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3.国際価格の動向

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最終更新日:2022年1月11日

3.国際価格の動向

2022年1月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(11/1〜12/10)
〜11月下旬にかけて下落し一時18セント台を付けるも、再び19セント台まで回復〜
図3 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2021年11月の推移を見ると(3月限がつきり)、1日は、堅調なブラジルのエタノール価格が上げ要因となり、1ポンド当たり19.37セント(注1)まで値を上げ、2日は、同19.54セントまで続伸した。3日は、原油価格の落ち込み(注2)により反転し、同19.38セントを付けたが、4日以降は上昇に転じ、5日は同19.94セントを付けた。10日は、タイの砂糖輸出量が前年度から大幅に増加するとの見通しや原油価格の下落を受けて、同19.60セントと値を下げた。11日は、オランダの農協系金融機関ラボバンクが2022/23年度のブラジル産サトウキビの不作予測を公表したことや短期的なレアル高(注3)により、同20.12セントと約1カ月ぶりに20セント台に乗せた。15日は、原油価格が先週末の安値を一時下回ったことで、同19.74セントまで値を下げた。16日は、同19.99セントまで上昇し、17日は、ブラジル産の動向など世界的な砂糖供給量の減少への懸念が広がったことなどから同20.42セントと続伸した。18日以降は国際砂糖機関(ISO)が世界の砂糖供給不足量を前回予測から引き下げたことやレアル安などによって下落が続き、22日は、インドの10月の砂糖輸出量が前年同期を上回ったことを受けて、同19.76セントまで値を下げた。23日は、ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が2021/22年度の砂糖生産量を前回予測から1割弱引き下げたことから、同20.11セントまで回復したものの、24日以降は再び下落に転じ、26日は同19.35セントと急落した。29日は、COVID–19の新たな変異株(オミクロン株)の感染拡大によって国境の閉鎖や移動規制が相次ぐ中、エタノール燃料需要の減少の可能性から、砂糖増産が思案されたことで同19.19セントまで下落した。30日は、原油価格の下落を受けて同18.60セントまで続落した。  

 12月2日以降は、原油価格の回復などに伴い上昇を続け、8日はレアル高も加わって同19.82セントを付け、その後は19セント台後半の動きとなった。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が低下する。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
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