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まめ知識

わが国のチーズ事情

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最終更新日:2026年3月5日
広報webマガジン「alic」2026年3月号

チーズの種類

 チーズには、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類があります。ナチュラルチーズは、原料となる乳(牛のほかに山羊や羊の乳も含む)を酵素などで固まらせたもの、またはそれを熟成させたもので、ナチュラルチーズに乳化剤を加えて加熱・融解して再成型したものがプロセスチーズです。
 ナチュラルチーズには、フレッシュタイプやハードタイプ、白カビタイプをはじめとするさまざまなタイプがあり、日本では口当たりが良く生乳の風味が楽しめるものや比較的クセのないものが好まれる傾向にあります。プロセスチーズは加熱していることで品質が安定しており、長期保存が可能なことが特徴です。

 
(表1 国内で製造されているナチュラルチーズの種類)
    (出典)雪印メグミルク株式会社WEBサイト 「チーズクラブ」

 

チーズの消費量

 日本の令和6年度におけるチーズ総消費量は、32万6415トンで、国民1人当たり消費量は2.6キログラムと他の乳製品よりも多く食されています。皆さんもおやつに、お料理に、また、お酒とともに、さまざまな場面で食べる機会が増えているのではないでしょうか。チーズ総消費量のうち、ナチュラルチーズは20万3723トン、プロセスチーズは12万2692トンとなっており、ナチュラルチーズの方が多く消費されています。なお、国内で消費されるチーズの14.8%が国産で、残りは外国産です。
 
(表2 令和6年度における乳製品の1人当たり消費量)
    (資料)農林水産省「畜産・酪農をめぐる情勢」 令和7年11月

チーズの歴史

 NPO法人チーズプロフェッショナル協会によると1)、『日本で初めてチーズらしきものが生産されたとされるのは700年のことです。「右官史記」という古文書の中で、当時の天皇が畿内(現在の奈良県や大阪府のあたり)を中心に「蘇」を造らせたという記述が残っています。この「蘇」と呼ばれるものがチーズに近いものではないかと言われているのです。江戸時代まで天皇を中心とする皇族や貴族、一部の大名などの間で滋養強壮に役立つものとして愛用されましたが、一般の人々の間では普及しませんでした。』とされています。

(写真1 再現された「蘇」)

(資料)NPO法人チーズプロフェッショナル協会 
      「チーズの教本2026〜2028」 (株)旭屋出版 2026 p175
 
 現在私たちが目にするような西洋型チーズの生産が国内で始まったのは明治に入ってからでした。明治8年(1875年)北海道の七重勧業試験場で生産されたのが日本で最初の西洋型チーズで、当時は「乾酪(かんらく)」と呼ばれていました。本格的にチーズ生産が始まったのは昭和初期に入ってからで、昭和9〜11年にプロセスチーズが大量生産され、販売が開始されました。その後、戦争の混乱のなかで生産が中断され、ようやく一般家庭に広まったのは戦後のことです。以降、食生活の洋風化や生活水準の向上とともに消費量も増加の一途をたどっています。

1)NPO法人チーズプロフェッショナル協会 「チーズの教本2026〜2028」 (株)旭屋出版 2026 p175〜176

チーズ工房

 日本各地のチーズ工房で特色あるチーズ作りがされています。令和6年度の国内のチーズ工房の数は、347カ所となっており、10年前の240カ所と比較すると1.4倍になっています。
 これらのチーズ工房で製造されるチーズの品質向上やブランド化を目的として、国内では毎年コンテストが開催されており、各地からさまざまな種類のチーズが出品され、品質を競っています。代表的なコンテストには、NPO法人チーズプロフェッショナル協会主催のジャパン・チーズ・アワード、そして一般社団法人中央酪農会議主催のALL JAPANナチュラルチーズコンテストがあります。それぞれのコンテストは、隔年で開催されており、一般の方々がさまざまなチーズ工房が作る国産チーズを味わう機会も提供しています。
 これらのチーズコンテストで優秀な成績を収めたチーズは、欧米で開催される国際チーズコンテストに出品される流れとなっています。出品された国産チーズが安定的に上位入賞を果たしていることからも国産チーズが世界的に認められていることがうかがえます。
 alicとしても国産チーズの品質向上やブランド化に向けた取組を支援しております。

おわりに

 読者の皆様もチーズを身近な食品に感じているのではないでしょうか。きっとあなたの近くにも特色あるチーズ作りをしているチーズ工房があるはずです。また、近くになくてもチーズ工房を巡る旅をされるのも面白いと思いますので、訪ねてみてはいかがでしょうか。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 総務 (担当:総務広報課)
Tel:03-3583-8196