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5. 日本の主要輸入先国の動向(2022年6月時点予測)

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最終更新日:2022年7月11日

5. 日本の主要輸入先国の動向(2022年6月時点予測)

2022年7月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイで、2021年の主要輸入先ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比0.03ポイント増)、タイが13.4%(同2.9ポイント増)となっており、2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。
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2022/23年度の砂糖生産量は、増産の見込み
 2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度同)、サトウキビ生産量は、3017万トン(前年度比0.2%増)とともに横ばいで推移すると見込まれる(表6)。砂糖生産量は、2022年初頭の多雨により、サトウキビの品質向上が見込まれることや、主だった病虫害の発生もないことなどを受け、業界関係者の多くが増産を見込んでいることなどを踏まえて前月予測から上方修正され、424万トン(同2.1%増)とわずかな増加が見込まれる。輸出量は328万トン(同4.4%増)とやや増加すると見込まれる。
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2021/22年度の輸出量は、前年度から大幅に回復する見込み
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、149万ヘクタール(前年度比0.2%増)と横ばいで推移すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、前年度が干ばつの影響を大きく受けた中、主産地の降雨量が平年並みまで回復し、単収が大きく改善することで、9207万トン(同38.1%増)と大幅に増加すると見込まれる。
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 砂糖生産量は、グリーンハーベスト(注)の普及を背景とした(しょう)(とう)部や葉などの混入が製糖効率を低下させるものの、1070万トン(同34.3%増)と大幅な増加が見込まれる。輸出量は、サトウキビが記録的不作となった前年度からの反動を受けて、760万トン(同92.3%増)と前年比でほぼ倍増すると見込まれる。

(注)サトウキビを燃やさず、そのまま収穫する方法。従来、同国ではサトウキビを燃やした後に収穫するのが一般的であったが、大気汚染を引き起こすとの批判が国内で高まったため、近年はグリーンハーベストが推進されている。


タイ政府、サトウキビ生産者などを対象とした低利融資制度を承認 
 タイ政府は5月30日、サトウキビ生産者と農業協同組合を対象とした低利融資の実施を承認した。融資はタイ農業・農業協同組合銀行(BAAC)が行い、1年当たり20億バーツ(76億6000万円(注))、2022年〜24年の3年間で合計60億バーツ(229億8000万円)規模の融資が計画されている。融資の対象となるのは、(1)農業用水の管理や水源の開発、大規模化を目的とした圃場の整備(2)収穫機やトラクターなどの農機の購入(3)トラックの購入―である。返済期間は、(1)は6年以内、(2)と(3)は8年以内とされている。融資利率は、政府からの補てんがない(3)の場合は4%、それ以外は2%(政府からBAACに対して2%分を補てん)となる。同国政府は本融資により、サトウキビの生産性の向上や、大気汚染物質の発生要因の一つとされているサトウキビの焼き畑の削減を目指すとしている。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の5月末TTS相場1タイバーツ=3.83円を使用。
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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