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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2022年9月12日

2. 国際価格の動向

2022年9月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(7/1〜8/15)
〜7月後半に17セント台まで急落するも、8月中旬には18セント台まで回復〜
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 2022年7月のニューヨーク粗糖先物相場の推移を見ると(10(がつ)(ぎり))、1日はレアル安(注1)を背景に1ポンド当たり18.07セント(注2)を付けた。5日は、原油価格の急落(注3)と継続するレアル安により同17.80セントまで下落した。7日は、中国がインフラ支援などを目的とした2200億米ドル(29兆8342億円:1米ドル=135.61円)(注4)の景気刺激策を検討していることを受けて商品市場が幅広く反発し、同18.52セントまで上昇した。8日は、原油価格とレアルが堅調に推移したことで同19.02セントまで上昇した。その後は、商品市場の軟調な動きに押されたことや原油価格の下落により値を下げたが、13日は、原油価格の回復などにより同19.14セントまで上昇した。14日は、レアル安の影響により同18.97セントを付けたが、15日は、ドル安に加えて原油価格の上昇により同19.25セントを付け、18日には同19.41セントまで続伸した。19日は、ブラジル国営石油公社がガソリンの卸売価格を引き下げるとの報道を受け、一転して急落し、同18.84セントとなった。20日は、インド政府が9月末までに砂糖の追加輸出を検討しているとの報道から、同18.67セントと下落傾向となり、25日には、さらに続落して18セント台を割り込み同17.47セントまで値を下げた。28日は、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)がブラジル中南部地域の7月前半の砂糖生産量を前年同期比17%減と発表したことなどから、10日ぶりに反転し、同17.72セントと値を戻した。29日は、ブラジル石油公社が2週間連続でガソリン卸売価格を引き下げたことから、同17.54セントと再び下落した。

 8月1日は、前週末に発表された中国の製造業景気指数が下落したことから、砂糖需要の低迷が懸念されたものの、レアル高の影響などから同17.60セントとやや値を上げた。その後回復基調にあったものの4日は、原油価格の下落などにより、同17.55セントまで値を下げた。5日は、欧州での熱波や干ばつの他、インド主産地で6月から7月にかけての降雨が例年より少なかったことなどの発表を受けて、同17.94セントまで反転した。10日も米国労働省が発表した7月の米消費者物価指数が市場の予想を下回ったことをきっかけに米ドルが売られたことで、商品相場全体を押し上げたことから同18.28セントと上昇し、18セント台まで回復した。その後は、原油価格の急騰などにより、12日は同18.60セントまで続伸したものの、15日は、原油価格が下落した影響などから、同18.54セントと値を下げた。

(注1)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注4)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年7月末TTS相場。

 
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