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4 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2024年3月時点予測)

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最終更新日:2024年4月10日

4 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2024年3月時点予測)

2024年4月


 


2023/24年度の砂糖輸出量は、増産と国際需要の高まりから大幅に増加する見込み
 
2023/24年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、846万ヘクタール(前年度比0.3%減)と前年度並みが見込まれている(表)。一方でサトウキビ生産量は、主産地の中南部地域が好天に恵まれたことや単収の増加などから、7億1821万トン(同18.4%増)と大幅な増加が見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビの増産見込みや好天による順調な収穫作業などを背景に、4934万トン(同24.2%増)と大幅に増加し、過去最高水準に達すると見込まれている。

 砂糖輸出量は、引き続きエルニーニョ現象による世界的な天候不順への懸念や国際市場での需要の高まりが期待されることから、生産量の増加を背景に3753万トン(同29.5%増)と大幅な増加が見込まれている。



 

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2023/24年度の砂糖輸出量は、減産と国内供給の確保により大幅に減少する見込み
 2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、522万ヘクタール(前年度比4.1%減)とやや減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、主産地であるウッタル・プラデーシュ州で前年を上回っているものの、同じく主産地であるマハラシュトラ州では降雨の遅れがサトウキビの成長に影響を及ぼしたことなどから、4億3908万トン(同3.7%減)とやや減少が見込まれている。

 砂糖生産量は、同国政府が砂糖への仕向け量を優先させるため、サトウキビ由来のエタノール生産を制限したことを受けて、前回予測からさらに上方修正されたが、マハラシュトラ州でのサトウキビの減産などにより、3477万トン(同1.7%減)とわずかな減少が見込まれている。同国政府はエタノール生産の制限を補完するため、エタノール原料として糖みつの利用促進に向けて、24年1月中旬に糖みつ輸出に対し50%の関税を導入した。

 砂糖輸出量は、砂糖の減産見込みに加え同国政府による輸出制限により、376万トン(同56.5%減)と前年度の半分以下の水準となる大幅な減少が見込まれている。




 

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2023/24年度のてん菜生産量は降雨による影響が懸念されるものの、かなりの程度増加する見込み
 2023/24年度(10月〜翌9月)のてん菜の収穫面積は、EU最大のてん菜主産地であるフランスで減少が見込まれる一方、トウモロコシや小麦と比較して、てん菜の収益性が高いことなどから、ポーランドやスペインで作付面積の増加が見込まれることで、144万ヘクタール(前年度比3.3%増)とやや増加が見込まれている(表)。てん菜生産量は、北西ヨーロッパ地域の大部分で適量な降雨と日照に恵まれ、作柄の見通しが改善されたことから、1億939万トン(同9.8%増)とかなりの程度の増加が見込まれている。ただし23年12月に、てん菜生産の盛んなビートベルト(注)全域で平年より多い降雨が観測され、洪水が発生している地域もあることから、てん菜収穫量の減少や収穫の遅れが懸念されている。

 砂糖生産量は、萎黄病の影響が限定的との見通しやバイオエタノールに利用するてん菜の減少などから、1650万トン(同5.4%増)とやや増加が見込まれている。

 砂糖輸入量は、砂糖生産量の増加が期待されることやウクライナからの輸入を制限する国があることなどから、238万トン(同27.7%減)と大幅な減少が見込まれている。

 砂糖輸出量は、砂糖生産量の増加などを受け、223万トン(同2.1倍)と18/19年度の水準まで回復すると見込まれている。

(注)フランス北西部や英国南部からポーランドやリトアニアにかけて広がるてん菜栽培に適した地域。「シュガーベルト」とも称されている。



 

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