北海道でのでん粉原料用ばれいしょの栽培期間は5〜6カ月を要します。4月下旬〜5月上旬に種ばれいしょを植え付けると、5月下旬以降から
萌芽が始まり(芽が出てくる)、茎葉が80〜100センチメートルほどまで生育した7月下旬ころから開花を迎えます。塊茎形成は開花前から開始し、開花後急激に塊茎肥大が進みます。収穫は早掘り体系が9月上旬から、通常掘り体系は10月上旬から行われます。
令和7(2025)年は、4月下旬に一部地域で降雪があるなど、生育初期は低温で推移しましたが、その後は平年並みまで回復し、6月以降は平年を上回りました。特に盛夏に当たる7〜8月は平年よりもかなり高い傾向にあり、アメダスによると、7月の旬別平均最高気温で30度を超える地点も見られました。降水量については、生育前半から中盤が平年より少雨で推移し、特に7月は長期間ほとんど無雨となる地点も見られました(表2)。
北海道内の「コナヒメ」の作付圃場では、低温の影響から一部の圃場で黒あざ病
(注2)の発生が見られました(写真2)。その後、気温の上昇に伴い生育は促進されましたが、少雨条件に伴う肥料吸収・光合成抑制の影響から、総じて茎葉はやや弱勢となり、降雨量や圃場条件によっては、
畦間がふさがらないほどのかなりの弱勢にとどまる圃場も散見されました(写真3)。その後も高温で推移したため、塊茎へのでん粉の蓄積は緩やかとなり、特に弱勢により畦間などが露出した圃場では、地温が大きく上昇した影響から、でん粉価が大幅に低下した事例も見られました。結果的に、塊茎収量は平年を下回り、でん粉価(塊茎のでん粉含有率)は平年よりも1〜2%も低くなり、北海道全体のでん粉生産量が14万トンを下回り、過去に例を見ない収量水準となりました。
(注2)茎葉が黄化し萎れる病気で、植物体の生育を阻害し、収量の減少をもたらします。