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平成28年産てん菜の生育状況について −6月並びに9月現在−

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最終更新日:2016年9月20日

平成28年9月

札幌事務所 平石康久
黒澤和寛
 
 当事務所は、平成28年6月15日、16日並びに9月6日、7日、(一社)北海道てん菜協会が実施する「てん菜生育状況等現地()(じょう)調査」に同行し、平成28年産のてん菜の生育状況について聞き取りを行ったので、以下の通り報告する。
 
1 オホーツク地域
 8月中旬以降、台風7、9、11号が相次いで北海道に上陸し、調査対象地域の降水量は対平年比3〜4倍となり、てん菜畑等の冠水・湿害被害が発生している。台風10号についても、十勝に比較すると被害は目立たなかったが、断続的に続いた降雨による影響は大きいと考えられる。
 9月に入り概ね好天が続き、気温は高めに推移している。雨が降り続いたことにより防除間隔がやや空いていたが、天候回復後に生産者は防除を実施している。
 度重なる雨により圃場の土壌水分は飽和状態にあることに加え、地温も高く、てん菜が傷みやすい状況にある。また、高温多湿条件下での根腐病や黒根病などの病害虫発生が懸念されている。
冠水被害により、一部の葉が変色したてん菜畑
冠水被害により、一部の葉が変色したてん菜畑
2 十勝地域
 6月の調査時において直播、移植とも、4月末の低温の影響があったものの、作付はおおむね順調であり、播種、移植作業は平年より早く終了していた。5月8日の強風により直播圃場の一部を中心に被害が発生したが、播きなおしや補植による対応が行われ、他作物への転換はそれほど発生しなかった。その後、6月半ばまでは平年並みの生育であったが、6月後半からの天候不順により生育が停滞した。8月上旬の好天で生育は若干回復したが、その後北海道に上陸した台風7、9、11号による降雨のため、再び生育が停滞。さらに8月末の台風10号の接近に伴う降雨により、流失、冠水等大きな被害が生じた。
冠水被害により、一部土俵が露出したてん菜畑
冠水被害により、一部土俵が露出したてん菜畑
 天候不順の影響で計画的な防除ができず、防除回数は前年より少なくなっている。各病害虫の発生は、7月の低温により少なく推移していたが、多雨と高温の影響により8月下旬頃からは褐班病が拡大傾向となっており、湿害の拡大とともに懸念されている状況にある。
6月時点の圃場
6月時点の圃場
9月時点の圃場
9月時点の圃場
当該圃場の生育は順調
当該圃場の生育は順調
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農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:札幌事務所)
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