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3. 国際価格の動向

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最終更新日:2022年10月11日

3. 国際価格の動向

2022年10月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(8/1〜9/12)
〜17セント台半ばから18セント台半ばの範囲で推移〜
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 2022年8月のニューヨーク粗糖先物相場の推移を見ると(10(がつ)(ぎり))、1日は、前週末に発表された中国の製造業景気指数が下落したことから、砂糖需要の低迷が懸念されたものの、レアル高(注1)の影響などから1ポンド当たり17.60セント(注2)とやや値を上げた。その後回復基調にあったものの4日は、原油価格の下落(注3)などにより、同17.55セントまで値を下げた。5日は、欧州での熱波や干ばつの他、インドで6月から7月にかけての降水量が例年より少なかったことなどの発表を受けて、同17.94セントまで反転した。10日も米国労働省が発表した7月の米消費者物価指数が市場の予想を下回ったことをきっかけに米ドルが売られ、商品市場への資金流入による相場全体の底上げを受けたことから同18.28セントと上昇し、18セント台まで回復した。その後は、原油価格の急騰などにより、12日は同18.60セントまで続伸したものの、15日は、原油価格が下落した影響などから、同18.54セントと値を下げ、17日は、レアル安などから、同18.24セントと続落した。18日は、中国税関総署が公表した7月の砂糖輸入量が前年同月比で35%減少したことなどが重荷となり、同17.77セントまで下落し、18セント台を割り込んだ。19日は、ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が、作付面積の減少から22/23年度の同国の砂糖生産量の予測を4月時点から下方修正したことなどから、同18.09セントと反発した。その後、原油価格などの影響で小幅な値動きを繰り返し、25日は、同17.90セントと値を下げた。26日は、ブラジルにおいて砂糖生産量の減少が予測される中、レアル高により、同18.47セントまで高騰したが、30日は、原油価格の下落とレアル安により同18.10セントと値下がりし、31日は、同17.89セントと続落した。

 9月1日は、原油価格の上昇とレアル安の影響により、同17.99セントと値を上げた。6日は、原油価格の下落を受け、同17.98セントと値下がりした。9日は、タイ政府がバイオ燃料に2年間国庫補助金を支給すると発表したことにより、同18.22セントと上昇した。この助成金制度により、タイの製糖会社がエタノールを増産し、砂糖の減産が想定され、同国の砂糖輸出量が減少する可能性がある。12日は、さらに値を上げ、同18.35セントとなった。

(注1)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が低下する。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
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