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最終更新日:2025年6月10日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(4/1〜5/9)
〜米国の相互関税導入やブラジル産砂糖の増産予測で下落〜
2025年4月のニューヨーク粗糖先物相場(5月限)の推移を見ると、1日はレアル高(注1)などにより前取引日から上昇し、2日は1ポンド当たり19.59セント(注2)とさらに上昇した。3日以降は、米国の相互関税導入発表に伴う景気後退懸念からの原油安(注3)などにより下落し、9日は同17.91セントをつけた。10日は9日に米国の相互関税導入の一時停止の発表がされたことで同18.12セントと上昇したが、11日以降は、関税の引き上げに伴う世界経済の成長鈍化による砂糖需要減少への懸念から再び下落し、15日は同17.52セントをつけた。16日以降は、ドル安とインド産砂糖の生産量減少により上昇に転じたが、24日まではほぼ横ばいで推移した。25日はブラジルの乾燥した天候によるサトウキビ収量低下への懸念から同18.18セントと上昇したが、28日以降は、ブラジル産砂糖の生産量増加予測により下落傾向となり、30日は同17.46セントをつけた。
5月に入ると、1日は引き続きブラジル産砂糖の生産量増加予測から同17.16セントと下落し、2日以降は、ドル安で緩やかな上昇となった。6日以降は、ブラジル産砂糖の生産量増加予測で下落するも、8日以降は、原油高により上昇し、9日は同17.78セントをつけた。
(注1)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要は減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。