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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2023年9月11日

砂糖類の国内需給

2023年9月

調査情報部

1.需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和5年6月に「令和4砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は2023年8月号参照)。

 

 

 

 

2.輸入動向

【粗糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2023年6月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、12万4229トン(前年同月比68.9%増、前月比19.8%増)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 タイ       8986トン
 (前年同月比0.1%減、前月比57.1%減)
 豪州    11万5243トン
 (同78.5%増、同39.3%増)

 

 

 2023年6月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、10万3558円(前年同月比40.5%高、前月比16.8%高)であった(図3)。

 

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 タイ    10万3558円
 (前年同月比40.5%高、前月比16.8%高)

 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、9万3734円(前年同月比34.0%高、前月比1.8%高)であった(図4)。

 

【含みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2023年6月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、566トン(前年同月比2.1倍、前月比74.2%増)であった(図5)。

 輸入先は中国、タイ、フィリピンおよびインドで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 中国               486トン
 (前年同月比1.8倍、前月比2.8倍)
 タイ                42トン
 (前年同月輸入実績なし、同71.2%減)
 フィリピン  36トン
 (前年同月比7.2倍、同9.0倍)
 インド              2トン
 (同2.0倍、同33.3%減)

 

 

 2023年6月の1トン当たりの輸入価格は、16万7094円(前年同月比3.0%高、前月比19.7%高)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 中国            15万8008円
 (前年同月比1.4%安、前月比0.7%安)
 タイ            12万7619円
 (前年同月輸入実績なし、同18.4%高)
 フィリピン  33万111円
 (前年同月比34.6%高、同7.1%安)
 インド          26万9500円
 (同2.7%安、同2.8%安)

 

【加糖調製品の輸入動向】
6月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや減少

 財務省「貿易統計」によると、2023年6月の加糖調製品の輸入量は、3万6543トン(前年同月比5.7%減、前月比12.3%増)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

 

 

3.異性化糖の移出動向

7月の移出量は前年同月からやや減少
 2023年7月の異性化糖の移出量は、8万1100トン(前年同月比5.8%減、前月比3.5%増)であった(図9)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満       362トン
 (前年同月比4.9%増、前月比20.1%減)
 同40%以上50%未満  1万9329トン
 (同0.5%減、同0.3%減)
 同50%以上60%未満  6万731トン
 (同7.4%減、同5.1%増)
 同60%以上                679トン
 (同12.2%減、同6.5%減)

 

 

4.価格動向

【市場価格】
砂糖は7月半ばに前月から12円程度値上がり

 7月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京  1キログラム当たり227〜241円
大阪                    同227〜241円
名古屋                  同230〜242円
関門                    同232〜244円
 
上白糖(小袋)
東京  1キログラム当たり239〜255円
大阪                    同242〜255円
 
本グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり232〜246円
大阪                    同232〜246円
名古屋                  同235〜247円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり227〜241円
大阪                    同227〜241円
名古屋                  同228〜240円
 
 7月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの 1キログラム当たり166〜167円
果糖分55%もの             同172〜173円
 
【小売価格】
7月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で57.5円

 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける7月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、235.8円(前年同月差27.8円高、前月差1.7円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は57.5円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
 
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

 

7月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で58.7円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける7月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、288.0円(前年同月差27.5円高、前月差4.2円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は58.7円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

 

7月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で65.9円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける7月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、276.1円(前年同月差31.6円高、前月差2.2円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は65.9円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

 

【支出金額および購入数量】
6月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに上昇

 総務省「家計調査」によると、2023年6月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は40、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は142円(前年同月比2.9%高、前月比42.0%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、421グラム(同7.7%減、同38.5%増)であった(図12)。

 

 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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