2 国際価格の動向
最終更新日:2025年9月10日
2 国際価格の動向
2025年9月
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(7/1〜8/12)
〜余剰見通しと減産懸念で上下し、16セント台で推移〜
2025年7月のニューヨーク粗糖先物相場(10月限)の推移を見ると、2日は世界の砂糖の余剰見通しから1ポンド当たり15.58セント(注1)と下落したが、3日はブラジルの主要生産地域の降霜発生により、同16.38セントと上昇した。7日以降はインドでのモンスーンの早期到来などが砂糖増産見通しの材料となったことから下落に転じ、8日は16.13セントをつけた。9日はパキスタンやフィリピンの砂糖輸入の発表から砂糖の供給懸念が高まり上昇したものの、10日はドル高(注2)で下落し、同16.26セントをつけた。11日は原油高(注3)により上昇したものの、14日は一転し、同16.30セントと下落した。15日以降は、米国ロリンズ農務長官が特殊糖の追加輸入を制限すると発表したことや同国トランプ大統領が同国内で販売されるコカ・コーラに甘しゃ糖を使用することに合意したことなどから上昇し、18日は同16.82セントをつけた。21日以降はブラジルの増産見込みや25/26年度にインドの砂糖輸出が許可される可能性が報じられたことから、23日は同16.24セントまで下落した。24日以降は供給量の増加や原油高などにより上下し、31日は同16.35セントをつけた。
8月に入ると、ブラジルの増産見通しにより下落が続き、7日は同16.01セントまで値を下げたが、8日以降は一転し、レアル高やブラジルの減産懸念が報じられたことから、12日は同16.94セントまで上昇した。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272