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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2022年12月9日

2. 国際価格の動向

2022年12月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(10/3〜11/11)
〜10月後半にかけて17セント台まで下落するも、10月末に再び上昇し、19セント台へ〜

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 2022年10月のニューヨーク粗糖先物相場(3(がつ)(ぎり))の推移を見ると、初日の3日は、1ポンド当たり17.42セント(注1)を付け、4日以降は原油価格が堅調に推移し(注2)、7日は、同18.68セントまで上昇した。10日は、米ドル高に反発して(注3)、同18.61セントと落ち込んだ。11日は、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)がブラジル中南部地域の9月までの砂糖生産量を前年同月比9.9%減と下方修正したことから、同18.74セントまで押し上げられた。12日は、ドル高と原油価格の下落により、同18.68セントと値を下げた。14日は、持続的な降雨によるブラジルのサトウキビ収穫の遅れから、同18.84セントまで押し上げられた。17日は、インド製糖協会(ISMA)が2022/23年度のインドのサトウキビ生産量を前年度比2%増と予測したことを受け、同18.77セントに値下がりした。18日以降は原油安などにより下降基調で推移し、21日は、同18.38セントまで落ち込んだ。24日は、前週に国際的な民間調査会社が2022/23年度の世界の砂糖生産量を前年度比4.8%増と予測したことで供給懸念が緩和され、同18.13セントに下落した。さらに追い打ちをかけるように、26日は、国際砂糖機関(ISO)が2022/23年度の世界の砂糖生産量を5年ぶりの高水準となる前年度比4.5%増と予測したことから続落し、同18セントを割り込んだ。その後、砂糖増産の見通しから下落を続け、28日には、レアル安もあり、同17.58セントまで落ち込んだ。31日は、ブラジルで続く大雨により製糖作業と出荷が遅れたことから反転し、同17.97セントを付けた。

 11月1日は、ブラジル産砂糖の供給不足への懸念から引き続き上昇し、同18セント台と回復した。3日は、原油安により、同18.47セントとほぼ横ばいとなったが、4日は、中国のゼロコロナ政策の転換期待が原油相場を押し上げたことから、同18.71セントまで上昇した。8日は、UNICAがブラジル中南部地域の10月中旬までの砂糖生産量を前年同月比7.3%減としたことから、同19.00セントまで押し上げられた。9日以降は、米ドル安とブラジルの減産見込みから上昇し、11日は、同19.64セントを付けた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。

(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
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