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4 日本の主要輸入先の動向(2024年1月時点予測)

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最終更新日:2024年2月9日

4 日本の主要輸入先の動向(2024年1月時点予測)

2024年2月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイであり、2022年の主要輸入先の割合を見ると、豪州が90.7%(前年比4.1ポイント増)、タイが9.3%(同4.1ポイント減)と、両国でほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。


 

2023/24年度の砂糖輸出量は、需要の高まりからかなりの程度増加する見込み
 
2023/24年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比7.6%増)とかなりの程度増加すると見込まれる(表)。サトウキビ生産量は、主産地であるクイーンズランド州北部で季節外れの降雨の影響により収穫が遅れたことで、2976万トン(同8.7%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。

 砂糖生産量は、サトウキビが減産見込みとなる中で、エルニーニョ現象の影響とされる乾燥した天候により、CCS(注)が高いことから、415万トン(同3.5%減)とやや減少にとどまると見込まれる。なお、現地では、12月に同州へ上陸したサイクロン「ジャスパー」による農業への被害が報じられている。同州の生産者団体であるCANEGROWERSによると、洪水に見舞われた地域は砂糖生産量の約2割を占めているが、23/24年度の収穫が終了したばかりであることから、被害の程度は不明とされている。また、すでに栽培を開始している24/25年度のサトウキビについても、今回のサイクロンによる被害が懸念されるため、状況の確認を行っているとされている。

 輸出量は、韓国、インドネシアおよび日本など主要輸出先での砂糖消費需要が堅調であることに加え、50年ぶりに輸出が再開された英国向けや、世界的な砂糖の供給懸念による豪州産砂糖の需要の高まりなどから、314万トン(同6.9%増)とかなりの程度増加すると見込まれる。

(注)可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。
 

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2023/24年度の砂糖生産量と輸出量は、大幅に減少する見込み
 
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、エルニーニョ現象などによる乾燥天候を考慮して、より乾燥に強いキャッサバに転換する農家が増加しており、152万ヘクタール(前年度比6.2%減)とかなりの程度減少すると見込まれる(表)。サトウキビ生産量は、収穫面積の減少に加え、エルニーニョ現象による天候不順がサトウキビの生育に大きな影響を及ぼす可能性があるとして、7500万トン(同20.1%減)と大幅な減産が見込まれる。

 サトウキビ生産量は前回予測から据え置かれたが、これまでの収穫分のCCSが低いことから、砂糖生産量は894万トン(同23.5%減)と大幅に減少すると見込まれる。輸出量も、砂糖の減産を背景に609万トン(同25.9%減)と大幅に減少すると見込まれる。




 

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