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2 国際価格の動向

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最終更新日:2024年3月11日

2 国際価格の動向

2024年3月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(1/2〜2/9)
〜インドやタイの減産見込みから、24セント台まで上昇〜

 


 


 2024年1月のニューヨーク粗糖先物相場(3月限(がつぎり))の推移を見ると、2日以降は、インドの全国協同組合砂糖工場連盟による同国の砂糖減産の発表や原油高(注1)を受けて緩やかに上昇し、8日には、1ポンド当たり21.74(注2)セントと値を上げた。9日以降は、ドル高(注3)や原油安により値を下げたが、11日はレアル高により、同21.76セントと上昇した。12日は、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が砂糖の増産を発表したことから値を下げたものの、16日は、インド気象庁がモンスーン期の降雨量を過去5年間で最少(平年値の6%減)と発表したことから、エルニーニョ現象による砂糖供給量の減少懸念が高まり、同22.52セントと急騰した。17日は、レアル安により一時下落したものの、18日以降は、インド政府が製糖副産物である糖みつのバイオ燃料原料利用拡大に向けて輸出用の糖みつへの輸出税(50%)を課したことや、インド製糖協会による砂糖の減産予測から反転し、24日には、同24.46セントと高騰した。25日以降は、UNICAの砂糖増産の発表により、29日は、同23.53セントと下落したが、その後は、ドル安やインドの減産により、31日は、同24.13セントと上昇した。

 2月に入ると、1日は、原油安が重荷となり、同23.56セントと値を下げたが、2日は、ブラジルの乾燥状態が新年度(2024/25年度)の砂糖生産量を抑えるとの予想から、同23.89セントと反発した。5日以降は、タイ製糖協会が同国の23/24年度の砂糖生産量の見通しを引き下げたことから、9日は、同24.02セントと上昇した。

(注1)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。

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