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3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2022年7月時点予測)

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最終更新日:2022年8月10日

3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2022年7月時点予測)

2022年8月

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2022/23年度(4月〜翌3月)の見通し
2022/23年度のサトウキビ生産量はやや増加し、輸出量は前年度並みの見込み

 LMC International(農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社)による2022年7月時点の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、大規模な植え替えが計画されている中で、前年度の不作による苗不足から848万ヘクタール(前年度比2.3%減)とわずかに減少すると見込まれる(表2)。一方でサトウキビ生産量は、中南部地域が平年より乾燥したものの、その他の地域ではサトウキビの生育に良好な条件が続いたことから6億500万トン(同4.9%増)とやや増加すると見込まれる。砂糖生産量は、同国で6月からガソリンを対象とした商品流通サービス税の税率が引き下げられたことにより、エタノールのガソリンに対する価格競争力が下がり、製糖業者は砂糖製造への仕向けを増やすと見込まれていた。しかし、7月に入りサンパウロ州のほか一部の州でエタノールの税率についても同様に引き下げられたことで、エタノール需要の回復期待から3771万トン(同0.3%増)と前年度並みに留まると見込まれる。輸出量は2705万トン(同0.1%減)と前年度並みで推移すると見込まれる。
 

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エタノール製造企業が服飾企業と再生可能エネルギーの供給契約を締結
 6月23日付けの現地報道によると、ブラジルの砂糖およびエタノール製造大手のハイゼン社(注1)は、大手アパレル企業のマリーザ社と、再生可能エネルギーを供給する契約を締結した。

 今回の契約は、マリーザ社の35店舗と流通センター1カ所に対して再生可能エネルギーが供給されるものであるが、同社はすでに5店舗で再生可能エネルギーを利用しており、今回の契約により、1年間で合計764トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減できると試算している。また、ハイゼン社によると、供給される電力は、サトウキビ廃棄物のほか、太陽光やバイオマスなどを由来としていることで、国際再生可能エネルギー証明書(I−REC: International Renewable Energy Certification)(注2)が発行されるとしている。同社ではこのほか、同国12州にある大手ビール製造会社の流通センターや醸造所にも再生可能エネルギーを供給している。

 同国の再生可能エネルギーは、発電エネルギー構成の85%と大きな比率を占めており、今後も多くの企業で再生可能エネルギーの利用により、カーボンニュートラルを実現するための取り組みが進むとみられる(注3)

(注1)2010年に石油元売大手シェルグループとブラジルの製糖大手コサン社が共同出資して設立された合弁企業で、中南米で最大級のバイオマスプラントを所有している。
(注2)再生可能エネルギーにより発電された電気の再エネ価値について、非営利団体The International REC Standard Foundationにより認証・発行された国際的な証書のこと。日本や中国、インドのほか世界50カ国以上で利用されている。
(注3)詳細は、2022年3月11日付海外情報「ブラジルサトウキビ産業協会、2021年のバイオマス発電の状況を公表」https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003194.htmlを参照されたい。


 

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2021/22年度の砂糖生産量はかなり大きく、輸出量は大幅に増加する見込み
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、517万ヘクタール(前年度比5.3%増)とやや増加すると見込まれる(表3)。主産地の降雨量は平年並みまたは平均を上回っており、生育状況は順調であることから、サトウキビ生産量は4億4311万トン(同5.1%増)と増加すると見込まれる。砂糖生産量は、北部で発生した収穫期前の大雨の影響が想定より軽微であったことや、主産地のマハラシュトラ州やカルナータカ州のサトウキビ生産量が過去最多を記録するとみられることから、3867万トン(同14.9%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。輸出量は、インド政府が5月に輸出枠を1000万トンに制限したことに加え、倉庫や港での滞留分についても追加で輸出を許可する可能性があることから、1161万トン(同35.2%増)と大幅に増加すると見込まれる。

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バイオ混合燃料の免税措置を拡大
 7月5日付けの現地報道によると、インド政府は燃料へのバイオ燃料の混合を促進するため、バイオ燃料に対する物品税の免税措置を拡大した。今回の措置では、ガソリンでは、従来のバイオエタノール混合比率である10%を12〜15%に引き上げた場合に適用され、軽油でも植物油の混合に際し、条件付きで適用されるものである。

 同国政府は2021年、E20(エタノール混合率20%のガソリン)普及目標を5年前倒しの25年と見直し、その前年である2020年には国内エタノール生産能力増強のために6億2600万米ドル(861億8768万円:1米ドル=137.68円)(注)の利子補給制度を導入した。同国のガソリンにおける平均的なエタノール混合率は約8.5%とされる中で、25年までに混合率を2倍以上に引き上げることが求められている。

 また、世界第3位の原油輸入国である同国は、従来、エネルギー輸入に巨費が投じられ、近時ではウクライナ紛争などによる原油価格高騰の影響を大きく受ける中で、エネルギー輸入依存の抑制を図る狙いもあるとみられている。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年6月末TTS相場。

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2021/22年度の砂糖生産量はかなりの程度、輸入量は大幅に減少する見込み
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、112万ヘクタール(前年度比3.6%減)とやや減少すると見込まれる(表4)。サトウキビ生産量は、7231万トン(同0.2%減)と前年度並みにとどまると見込まれる。一方で、同年度のてん菜の収穫面積は、トウモロコシへの転作の増加により14万ヘクタール(同37.8%減)と大幅に減少すると見込まれる。てん菜生産量も、収穫面積の減少に加え冬季の寒波などを背景に707万トン(同42.7%減)と大幅に減少すると見込まれる。

 砂糖生産量は、原料の減産に加え、降雨によるサトウキビ収穫の遅滞やてん菜収穫期間中に発生した大規模停電による製糖工場の操業停止などを受けて1037万トン(同10.1%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。輸入量は、2020年に引き続き21年も国内生産の不足分を上回る量が輸入され、国内在庫が積み増されたことから635万トン(同20.5%減)と大幅に減少すると見込まれる。

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2021/22年度の輸出量は、やや増加する見込み
 2021/22年度(10月〜翌9月)のてん菜の収穫面積は、145万ヘクタール(前年度比1.4%減)とわずかに減少すると見込まれる(表5)。てん菜生産量は、干ばつを記録した前年と比べて生育期の降雨量が多く、今期は大規模な病虫害も発生していないため、1億1031万トン(同12.0%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。砂糖生産量は、てん菜の増産見込みを受けて1720万トン(同13.9%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。輸出量は、消費量の増加も見込まれる中で、それを上回る砂糖の増産などを背景に130万トン(同3.1%増)とやや増加すると見込まれる。

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