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2 国際価格の動向

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最終更新日:2023年12月11日

2 国際価格の動向

2023年12月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(10/2〜11/10)
〜世界的な供給懸念から、27セント台を維持〜




 2023年10月のニューヨーク粗糖先物相場(3月限(がつ ぎり))の推移を見ると、2日は、10月限の流れを引きずり、1ポンド当たり26.35セント(注1)をつけた。3日は、レアル安(注2)により、同25.67セントと1カ月ぶりに25セント台に下落した。4日以降は、ブラジルの主産地での降雨予測や米国農務省がタイの砂糖生産見通しを下方修正したことなどから、6日は、同26.74セントと上昇した。9日は、原油価格の高騰(注3)により、同27.18セントと再び27セント台に乗り上げた。10日以降は、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が9月までのブラジル中南部の砂糖生産量を前年同期比23.8%増と報告したことなどから、12日は、同26.35セントと下落したが、13日は、原油高を受け、同27.05セントと上昇した。16日以降は、インド政府が10月1日時点の砂糖備蓄量を国内需要の2カ月半を満たすのに十分な量である570万トンと発表したことなどから、20日は、同26.85セントと値を下げた。23日は国際砂糖機関(ISO)が23/24年度の世界の砂糖生産量を1億7480万トンと前年度比1.2%減と予測したことから、同27.48セントに上昇した。24日以降は、UNICAが10月中旬までのブラジル中南部の砂糖生産量を前年同期比23.6%増と報告したことなどから、26日は、同27.04セントと下落した。27日は、同27.34セントと値を上げたものの、30日は、レアル安と原油安により同26.75セントと値を下げた。31日は、タイ政府がインフレ抑制と食料安全保障の維持のために、追加承認が必要な輸出規制品目に砂糖を分類する予定であると発表したことから、世界的な供給懸念が高じて、同27.09セントと上昇した。

 11月1日以降は、タイの砂糖輸出規制の懸念から緩やかに上昇し、6日は、同27.95セントと12年ぶりの高値を更新した。7日以降は、原油価格の低迷がロングポジション(注4)の清算のきっかけとなり、8日は同27.21セントと下落した。9日は、ブラジルでの港湾混雑により10月の輸出量が前月比10%減と報じられたことから、同27.78セントに上昇した。10日は、UNICAが10月下旬までのブラジル中南部の砂糖生産量を前年同期比22.6%増と報告したことから、同27.29セントと下落した。


(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注4)将来の値上がりを期待して買いの持ち高を取っている状態。

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