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でん粉のいろいろな食品への利用とその役割

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最終更新日:2010年6月3日

でん粉のいろいろな食品への利用とその役割

2010年6月

実践女子大学生活科学部教授 田島 眞

 日本の1年間のでん粉需要量は、267万トン(平成21年、農林水産省調べ)であるが、大部分(176万トン)は水飴や異性化糖製造用であり、直接、食品工業で使用されるのは、ビール原料用10万トン、水産練製品用2万5千トンなどとなっている。ここでは、食品工業におけるでん粉の直接利用について解説したい。

1.水産練製品

 水産練製品は食品工業で使用されるでん粉の用途として大きな割合を占めている。かまぼこ、ちくわといった水産練製品には、原料比で3〜10%程度のでん粉が使用される。使用されるのは、主に馬鈴薯でん粉である。
 
 水産練製品は、魚肉をミンチにかけ、まず水晒しを行う。水溶性のたん白質や不純物を除く。残ったものが塩溶性のたん白質であるミオシンである。このミオシンに食塩とでん粉を加えてらいかいし、成型して加熱して製造する。水産練製品の特徴は独特の弾力である。弾力は「足」と呼ばれ、かまぼこでは命である。この弾力の元がミオシンとでん粉である。ミオシンは塩溶性であるので、食塩を加えると溶解する。そこにでん粉を入れ、加熱すると、ミオシンは熱変性して固まるが、そのミオシン分子の中にでん粉分子が入り込み、糊となる。変性ミオシンと糊化でん粉の複合体こそが、「足」の元である。
 
 馬鈴薯でん粉は、他のでん粉と比べて熱による膨潤度が高く、糊化した後の保水力も高いので、水産練製品の製造に最適である。
 

2.めん類

2.1 中華めん

 うどんやそばといった和めんには用いられないが、中華めんには、原料小麦粉10キログラム当り0.2〜1.5キログラムのでん粉が用いられている。中華めんは、和めんと違って食塩を使用していない。食塩は、小麦のグルテンの生成を促し、めん独特のコシの元となっている。中華めんはアルカリ性のかん水を使用してグルテンの生成を促している。
 
 このグルテンによるコシの生成補助と、中華めん独特のツルッとした歯応えを出すために、でん粉は役立っている。とくに即席めんでは、ゆでたときのめんの戻りを促進するために欠かせない。

2.2 はるさめ

 はるさめは、本来は緑豆を原料として製造されていたが、昭和12年(1937)に甘藷でん粉と、馬鈴薯でん粉を原料とするものが開発され、現在でははるさめといえばでん粉原料のものを指す。旧来のはるさめは豆麺と称される。
 
 成分は、でん粉が85%で残りが水分と、ほぼ純粋なでん粉食品である。
 
 最近は、鍋の材料としての利用が多いが、加熱による糊化が過ぎると、のびて食感が悪くなるので、鍋には最後に入れるようにする。
 

3.菓子類

 洋菓子には、副原料として少量のでん粉が用いられることが多い。食感の改良がその目的である。使われるでん粉は、主にタピオカでん粉である。
 
 和菓子にも、副原料として少量のでん粉が使われることがある。使われるでん粉はくずでん粉である。くずは、貴重なので、高級和菓子にのみ使用される。
 
 キャンディー類では、でん粉は口当たりをなめらかにするために使用される。使われるでん粉は、特に粒が微細な米でん粉である。
 

4.調味料

4.1 ソース

 ソースは、簡単にいえば野菜の搾汁を煮詰めて、調味料や香料を加えたものである。タピオカ、サゴヤシなどのでん粉は、ソースに粘性を付与する目的で使用される。

4.2 たれ類

 焼肉のたれなど、各種のたれ類は、使い勝手が良いので家庭での消費が伸びている。たれのどろっとした粘性の付与に、加工でん粉などが欠かせない。

5.ビール

 ビールには、麦芽100%の高級ビールを除いて、でん粉が原料として用いられる。使われるでん粉は主にコーンスターチである。
 
 ビールは、麦芽の持つアミラーゼ(でん粉糖化酵素)で、でん粉をぶどう糖に変え、生成したぶどう糖を酵母でアルコール発酵して製造する。コーンスターチのでん粉は、効率的にぶどう糖を生産する。
 
 このようにでん粉は、加工食品の製造に欠かせないものである。でん粉を使用した加工食品は2000種にも上るといわれている。また、でん粉の種類によって加工適性に相違があり、その特性を生かした製品作りがされている。
 
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:情報課)
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