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3 世界の砂糖需給に影響する各国の動向(2025年5月時点予測)

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最終更新日:2025年6月10日

3 世界の砂糖需給に影響する各国の動向(2025年5月時点予測)

2025年6月



 

2025/26年度のサトウキビ生産量はやや減少を見込む
 
2025/26年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、1月から3月の降水量が平均を下回ったことや圃場(ほ じょう)の更新により、874万ヘクタール(前年度比1.6%減)とわずかな減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、前年度に主産地の中南部地域で発生した干ばつや火災の影響を受け、6億4250万トン(同5.2%減)とやや減少が見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビが減産見込みであるものの、製糖企業がサトウキビの砂糖仕向け割合を増加させるとの見通しから、4738万トン(同0.4%増)とわずかに増加が見込まれている。砂糖輸出量は、3610万トン(同0.8%減)とわずかな減少が見込まれているが、引き続き国際市場でのブラジル産砂糖に対する堅調な需要が見込まれている。




 

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2024/25年度の砂糖生産量および輸出量は大幅に減少する見込み
 
2024/25年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、主産地での競合作物への転作などから503万ヘクタール(前年度比9.3%減)とかなりの程度減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、干ばつと一部地域で発生した赤腐病(red rot)(注1)の影響により、3億9470万トン(同11.3%減)とかなり大きく減少が見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビの減産とエタノールへの転用により、2795万トン(同19.4%減)と大幅な減少が見込まれている。主産地のマハラシュトラ州では4月末時点で1工場を除いて操業が終了し、ウッタル・プラデーシュ州では11工場が操業中であるが、両州での砂糖生産量は前年度を下回ると見込まれている。砂糖輸出量は、砂糖の減産や輸出制限の継続により、362万トン(同17.4%減)と2年連続で大幅な減少が見込まれている。

 インド政府は25年1月、国内余剰在庫の解消などを目的に100万トンの砂糖輸出を許可した(注2)。現地報道によると、4月30日までに100万トンの輸出割当量のうち、42万4000トンがアフリカやアジア地域に輸出されている。

 (注1)真菌の感染によって引き起こされ、茎の内部の腐敗や褐変により、サトウキビの単収や砂糖の回収率に深刻な影響を及ぼすとされる。
 (注2)詳細については、2025年1月24日付け海外情報「インド政府が100万トンの砂糖輸出を許可(インド)」<https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004013.html>をご参照ください。




 

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2024/25年度のてん菜生産量はやや増加の見込み
 2024/25年度(10月〜翌9月)のてん菜収穫面積は、生産量上位国であるフランス、ドイツ、ポーランドを中心に各国で増加が見込まれることから、157万ヘクタール(前年度比8.3%増)とかなりの程度増加が見込まれている(表)。てん菜生産量は、作付面積の増加と収穫後期の好天により1億1638万トン(同5.9%増)とやや増加が見込まれている。

 砂糖生産量は、てん菜の増産を背景に1737万トン(同5.9%増)とやや増加が見込まれている。砂糖輸出量は、砂糖の増産により220万トン(同0.5%増)とわずかに増加が見込まれている。一方、輸入量は133万トン(同39.1%減)と大幅な減少が見込まれている。
 



 

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