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〜弟子屈町・平岡美代子氏の事例〜

ワーク・ライフ・バランスを実現し地域で活躍する女性農業者
〜弟子屈町・平岡美代子氏の事例〜

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最終更新日:2023年2月10日

ワーク・ライフ・バランスを実現し地域で活躍する女性農業者
〜弟子屈町・平岡美代子氏の事例〜

2023年2月

札幌事務所 福寿 悠星

【要約】

 北海道弟子屈(てしかが)(ちょう)の平岡美代子氏は、約140ヘクタールの耕作地においててん菜やばれいしょなどを栽培する畑作農家である。畑作農家として、家族と共に生産性の向上や労働負担の軽減に取り組みながら、JA摩周湖女性部長としての活動や野菜の直売所の運営など地域内活動にも力を入れ、公私共に充実した日々を送っている。

はじめに

 令和4年7月に世界経済フォーラムが公表した「Global Gender Gap Report」において、日本はジェンダーギャップ指数(注1)が146カ国中116位という結果となった。特に、経済および政治分野における男女共同参画という点では、依然として諸外国に後れを取っている。こうした状況の中、内閣府男女共同参画局は、同年6月に「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」を公表した。本方針では、農林水産業における政策・方針決定への女性参画の推進のため、農業委員や農業協同組合、森林組合、漁業協同組合の役員および土地改良区などの理事に占める女性の割合の向上や女性登用ゼロからの脱却に向けた取り組みを一層推進することとしている。また、農林水産業における女性の活躍推進に向け、農林水産業で働く女性にとって扱いやすいデジタル技術を活用したスマート農林水産業の推進、農業女子プロジェクトにおける企業・教育機関と連携した女性が扱いやすい農業機械などの開発、育児と農作業の両立などに関するサポート活動など、農林水産業において女性が活躍しやすい環境を整備していくとしている。

 こうした中、本稿では、農業経営の傍ら、摩周湖農業協同組合(以下「JA摩周湖」という)の女性部長を務めるなど地域内活動にも力を入れ、女性農業者としてのワーク・ライフ・バランス(注2)を実現している平岡美代子氏(以下「平岡氏」という)の取り組みについて紹介する。

注1:世界経済フォーラムが、経済、教育、保健、政治の4分野のデータから算出した男女格差を示す指数のこと。
注2:直訳は「仕事と生活の調和」。平成19年に策定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」では、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)が実現した社会の姿を、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家族や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」と定義している。

 

1 女性農業者の現状

 基幹的農業従事者数(注)(個人経営体)全体に対する女性の割合は、令和4年2月1日時点で全国では約39%、北海道では約43%を占めており、女性は農業分野における重要な担い手となっている(図1)。

 また、農林水産省の「2020年農林業センサス」によると、女性が経営方針に関わっている農業経営体(個人経営体)の割合は、令和2年時点で全国では約36%、北海道では約50%を占めており、女性は農業経営においても大きな役割を担っている(表1)。

 一方、地域農業の方針決定の場への女性の参画という点においては、令和3年度の農業委員全体に占める女性の割合が12.4%、2年度の農業協同組合役員に占める女性の割合が9.0%となっており、割合としては低い状況にある(図2)。なお、北海道においては、各割合が8.3%、1.8%と全国水準を下回る結果となった。

 こうした中、令和2年12月に閣議決定された「第5次男女共同参画基本計画〜すべての女性が輝く令和の社会へ〜」では、令和7年度までに農業委員全体に占める女性の割合を30%まで、農業協同組合役員に占める女性の割合を15%まで引き上げるという成果目標を掲げている。北海道においても、農協役員への女性登用に向け、役員就任前の準備期間として参与期間を設定したり(JA新はこだて)、中期計画に理事の女性枠2人の設置を明記して登用を実現したり(JAようてい)するなど取り組みが広がっている。

注:15歳以上の世帯員のうち、普段仕事として主に自営農業に従事している者のこと。
 

 
 

 
 

 

2 農業分野におけるワーク・ライフ・バランス

 女性農業者が活躍しやすい環境を整備するため、農業以外の部分を支援する取り組みが始まっている。前述の「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」では、育児と農作業の両立などに関するサポート活動に取り組むとしており、こうした取り組みは女性農業者のワーク・ライフ・バランスを考える上でも重要だと考えられる。加えて、農業者のワーク・ライフ・バランスの実現については、農業分野特有の課題についても考慮する必要がある(表2)。

 

3 弟子屈町および摩周湖農協管内の概況

(1)弟子屈町の概況

 平岡氏が居住する弟子屈町は、北海道東部の釧路総合振興局管内に位置している(図3)。町内には、高い透明度を誇る摩周湖や日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖があり、屈斜路湖を水源とする釧路川が町の中心を流れている。平地が少なく、山林地帯が大部分を占めている。農耕地は、屈斜路湖沿岸と釧路川をはじめとする各河川の流域に散在しており、酪農を中心として、草地、放牧地、ばれいしょ、てん菜および小麦畑として主に利用されている。

 

(2)弟子屈町の気候

 弟子屈町は、令和3年の月平均気温が6月から8月でも20度以下、冬期には氷点下となり、年平均気温は6.0度であった(図4)。これは、札幌市(同10.2度)や釧路市(同7.6度)よりも低く、北海道の中でも特に冷涼な気候であると言える。降水量については、積雪量は比較的少ないものの、農作物の植え付け時期および収穫期に多くなる傾向にある。

 

(3)JA摩周湖管内の概況

 平岡氏が組合員となっているJA摩周湖は、平成12年に旧JA摩周湖と旧JA弟子屈の合併により発足した。弟子屈町全域および(しべ)(ちゃ)町の一部を管轄し、令和4年1月末時点では、正組合員104人、准組合員が584人となっている。管内の特産品としては、摩周メロン、そば、ばれいしょ、カボチャ、タマネギ、摩周和牛などがある。

 管内の主な畑作物については、特にてん菜、小麦、豆類において作付面積が増加しており、収穫量が安定している(表3)。なお、ばれいしょについては、でん粉原料用ばれいしょの作付面積が減少する一方、加工食品向けの需要拡大の影響などにより、加工用ばれいしょの作付面積が増加している(表4)。

 
 

 

4 女性農業者平岡氏の事例

(1)平岡氏の経営の概要

ア 就農までの経緯と就農から現在まで
 平岡氏のご実家は、弟子屈町内の畑作農家である。平岡氏は、就農を目指して、高校を卒業後に道内の短期大学の農業経営学科に進学した。同学科では当時他学年を含めて女性は平岡氏のみであったが、実習も含めて男性と同様の内容を学ぶことができた。短期大学卒業後は、一度実家を継いだものの、同じ弟子屈町出身の清一氏と結婚し、実家の経営を姉夫婦に託して清一氏の所有していた農場(以下「平岡農場」という)で農業を続けた(写真1)。結婚後に就農し、一から勉強する女性もいる中、農業に関する知識があった平岡氏は、作業内容を即座に理解し、即戦力として活躍した。その後、出産や育児を迎えたが、いわゆる「育児休業」は無く、出産直前まで()場に出た。出産後は、両親にご子息を預けることができたため、すぐに現場に復帰した。

      


イ 現在の経営概況
 平岡農場は、農地の総面積が約140ヘクタール、売上高が1億円を超える大型の畑作農家である。農林水産省の「令和4年農業構造動態調査」によれば、北海道の経営耕地面積の平均は33.1ヘクタールのため、非常に広大な農地を所有していることがわかる。

 平岡農場は家族経営であり、清一氏、美代子氏(写真2)、ご子息の琢磨氏の3人で栽培品目毎に担当を分けている(表5)。平岡氏によると、「分担制にすることで余計な干渉がなく、各々が作業を自由に進められる」と言う。ただし、任せきりということではなく、作業内容を家族内で適宜相談、共有し、人手が必要な時は互いにフォローしている。経営に関しては、「農家自身の裁量に委ねられている分、自分自身のペースで仕事ができる」とのことで、体調不良などの際は、家族である清一氏や琢磨氏に農作業を任せ、休養を取っているそうだ。このように、家族内での情報共有が適切に行われ、緊急時にもお互いをサポートし合う体制が構築されていることが平岡農場の特徴である。

 
 

 

 北海道の畑作農業の特徴は、3年または4年の輪作体系を確立していることである。平岡農場においても、小麦、ばれいしょ、てん菜、豆類(小豆や大豆)を基本とした輪作を行っている(写真3)。以前の平岡農場は、小麦の作付面積が小さく、てん菜とばれいしょの交互作に近い状態であったが、ばれいしょを栽培する間隔が狭くなってしまうため、病害虫対策の面から現在の輪作体系に変更した。ばれいしょについては、生食用の作付けは無く、でん粉原料用と加工用を作付けしている。加工用については、ポテトチップス向けとして出荷している。なお、輪作体系に組み込まれてはいないが、近年は飼料価格の高騰もあり、飼料用トウモロコシ(デントコーン)の栽培にも力を入れている(表6)。

 
 

 

(2)生産性向上・省力化・持続可能な農業に係る取り組み

ア てん菜
 一般的にてん菜の「直播(ちょくはん)栽培」は、移植作業に係る労働時間や機械導入費用の削減につながるとされているが、一般社団法人北海道農産協会の「てん菜糖業年鑑2022年版」によれば、弟子屈町の直播率は1%(令和3年産)である。その理由は、この地域の土質が火山灰土壌(摩周系火山灰土)であることや春先の気温が低いことから、直播では収量にばらつきが出るためである。平岡農場においても収量安定化の観点から直播栽培は行っていない。

 一方で、移植栽培は、労働時間が長く、人手も必要となるが、平岡農場では、製糖期に工場までてん菜の輸送を行う運送会社に移植作業の一部を外部委託し、省力化を図っている。JA摩周湖が運送会社と生産者の仲介役となり、当該運送会社の閑散期である春先に作業を依頼している。

 また、生産性向上の取り組みとしては、堆肥の投入、サブソイラ(注1)による心土破砕、根切りマット(注2)の導入、GPS付きトラクターを用いた施肥を行っている(表7)。なお、堆肥については、近年、近隣酪農家のふん尿処理が堆肥化処理から堆肥よりも水分量が多いスラリー処理へ切り替わっていることなどから、年々確保が困難になっている。

注1:硬盤層(地表から30センチメートル程度にできる固い土の層を言い、作物が地中深く根を張るのを阻害する。)を破砕する機械のこと。
注2:てん菜の苗を植えるペーパーポットと床面の間に設置するシート状の資材のこと。ペーパーポットの下の土や細根の付着を防ぐ。

 

イ ばれいしょ
 平岡農場では、適正かつ安定した輪作体系を維持するため、ジャガイモシストセンチュウのリスク軽減に努めている。でん粉原料用については、「コナユタカ」「コナヒメ」「アスタルテ」といった抵抗性品種を作付けしており、導入率は100%となっている。

 また、植え付け作業においては、自動で種ばれいしょを切断し、畑に植え付けを行うことができるカッティングプランターを利用している。このカッティングプランターによる播種(はしゅ)作業は、通常であれば欠株の補充要員として一人以上の補助員が必要になるところを、平岡農場ではカッティングプランターに取り付けできる欠株補充装置を導入している。これにより、センサーが欠株の検出から種イモの補充までを自動で行うことができるため、最小限の人数で作業を行うことができている。今後は、さらなる作業の効率化、省力化に向け、植え付け、施肥、培土を一度に行うことができるドイツ製のカッティングプランターの導入を検討している。

ウ その他
 その他の取り組みとして、平岡氏が実践している生産性向上に向けた対策を紹介する(表8)。

 

5 地域社会と平岡氏のつながり(地域内活動とその役割)

(1)JA摩周湖女性部の活動

 JA摩周湖女性部は、JA摩周湖における女性組織の一つであり、令和4年2月1日現在29人のメンバーが所属している。また、この他に45歳位までのメンバーで構成されるJA女性組織フレッシュミズ(Fresh Ms)「たんぽぽの会」があり、4年4月1日現在16人のメンバーが所属している。

 JA摩周湖女性部では、地産地消に関わる活動、手芸など趣味を生かした活動などを主に行っている(表9)。

 

 

(2)地域の活動における役割と所感

ア JA摩周湖女性部長としての活動
 平岡氏は、令和3年2月より女性部長を務めている。任期は2年間である。酪農家が多い地域のため、長らく酪農家の女性部長が続いていたが、副部長を長期に渡って務めていたことや周囲の推薦もあり、女性部長に就任した。女性部長としての活動内容は、年間計画の策定、役員会の開催、女性部の窓口であるJA内の事務局との調整、研修や部員交流会の調整、JA釧路地区女性協議会やJA北海道女性大会の出席など多岐にわたっている。

イ 活動に対する所感
 平岡氏は、女性部の活動について「他分野の生産者と意見交換をしたり、相談したりすることは気分転換にもなる。また、同じ農協内でも普段交流が少ない地域の生産者ともつながるきっかけになる」と話す。こうした他の生産者のとのつながりは、平岡氏の精神的な支えになっている。

 また、女性部長の職務については「組合員はそれぞれ個性があり、農協も場所が変われば考え方も変わる。公の場で自らの考えを発言できる人、できない人がいる。そういった状況の中で発言できない人の気持ちをくみ取ること、意見をまとめることが求められる」と平岡氏は話す。JA摩周湖からは「各種行事などにおいてリーダーシップを発揮し、女性部をリードしてくれている」とのコメントがあり、平岡氏が女性部長として高く評価されていることがわかる。

ウ 弟子屈消防団の活動
 消防庁によれば、全国の女性消防団員数は年々増加しており、令和2年4月1日時点で2万7200人(全体の3.3%)にのぼる。平岡氏は、20年近く消防団活動を続けており、令和3年4月からは弟子屈消防団・川湯支署女性班班長を務めている。弟子屈消防団では、火山噴火を想定した避難訓練、火災予防運動、独居老人宅への訪問(緊急システムの作動および親族の連絡先の確認)などを行っている。平岡氏は、消防団活動について「農業では、トラクターによる農作業事故が発生することがあり、煙の発生や緊急車両の出動には特に気を使う。消防団の活動を通じて自然と地域の人々と関わる姿勢や地域への目配りをする習慣が身に付いた」と話す。このように、農業以外の活動に対しても「自分が地域を支えているのではなく、地域に支えられているのが自分である」という意識のもと、これまで活動に取り組んできた。

エ 地域の活動に対するご家族の反応
 地域の活動に欠かせないものは、家族の理解と協力である。平岡氏によれば「夫は、これまで農協の監事やコンバイン利用組合の業務などで多忙を極めていたが、地域の活動へは快く送り出してくれた」と言う。家事や育児の時間を確保するという点においては、地域の活動で自宅を不在にすることに対し、抵抗感を示す人は少なくないと考えられるが、清一氏自身の地域農業に貢献してきた経験が平岡氏の地域活動に対する理解につながっていると感じた。

オ 女性農業者が地域社会に溶け込み活躍するためのポイント
 JA摩周湖に「女性農業者が地域社会に溶け込み、活躍するためのポイント」を伺った。共通するポイントとしては、主に農業者としての「主体性」と「地域と上手に関わること」である。今回は、女性農業者の観点から話を伺ったが、いずれのポイントも性別を問わないものと言える(表10)。

 

(3)JA摩周湖女性部の課題

 平岡氏が考えるJA摩周湖女性部の課題は、女性部の加入率の低さである。平岡氏は「組合員になった当時は女性部に入ることが当たり前だと思っていた」と話すが、現在のJA摩周湖女性部の加入率は、女性組合員の5割程度にとどまる。加入しない理由は「女性部の活動に参加できる時間が無い」「他の人とあまり話をしたくない」などさまざまである。このような状況に対し、平岡氏は「今はスマートフォンが普及し、SNSなどを通じて地域の人とすぐに連絡を取ることができるため、女性部に入らずとも独自のグループ作り、情報交換を行う生産者も増えてきている」と一定の理解を示すが、今後さらに部員数の減少が進んだ場合、女性部の活動が継続できなくなることを危惧している。

コラム 〜私のリフレッシュ方法〜


 平岡氏は、農業を長く続けていくためのポイントとして、適度な気分転換が大切だと考えている。平岡氏のリフレッシュ方法は、野菜作りと有名アーティストのライブ鑑賞である。ライブ鑑賞については、コロナ禍が続き、会場での鑑賞が難しいため、自宅で音楽を楽しんでいる。野菜作りでは、てん菜の育苗に使用するビニールハウスにおいて、てん菜育苗後の空き期間を利用し、トマト、きゅうり、とうもろこし、カボチャなどを栽培している。収穫した野菜は、平岡氏のご実家に併設されている直売所で販売している。地域の利用者からは「おいしい」といった声が届いており、それが平岡氏の励みになっている。

 

おわりに

 平岡氏の取り組みを振り返ると、平岡氏は、畑作農家として生産性の向上や労働負担の軽減に取り組み、精神的かつ時間的なゆとりを持つことで、農業以外のことに向き合う時間やエネルギーを確保していると考えられる。加えて、地域の活動に参加し、地域の人との結びつきの中で情報交換の機会や相談相手を得ることで、適度に気分転換をしながら、仕事に対する前向きな気持ちを維持していると考えられる。つまり、平岡氏は、自身の農業経営だけではなく、積極的に地域と関わりをもつことによって公私両面の充実度を上げていると言えるだろう。

 一方、農業経営と地域内活動の両立は、時間の制約や身体的な負担も大きく、家族や地域の協力が必要不可欠となる。特に、女性農業者に関しては、受け皿となる地域の意識改革や環境整備の推進が求められる中、現在農林水産省が推し進めている「家族経営協定(注)」の締結などにより、家族内で意見や認識を共有することは、女性農業者のワーク・ライフ・バランスを推進するに当たって非常に重要であると考えられる。家族経営協定については、農林水産省が行った「2019年女性活躍推進に係るアンケート調査」において、回答者の7割が「家族経営協定の締結が経営やワーク・ライフ・バランスの改善に役立つ」と回答している。その点からすると、平岡氏は「家族経営協定」を締結していないとのことであったが、これまで自然に「家族経営協定」が締結され、それが守られてきたと言えるだろう。

 今後の女性農業者のさらなる活躍が期待される中で今回の平岡氏の事例が農業者の働き方やワーク・ライフ・バランスの見直しに向けて取り組む方々の参考になれば幸いである。

注:家族農業経営に携わる各世帯員が、意欲とやり甲斐を持って経営に参画できる魅力的な農業経営を目指し、経営方針や役割分担、家族みんなが働きやすい就業環境などについて、家族間の十分な話し合いに基づき取り決めるもの。

【謝辞】
 本稿の作成に当たり、取材にご協力いただきました平岡農場の皆さまおよびJA摩周湖の関係者の皆さまには、厚く御礼申し上げます。
 
(参考文献)
・世界経済フォーラム「Global Gender Gap Report」<https://jp.weforum.org/reports>(2022/12/23アクセス)
・農林水産省「生産農業所得統計」<https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/nougyou_sansyutu>(2022/10/19アクセス)
・農林水産省「作物統計」<https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/index.html>(2022/12/14アクセス)
・農林水産省「農業における女性をめぐる事情」<https://www.maff.go.jp/j/keiei/jyosei/gaiyo.html>(2022/12/21アクセス)
・内閣府「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)総括文書–2007〜2020–」<https://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/07-20/zentai.html>(2022/12/22アクセス)
・北海道庁「北海道の畑作をめぐる情勢」<https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nsk/megurujousei.html>(2022/12/15アクセス)
・北海道「令和3年度(2021年)農業・農村の動向等に関する年次報告」<https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nsi/a0002/doukou/doukou.html>(2022/12/19アクセス)
・農林水産省「農業経営統計調査」<https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/>(2022/12/15アクセス)
・北海道畑作農業の持続的発展を考える懇談会「北海道畑作農業の持続的発展に向けて」<https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nsk/70597.html>(2022/12/14アクセス)
・農林水産省「農業構造動態調査結果」<https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukou/>(2022/11/21アクセス)
・農林水産省「農業経営改善計画の営農類型別等認定状況」<https://www.maff.go.jp/j/kobetu_ninaite/n_seido/nintei_zyokyo/r3a.html>(2022/11/21アクセス)
・農林水産省「2020年農林業センサス」<https://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/2020/index.html>(2022/10/28アクセス)
・農林水産省「女性登用の取組事例と推進のポイント」<https://www.maff.go.jp/j/keiei/jyosei/220705.html>(2022/10/28アクセス)
・農林水産省「農業委員への女性の参画状況」<https://www.maff.go.jp/j/keiei/jyosei/joseiiin.html>(2022/10/28アクセス)
・公益社団法人日本農業法人協会「Step WAP-農業の働き方改革-」<https://step-wap.jp/resolution/work_life_balance/>(2022/12/21アクセス)
・北海道庁「北海道農業・農村の姿2022」<https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nsi/nogyonosonnosugata.html>(2022/12/15アクセス)
・農林水産省「ばれいしょをめぐる状況について」<https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/imo/attach/pdf/siryou-2.pdf>(2022/12/14アクセス)
・弟子屈町ホームページ<https://www.town.teshikaga.hokkaido.jp/kurashi/index.html>(2022/12/15アクセス)
・気象庁「過去の気象データ検索」<https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_a1.php?prec_no=19&block_no=1187&year=2021&month=7&day=&view=>(2022/09/16アクセス)
・弟子屈町「平成30年度弟子屈町農業の概要」<https://www.town.teshikaga.hokkaido.jp/material/files/group/17/H30gaiyou.pdf>(2022/12/15アクセス)
・摩周湖農業協同組合ホームページ<https://www.jamashuuko.or.jp/>(2022/12/16アクセス)
・JA女性組織協議会ホームページ<https://women.ja-group.jp/about-us/freshms/>(2022/12/19アクセス)
・東洋農機株式会社ホームページ<http://www.toyonoki.co.jp/catalog/1/soiler-s.html>(2022/12/22アクセス)
・北海道糖業株式会社農機具販売ホームページ<https://www.hokutou.co.jp/nouki/nae/>(2022/12/22アクセス)
・総務省消防庁消防団ホームページ<https://www.fdma.go.jp/relocation/syobodan/>(2022/12/22アクセス)
・農林水産省「女性の農業における活躍推進に向けた検討会」<https://www.maff.go.jp/j/study/women_empowerment/index.html>(2022/12/22アクセス)
・内閣府男女共同参画局「第5次男女共同参画基本計画〜すべての女性が輝く令和の社会へ〜」<https://www.gender.go.jp/about_danjo/basic_plans/5th/index.html>(2022/12/23アクセス)
・一般社団法人北海道農産協会(2022)「てん菜糖業年鑑2022年版」p.12
 
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