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4.日本の主要輸入先国の動向(2023年1月時点予測)

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最終更新日:2023年2月10日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2023年1月時点予測)

2023年2月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイであり、2021年の主要輸入先ごとの割合を 見ると、豪州が86.6%(前年比0.03ポイント増)、タイが13.4%(同2.9ポイント増)と、両国が大勢を 占めている(財務省「貿易統計」)。



2022/23年度の輸出量は、300万トン台を維持する見込み
 2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比2.3%増)とわずかに増加すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、2022年3月と7月に主産地クイーンズランド州で洪水をもたらした降雨が収量には良い影響を与え、前年より良好な生育が予想されることから、3200万トン(同6.3%増)とかなりの程度増加すると予想される。

  砂糖生産量は、ラニーニャ現象による悪天候から収穫作業が進まず、多くの製糖工場の処理作業が前年同期と比較して遅れており、また、CCS(注)の低下が懸念されることから、サトウキビの増産予測に比べて420万トン(同1.9%増)とわずかに増加すると見込まれる。また、輸出量は、前月予測では10年ぶりに300万トン割れが見込まれたが、生産量の上方修正から318万トン(同8.9%減)に引き上げられた。ただし、今年度は依然としてかなりの程度の減少が見込まれる。

(注)可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。

サトウキビ輸送のトラック運転手不足を受け、収穫作業の遅滞が発生
 2022年12月13日付け現地報道によると、ニューサウスウェールズ州の最北東に位置するノーザンリバーズ地域では、サトウキビの収穫や工場への搬入に必要となる大型トラックの運転手が不足しており、数千トンのサトウキビが未収穫のままとなっている。この状況を受け、同地域では製糖企業による大型トラックなどの運転手の募集が行われている。
 
 同地域は22年当初に洪水が発生しており、州内3カ所の製糖工場で大きな被害が生じている。また、洪水や長引く雨天の影響により例年に比べてサトウキビの収穫時期が遅れており、収穫作業は1月下旬まで続くと見込まれている。さらに、収穫期間の長期化により、サトウキビが未収穫となることも懸念され、生産者や製糖企業の収入減が危惧されている。
 
 今後、大型トラックや作業機械などのドライバーが確保された場合、製糖期間を2週間ほど短縮することが可能となると見込まれており、サトウキビの生産や製糖作業の効率向上に有効であるとされている。

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2022/23年度の砂糖生産量は大幅に、輸出量はかなりの程度増加する見込み
 2022/23年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、前年が豊作であったことや、競合するキャッサバに比べて収益が高い状況にあるといった理由から、168万ヘクタール(前年度比10.1%増)とかなりの程度増加すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、東北地域の低地帯で洪水が発生したものの、洪水の被害がなかった他の地域で収量の増加がみられ、1億1000万トン(同19.5%増)と大幅に増加すると見込まれる。
 
 砂糖生産量は、グリーンハーベスト(注)の普及を背景とした(しょう)(とう)部や葉などの混入による歩留まりの低下、中部地方での収穫の遅れがあるものの、品質の高いサトウキビの収穫や生産量の増加から1247万トン(同16.7%増)と大幅な増加が見込まれる。輸出量は、大幅な増産を受けて875万トン(同8.4%増)と倍増した前年度から更なる増加が見込まれる。

(注)サトウキビを燃やさず、そのまま収穫する方法。従来、同国ではサトウキビを燃やした後に収穫するのが一般的であったが、大気汚染を引き起こすとの批判の高まりを受け、近年はグリーンハーベストが推進されている。
 

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