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最終更新日:2025年7月10日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(5/1〜6/10)
〜世界的な砂糖の余剰見通しから、4年ぶりに16セント台まで下落〜
2025年5月のニューヨーク粗糖先物相場(7月限)の推移を見ると、1日はブラジル産砂糖の増産予測から1ポンド当たり17.16セント(注1)と前取引日から下落し、2日以降は、ドル安(注2)で緩やかに上昇した。6日以降は、ブラジル産砂糖の増産予測で下落するも、8日以降は、原油高(注3)により上昇傾向となり、13日は同18.22セントをつけた。14日以降は、ドル安とブラジルの減産報告から一時的に上昇した21日を除き、世界的な砂糖の余剰見通しから下落傾向となり、28日には約4年ぶりとなる16セント台を記録した。29日以降は、ブラジル産砂糖の減産から小幅な上昇となり、30日は同17.05セントとなった。
6月に入り、2日は2025/26年度のインド産砂糖の増産見通しで同16.88セントと下落した。3日以降も原油高と砂糖の余剰見通しから下落傾向となり、10日は同16.48セントをつけた。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。