10アール当たり収量は、生育期間中の気温が総じて平年より高く推移し、十分な降水量もあったため、前年から473キログラム増加し7134キログラム(前年比7.1%増)となり、直近10年の平均を592キログラム上回り、過去最高となった。また、生産量は、作付面積は減少したものの、前年より8万2168トン増加し348万4827トン(同2.4%増)となった。
根中糖分については、高温や褐斑病の発生により15.7%と平年を下回った。一方、防除を徹底したことや8月下旬から日最低気温が平年並みで推移したことにより、褐斑病の多発で昭和61年の糖分取引開始以降最低となった前年と比較すると、2.0%高かった(表2、図2)。
品種別の作付け構成は、「カーベ2K314」(31.7%)、「パピリカ」(23.1%)、「プロテウス」(12.2%)の順となっている(表3)。
「カーベ2K314」は、褐斑病やそう根病の抵抗性が優れており、「パピリカ」は、そう根病抵抗性に優れ根重が多く、令和5年に優良品種に認定された「プロテウス」は、褐斑病と根腐病抵抗性に優れていることから、作付け割合が高くなっている。
てん菜の作付戸数は全道的に減少傾向が続いており、令和6年産は5973戸(前年比4.2%減)と、前年より260戸減少し、10年前(7470戸)と比較して20.0%(1497戸)減少した。一方、1戸当たりの作付面積は8.2ヘクタールと、令和3年をピークに減少傾向にあるが、10年前と比べると0.5ヘクタール増加している(図3)。
労働力不足の中で作付け規模の拡大に対応するため、近年では、春の育苗・移植作業に要する労働力を大幅に削減できる直播栽培に取り組む地域が増加傾向にあり、令和6年産の直播栽培の面積は、前年より1952ヘクタール増加の2万4587ヘクタール(作付面積の50.3%、前年比6.0ポイント増)となっている(図4)。