金額は同5億円減の19億円となり、でん粉原料用ばれいしょへの支援として国の経営所得安定対策の財源として支出する国庫納付金は調整金収入の減少のため同2億5700万円減の46億円と見込んでいる。これらの結果、支出合計は同6億円減の95億円と見込まれる。

 以上の結果、2SYにおける調整金収支は、9億円の赤字(前年度は4億円の赤字)が見込まれる(表11)。

 なお、2SY末の調整金の期末残高は22億円の見込みであり、年間を通して短期借入金は発生しなかった(図2)。
 
 

 

 

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



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