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4.日本の主要輸入先国の動向(2022年10月時点予測)

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最終更新日:2022年11月10日

4.日本の主要輸入先国の動向(2022年10月時点予測)

2022年11月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイであり、2021年の主要輸入先ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比0.03ポイント増)、タイが13.4%(同2.9ポイント増)と、これら2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。

 
2022/23年度の砂糖輸出量は、かなりの程度減少する見込み  
 2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比2.3%増)とわずかに増加すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、3月と7月にクイーンズランド州で洪水をもたらした降雨が収量には良い影響を与え、前年より良好な生育が予想されることから、3307万トン(同9.8%増)とかなりの程度増加すると予想される。

 砂糖生産量は、ラニーニャ現象による悪天候の影響で収穫作業が進まず、多くの製糖工場で処理作業が前年同期と比較して遅れているものの、サトウキビの増産を受けて、435万トン(同5.4%増)とやや増加すると見込まれる。なお、輸出量は、332万トン(同10.3%減)とかなりの程度減少すると予想される。
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2022/23年度の砂糖生産量は大幅に、輸出量はかなりの程度増加する見込み  
 2022/23年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、前年が豊作であったことや、競合するキャッサバに比べて収益が高い状況にあるといった理由から、168万ヘクタール(前年度比12.8%増)とかなり大きく増加すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、生産地の一部地域で洪水が発生したものの、作柄に影響を及ぼすまでには至っておらず、他の地域でも全体的に雨量が多く、順調に生育していることから1億1000万トン(同19.5%増)と大幅に増加すると見込まれる。
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 砂糖生産量は、グリーンハーベスト(注1)の普及を背景とした(しょう)(とう)部や葉などの混入が歩留まりを低下させるものの、1277万トン(同19.4%増)と大幅な増加が見込まれる。輸出量は、砂糖の大幅な増加を受けて872万トン(同7.5%増)と倍増した前年からさらにかなりの程度増加が見込まれる。

(注1)サトウキビを燃やさず、そのまま収穫する方法。従来、同国ではサトウキビを燃やした後に収穫するのが一般的であったが、大気汚染を引き起こすとの批判が国内で高まったため、近年はグリーンハーベストが推進されている。

 

砂糖を含む飲料への増税が延期
 タイ政府は2022年9月20日付けの閣議で、近時の物価高騰を受け、砂糖を含む飲料に対する物品税の引き上げを来年3月末までの6カ月間、延期することを決定した。

 同国政府は、国民の健康確保の観点から食品における減糖を奨励しており、17年9月16日に含糖飲料に対する物品税を導入し、2年後の19年10月1日には第2段階として税率が引き上げられていた(注2)

(注2)1リットル当たり含糖量6グラム以上の飲料に対する従量税であり、砂糖の含有量に応じて0.3~5タイバーツ(12~20円:1タイバーツ=3.89円)の5段階に分かれている。なお、単位の換算には、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年9月末TTS相場を使用した。

 また、21年10月1日からは第3段階の追加引き上げが予定されていたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を鑑み、適用時期が22年10月1日に延期されていた。しかし今回、同国政府はさらに6カ月間の猶予を発表し、これに対し財務相は、「物品税のさらなる引き上げは、現況においても食品価格に大きな影響を及ぼすものと懸念され、この度の延期は企業における適応時間を十分に確保するためのものである」との声明を出している。
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