【キッズコーナー】まるで宝石!?きらきら輝く琥珀糖を作ってみよう!
〜夏休みの自由研究に〜
最終更新日:2025年8月5日
広報webマガジン「alic」2025年8月号
砂糖は、私たちの生活に欠かせない身近な調味料です。食品に甘みを加えるだけではなく、食感や風味、仕上がりの美しさなどを演出することができます。砂糖を使った料理やお菓子は、食生活をより豊かなものにしてくれます。
そんな砂糖を使って作る「琥珀糖」という和菓子をご存知ですか。
まるで宝石のようにきらきら輝く琥珀糖は、その美しい見た目と、外はシャリッ、中はプルプルとした不思議な食感で、SNSなどで話題の和菓子です。この夏、ご家庭で手軽に作れる琥珀糖にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?身近な材料で簡単に作れることから、自由研究にもぴったりのテーマです!
1 琥珀糖とは?
琥珀糖は、寒天と砂糖、水を煮詰めて作る和菓子です。型に流して固め、時間をかけて乾燥させることで、外側が結晶化し、シャリっとした食感が生まれます。
そんな琥珀糖は、沸騰した熱い状態でたくさんの砂糖を溶かして作られます。冷めて乾燥させると溶けていた砂糖が再び結晶化し、数日かけて乾燥させると、表面の水分が少しずつ蒸発し、シャリシャリとした食感が生まれます(これを再結晶といいます)。
一方で、中がプルプルとしているのは、寒天が水分を閉じ込めてくれるからです。寒天は水に溶けると、網目状の構造を作り、水分を保持する性質があります。また、寒天は砂糖の濃度の増加とともに光の透過率が増加するという性質があります。
琥珀糖の歴史を辿ると、江戸時代までさかのぼります。もともとは「琥珀かん」や「
錦玉糖」、「
金玉かん」とさまざま名前で親しまれてきましたが、くちなしの実で琥珀色に染めることもあったため、「琥珀糖」と呼ばれるようになりました。
2 材料
・粉寒天 4g
・上白糖 300g
・水 200ml
・食用色素やかき氷シロップ(お好みの色) 適量
3 作り方
(1) 鍋に上白糖、粉寒天、水を入れ中火で沸騰させる。
(2) 沸騰したら、糸が引く程度の粘りが出るまでかき混ぜる。
(3) トレーに移し、食用色素またはかき氷シロップを適量加えて混ぜ合わせる。
(4) 冷蔵庫で冷ます。
(5) しっかり固まったらトレーから取り出して、好みの大きさにカットする。
※そのままでも召し上がれますが、風通しの良い場所で1週間程度乾燥させると表面が結晶化し、独特な食感を楽しむことができます。
4 自由研究のヒント
琥珀糖は見た目の美しさだけでなく、完成までの過程にたくさんの変化があることが大きな魅力です。色や形を工夫したり、乾燥時間による食感の違いを調べたり、楽しみながら学ぶことができます。例えば、乾かす時間によって表面がシャリっとしてきたり、砂糖の種類を変えることで仕上がりの色やツヤに違いが出たりと、観察のポイントが豊富です。
こうした変化を記録して比べたり、条件を変えて作ってみたりすると、楽しみながら学びにつながり、夏休みの自由研究としてまとめることができます。
・乾燥時間で見た目や食感にどんな変化があるかな?
・色の混ぜ方で、グラデーションができるかな?
・好きな形で作品名をつけて、自分だけの琥珀糖を作ってみよう。
・砂糖の種類で見た目や食感はどう変わるかな?
涼を感じる見た目と、やさしい甘さが広がる琥珀糖は、暑い季節にぴったりの和菓子です。お茶請けとしてそのままいただくのはもちろん、炭酸水や紅茶にそっと浮かべれば、見た目にも涼やかで、爽やかなひとときを演出してくれます。
琥珀糖作りは、和菓子の魅力にふれながら、科学の視点でも楽しめる自由研究にぴったりのテーマです。この夏は、世界にひとつだけの琥珀糖を作って、夏休みの思い出にしませんか?
(参考文献 中山圭子(2018)『事典 和菓子の世界 増補改訂版』岩波書店)
(参考文献 山崎清子(1965)『寒天調理に関する研究(第8報)きんぎょくかんについて』)
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