
ホーム > 砂糖 > 調査報告 > 市場調査 > 食品メーカーにおける甘味料の利用形態〜令和6年度甘味料およびでん粉の仕入動向等調査結果(1)〜
最終更新日:2025年6月10日
(1)調査期間
令和6年12月〜令和7年2月
(2)調査対象
甘味料を使用する食品製造事業者
(3)調査項目
ア 用途および使用する理由
イ 仕入量および仕入価格の動向
ウ 原料確保の評価
(4)調査対象期間
令和6年10月現在(ただし、年間を対象とした項目については令和5年10月から翌年9月までの1年間)の甘味料の用途、仕入状況などに関する事項
(5)調査方法
郵送または電子メールによる調査票の発送および回収を実施
(6)回収状況
配布企業数 331社
回収企業数 78社(表1)
調査票回収率 23.6%
(7)集計結果についての留意事項
ア 図中の「n」は、有効回答数を表す。
イ 端数処理の関係により、図中の内訳の合計が100%にならないことがある。
ウ 図に示す調査結果は、凡例と同様の選択肢による回答である。
エ 各甘味料の用途および使用する理由は、表2の選択肢から回答を得た。
オ 凡例の増減(または騰落)率に関する選択肢は、表3の通り。
(8)調査企業の概要
今年度調査で回答のあった78社の業種別構成比は、図1の通り。「菓子、パン」が42%(33社)と最も多く、次いで「畜産・水産食料品」が24%(19社)、「清涼飲料、酒類」が10%(8社)となっている。
ア 黒糖の用途
黒糖の用途を見ると、「菓子」が20件で最も多かった。次いで「加工食品」が6件、「清涼飲料・酒類」が4件で続いている(図2)。
イ 黒糖を使用する理由
黒糖を使用する理由としては、「甘味調整(甘さを加える)」「風味調整」がともに21件で最も多かった。次いで「付加価値の訴求」が16件となった(図3)。
ウ 黒糖の仕入価格の動向
1キログラム当たりの仕入価格(令和6年10月時点)を見ると、回答があった中では「300円以上400円未満」の価格帯が25%と最も多く、次いで「500円以上」が19%となった。今年度調査においては、400円未満との回答の割合が直近6年間の調査において最少となり、これにより400円以上は同じく最多となった(図4)。
令和5年度と比較した6年度の仕入価格が変動した場合の理由について、36社中15社から回答があった。
15社のうち、「仕入先の価格改定によるもの」が87%(13社)で最も多く、次いで「市場相場の変動によるもの」が13%(2社)となった。
エ 黒糖の仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
令和6年度(令和5年10月から翌年9月、以下同じ)の仕入量を見ると、「5トン未満」が42%を占め、次いで「5トン以上20トン未満」が31%であった(図5)。
(イ)仕入量の動向
令和5年度と比較した6年度の仕入量の動向は、「横ばい」が42%で最多となったものの、「大幅に増加」と「やや増加」を合わせると33%となり、「やや減少」と「大幅に減少」を合わせた19%を上回った(図6)。
今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が64%となっており、「やや増加」が14%、「やや減少」「大幅に減少」が合わせて14%であった。
過年度の調査結果と比較すると、令和6年度の仕入量の見込みは、1)「大幅に増加」との回答が1社も無かったこと、また、2)「やや減少」「大幅に減少」が5年度より増加するとともに、無回答の割合が直近3カ年で最も高くなっていること−から、原材料高や為替相場の変動に伴い仕入価格が上昇する中で、今後の仕入れが、より流動的となっているものと見込まれる(図7)。
ア ブドウ糖の用途
ブドウ糖の用途を見ると、「菓子」が11件で最も多かった。次いで「加工食品」が6件、「冷菓」「乳製品」「清涼飲料・酒類」が4件で続いている(図8)。
また、その他が3件あり、具体的な用途として、「冷凍ホイップ」「うどん・ラーメンの粉末スープ」などが挙げられた。
イ ブドウ糖を使用する理由
ブドウ糖を使用する理由としては、「甘味調整(甘さを加える)」が23件で最も多かった。次いで「風味調整」が15件、「甘味調整(甘さを抑える)」が9件で続いている(図9)。
また、「その他」が5件あり、具体的な理由として、「発色目的(ちくわの焼け色、天ぷらの揚げ色)に使用する」「品質保持のため」などが挙げられた。
ウ ブドウ糖の仕入価格の動向
1キログラム当たりの仕入価格(令和6年10月時点)を見ると、「170円以上」が60%で最も多く、次いで「150円以上170円未満」が7%となった。経年で見ると、「170円以上」の価格帯がここ3年で急増している(図10)。
令和5年度と比較した6年度の仕入価格が変動した場合の理由について、42社中17社から回答があった。
17社のうち、「仕入先の価格改定によるもの」が82%(14社)で最も多く、次いで「市場相場の変動によるもの」が18%(3社)となった。
エ ブドウ糖の仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
令和6年度の仕入量を見ると、「10トン以上100トン未満」が36%で最も多く、次いで「100トン以上500トン未満」が26%となった(図11)。
(イ)仕入量の動向
令和6年度のブドウ糖の仕入量の動向は、「横ばい」が36%で最多となったものの、「大幅に増加」と「やや増加」が合わせて29%、「やや減少」「大幅に減少」が合わせて31%となった(図12)。
今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が71%で大半を占め、「やや増加」が17%、「やや減少」「大幅に減少」が合わせて12%となった。
過年度の調査結果を見ると、令和4年度は「大幅に増加」と「やや増加」が3割近くを占めており、仕入れに積極的な社が多かったことがうかがえる。6年度の仕入見込みは、仕入先の原料高や為替相場の変動に伴う価格改定があったものの、横ばいの見込みとの回答割合が高かった5年度と比べ、「やや増加」が10ポイント以上伸びていることから、底堅い需要があることがうかがえる(図13)。
ア 水あめの用途
水あめの用途を見ると、「菓子」が19件で最も多かった。次いで「冷菓」が10件、「清涼飲料・酒類」が8件、「加工食品」が7件で続いている(図14)。
また、「その他」が2件あり、具体的な用途として、「冷凍ホイップ」「液状ぶどう糖、異性化糖」が挙げられた。
イ 水あめを使用する理由
水あめを使用する理由としては、「甘味調整(甘さを加える)」が31件で最も多かった。次いで「食感向上」が18件、「風味調整」が15件、「甘味調整(甘さを抑える)」が11件で続いている(図15)。
また、「その他」が7件あり、具体的な理由として、「光沢を出す」「生地の安定(製菓会社)」「製品の保形性、原料としての溶解性向上」「しっとり感を出す」などが挙げられた。
ウ 水あめの仕入価格の動向
1キログラム当たりの仕入価格(令和6年10月時点)を見ると、「140円以上」が58%で最も多く、次いで「100円以上110円未満」が14%となった。経年で見ると、「140円以上」との回答の割合が年々増加していることがわかる(図16)。
令和5年度と比較した6年度の仕入価格が変動した場合の理由について、58社中24社から回答があった。
24社のうち、「仕入先の価格改定によるもの」が71%(17社)と最も多く、次いで「市場相場の変動によるもの」が13%(3社)、「為替の変動によるもの」と「仕入先の変更によるもの」がいずれも4%(1社)となった。
また、「その他」の具体的な理由として、「配送ロットの変更によるもの」などが挙げられた。
エ 水あめの仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
令和6年度の仕入量を見ると、「1トン以上50トン未満」が33%と最も多く、次いで「50トン以上100トン未満」が17%、「1トン未満」が16%と続いている。1000トン以上との回答(15%)も多かった(図17)。
(イ)仕入量の動向
令和5年度と比較した6年度の水あめの仕入量の動向は、「横ばい」が34%であったものの、「やや減少」と「大幅に減少」を合わせた減少したとの回答割合が41%となった(図18)。
今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が64%と最も多く、「大幅に増加」と「やや増加」は合わせて19%、「やや減少」が16%となった。
過年度の調査結果を見ると、令和4年度は「大幅に増加」「やや増加」の割合が合わせて35%と高く、仕入れに積極的な社が多かった。5年度もこうした流れを受け、引き続き横ばいの見込みとの回答割合が高かったが、6年度は、原材料高や為替相場の変動に伴い仕入価格の上昇が続く中で、「やや減少」との回答割合も高くなっていることがわかる(図19)。
ア ソルビトールの用途
ソルビトールの用途を見ると、「菓子」が7件で最も多かった。次いで「加工食品」が6件、「調味料・調味食品」が4件で続いている(図20)。
イ ソルビトールを使用する理由
ソルビトールを使用する理由としては、「甘味調整(甘さを加える)」が10件で最も多かった。次いで「風味調整」が8件、「食感向上」が7件、「甘味調整(甘さを抑える)」が6件で続いている(図21)。
ウ ソルビトールの仕入価格の動向
1キログラム当たりの仕入価格(令和6年10月時点)を見ると、「200円以上」が50%で最も多く、次いで「150円以上200円未満」が25%となった。経年で見ると、「200円以上」の価格帯の割合が高まっており、年々価格が上昇していることが分かる。特に前年度調査以降、150円未満での仕入れが難しくなったことがうかがえる(図22)。
令和5年度と比較した6年度の仕入価格が変動した場合の理由について、4社から回答があった。
4社のうち3社が、「仕入先の価格改定によるもの」、1社は「その他」と回答した。
エ ソルビトールの仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
令和6年度の仕入量を見ると、「1トン以上5トン未満」が42%で最も多かった。次いで「5トン以上20トン未満」と「100トン以上」が、いずれも21%となった(図23)。
(イ)仕入量の動向
令和5年度と比較した6年度のソルビトールの仕入量の動向は、「横ばい」が29%であったものの、「大幅に増加」と「やや増加」が合わせて30%、「やや減少」と「大幅に減少」が合わせて38%となっており、減少したとの回答割合が最も高い結果となった(図24)。
今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が63%と最も多く、「大幅に増加」と「やや増加」は合わせて17%、「やや減少」が13%となった。
過年度の調査結果を見ると、令和4年度は「大幅に増加」「やや増加」の割合が合わせて22%と、直近3カ年で最も高かった。5年度もこうした流れを受け、引き続き横ばいの見込みとの回答割合が高かったが、6年度は、原材料高や為替相場の変動に伴い仕入価格の上昇が続く中で、「やや減少」との回答割合も高くなっていることがわかる(図25)。