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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2023年7月10日

砂糖類の国内需給

2023年7月

調査情報部

1.需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和5年3月に「令和4砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した(詳細は2023年5月号参照)

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2.輸入動向

【粗糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2023年4月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、4万4965トン(前年同月比51.1%減、前月比36.5%減)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖については輸入実績が無く、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 豪州    4万4965トン
 (前年同月比46.4%減、前月比11.6%減)

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 2023年4月の甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、7万9646円(前年同月比21.1%高、前月比0.5%安)であった(図4)。

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【含みつ糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2023年4月の含みつ糖(HSコード1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、846トン(前年同月比30.7%減、前月比21.5%減)であった(図5)。

 輸入先国はタイ、中国およびフィリピンの3カ国で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 タイ     528トン
 (前年同月比49.5%減、前月比47.3%減)
 中国     269トン
 (同2.3倍、同3.5倍)
 フィリピン   49トン
 (同9.3%減、前月輸入実績なし)

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 2023年4月の1トン当たりの輸入価格は、14万8443円(前年同月比12.0%高、前月比8.8%高)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 タイ     12万9473円
 (前年同月同、前月比3.3%安)
 中国     15万7784円
 (前年同月比7.5%高、同0.1%高)
 フィリピン  29万4980円
 (同93.9%高、前月輸入実績なし)

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【加糖調製品の輸入動向】
4月の加糖調製品の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2023年4月の加糖調製品の輸入量は、3万3615トン(前年同月比16.0%減、前月比4.2%減)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

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3.異性化糖の移出動向

5月の移出量は前年同月からわずかに減少
 2023年5月の異性化糖の移出量は、7万3877トン(前年同月比1.9%減、前月比4.7%減)であった(図9)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満      363トン
 (前年同月比12.3%増、前月比13.3%減)
 同40%以上50%未満   1万8295トン
 (同1.4%減、同5.6%減)
 同50%以上60%未満   5万4399トン
 (同2.4%減、同4.2%減)
 同60%以上          820トン
 (同19.0%増、同14.8%減)

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4.価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 5月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京   1キログラム当たり227〜229円
大阪   同227〜229円
名古屋  同230円
関門   同232円

上白糖(小袋)
東京   1キログラム当たり239〜243円
大阪   同242〜243円

本グラニュー糖(大袋)
東京   1キログラム当たり232〜234円
大阪   同232〜234円
名古屋  同235円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京    1キログラム当たり227〜229円
大阪    同227〜229円
名古屋  同228円

 5月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの   1キログラム当たり166〜167円
果糖分55%もの   同172〜173円
【小売価格】
5月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で44.0円

 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける5月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、233.1円(前年同月差26.6円高、前月差5.7円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は44.0円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

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5月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で56.7円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける5月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、282.3円(前年同月差24.0円高、前月差4.2円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は56.7円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

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5月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で54.6円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける5月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、269.6円(前年同月差27.2円高、前月差4.8円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は54.6円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

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【支出金額および購入数量】
4月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに下落

 総務省「家計調査」によると、2023年4月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は28、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は77円(前年同月比1.3%安、前月比1.3%安)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、284グラム(同10.1%減、同4.4%増)であった(図12)。

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このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272