砂糖類の国内需給

　農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」（昭和40年法律第109号）により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和7年3月に公表した「令和6砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し（第3回）」の概要は、次の通り（詳細は2025年5月号参照）。

【粗糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
　財務省「貿易統計」によると、2025年4月の甘しゃ糖・分みつ糖（HSコード 1701.14-110）および甘しゃ糖・その他（同1701.14-200の豪州）の輸入量は、6万1932トン（前年同月比13.4％増、前月比16.3％減）であった（図1）。

　輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはアルゼンチン、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図2）。

　アルゼンチン
　4トン（前年同月および前月輸入実績なし）

　豪州
　6万1928トン（前年同月比17.7％増、前月比0.1％減）

 

　
　2025年4月における甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は24万7750円（前年同月比2.7倍、前月比2.8倍）（図3）、甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、8万8445円（同4.5％安、同5.2％高）であった（図4）。

 

【含みつ糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月から大幅に増加
　財務省「貿易統計」によると、2025年4月の含みつ糖（HSコード 1701.13-000、1701.14-190）の輸入量は、954トン（前年同月比28.1％増、前月比24.1％減）であった（図5）。

　輸入先はタイ、中国およびインドで、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図6）。

　タイ
　602トン（前年同月比1.9倍、前月比34.2％減）

　中国
　344トン（同10.6％減、同26.5％増）

　インド
　8トン（同1.6倍、同8.0倍）

 

　
　2025年4月の1トン当たりの輸入価格は、16万7693円（前年同月比5.7％安、前月比3.9％安）であった（図7）。

　国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

　タイ
　16万2306円（前年同月比2.5％高、前月比0.2％高）

　中国
　17万6532円（同4.3％安、同2.0％高）

　インド
　19万3000円（同52.5％安、同29.8％安）
 

【加糖調製品の輸入動向】
4月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや減少
　財務省「貿易統計」によると、2025年4月の加糖調製品の輸入量は、2万9077トン（前年同月比5.5％減、前月比12.9％減）であった（図8）。

　品目別の輸入量は、表4の通りであった。
 

 

5月の移出量は前年同月からやや減少
　2025年5月の異性化糖の移出量は、7万2993トン（前年同月比3.2％減、前月比7.2％減）であった（図9）。

　同月の種類別の移出量は、次の通りであった（図10）。

　果糖含有率40％未満
　287トン（前年同月比7.6％減、前月比11.3％減）

　同40％以上50％未満
　1万7461トン（同7.3％減、同10.1％減）

　同50％以上60％未満
　5万4451トン（同1.4％減、同6.0％減）

　同60％以上
　793トン（同21.0％減、同18.5％減）

 

【市場価格】
砂糖・異性化糖ともに前月と同水準で推移
　5月の糖種別・地域別の砂糖価格（日経相場）は、次の通りであった。

　上白糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり249〜251円

　大阪
　同249〜251円

　名古屋
　同252円

　関門
　同254円

　上白糖（小袋）
　東京
　1キログラム当たり261〜265円

　大阪
　同264〜265円

　本グラニュー糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり254〜256円

　大阪
　同254〜256円

　名古屋
　同257円

　ビート・グラニュー糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり249〜251円

　大阪
　 同249〜251円

　名古屋
　同250円

　5月の異性化糖の価格（日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25％）は、次の通りであった。

　果糖分42％もの
　1キログラム当たり168〜169円

　果糖分55％もの
　同174〜175円

【小売価格】
5月の上白糖小袋の平均小売価格は268.7円
　マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国3800店舗）によると、スーパーにおける5月の上白糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、268.7円（前年同月差8.8円高、前月同）であった。最も高かったのは北海道で、最も安かったのは関東などであった。

　同月の地域別^（注）の平均小売価格は、次の通りであった（表5）。

　（注）地域の内訳は、次の通りである（以下同じ）。
　　　　関東など：茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
　　　　首都圏：東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
　　　　中部：新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
　　　　関西：大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

5月のグラニュー糖小袋の平均小売価格は328.6円
　マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国3800店舗）によると、スーパーにおける5月のグラニュー糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、328.6円（前年同月差14.1円高、前月差1.2円高）であった。最も高かったのは東北で、最も安かったのは関西であった。

　同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表6）。

5月の三温糖小袋の平均小売価格は309.5円
　マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国3800店舗）によると、スーパーにおける5月の三温糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、309.5円（前年同月差11.3円高、前月差2.5円高）であった。最も高かったのは北海道で、最も安かったのは首都圏であった。

　同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表7）。

【支出金額および購入数量】
4月の砂糖の支出金額は前年同月からやや下落
　総務省「家計調査」によると、2025年4月における1世帯（二人以上）当たりの支出金額は82円（前年同月比3.5％安、前月比8.9％安）であった（図11）。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、243グラム（同1.6％減、同16.8％減）であった（図12）。