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さつまいもでん粉産業の変遷(3)

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最終更新日:2011年9月9日

さつまいもでん粉産業の変遷(3)

2011年9月

農業情報アドバイザー 下野 公正

(8)平成のかんしょでん粉の生産と流通

 近年のでん粉の国内消費仕向量は、昭和40年度から50年度は120万トン前後で推移していたが、55年度から需要量が急激に増加し、平成9年度には、300万トンに達し、その後、19年度まで300万トン前後で安定的に推移した後、20・21年度は減少している。

 また、でん粉の生産量・輸入量(供給量)の推移をみると、平成9年度が約300万トン、その後18年度まで300万トン台で推移した後、19年度から暫減し、21年度では260万トンとピーク時の12.8%の減となっている(表6)。

 さらにでん粉供給の種類別内訳は、輸入とうもろこしから製造するコーンスターチが約85%を占め、輸入でん粉は5%前後で推移している。国内産ばれいしょでん粉は7〜8%、国内産かんしょでん粉は、2〜3%で推移していたが、16でん粉年度から2%を割込んでいる。でん粉需要の用途別内訳は、平成21年でん粉年度でみると、糖化製品用で64.7%、麺類、インスタント食品、接着剤などの化工でん粉13.1%、繊維、製紙ダンボール用7.4%、ビール用3.7%、その他食品など11.0%となっている(表7)。
 
 
 
 

ア)国内産いもでん粉生産の推移

 国内産いもでん粉は、かんしょ、ばれいしょでん粉を合せたもので、昭和38年の89万4000トンをピークとして、減少の一途を辿っている。ばれいしょでん粉は、一貫して23万トンから25万トン台で推移しているのに対し、かんしょでん粉は漸減し、平成16年度からは、焼酎用原料の需要が伸びたことも影響し、かんしょでん粉の生産は5万トン程度で推移している(表8)。

 かんしょでん粉に限って現在の需要状況をみると、そのほとんどが糖化用として利用されており、かんしょでん粉固有の特性を生かした、春雨、マーボー豆腐、水菓子、くずきり用の食品用として活用されている数量はわずかである。今後、かんしょでん粉の消費拡大を図るため、糊液がゲル化し易いが、比較的老化が遅いという特徴を利用した食品の開発や、鹿児島県農産物加工研究指導センターが大手食品メーカーと共同研究で開発した膨化菓子や、同センターが製品化した「さつまいも冷麺」もばれいしょでん粉を使用した冷麺とは異なる特徴があり期待される商材である。また、鹿児島県の特産品である「さつま揚」などの水産練り製品にも使用され、他のでん粉とは異なる食感があることから利用拡大が望まれる。このためには、さつまいもでん粉に対するユーザーのニーズに適応する高品位の製品づくりが肝要であるが、加えて、さつまいもでん粉の特徴や良さを消費者に知ってもらい、認めてもらうための活動も大事であろう。
 
 

イ)でん粉原料用いもの確保

 さつまいもでん粉工場が当面する課題として挙げているのが、でん粉の製造コストをいかにして削減するかである。そのためには、まず、工場の稼働率を高めるためにでん粉原料用いもの確保が必要である。次いで、でん粉含有量の高い品種のシロユタカ、コナホマレ、ダイチノユメなどに絞り込んだ栽培と、さらには製造ラインの合理化を進めることが肝要である。

 図1のとおり、でん粉原料用いもの供給量は、平成12年から14年までは20万トンを超える数量で、操業率は70%を超えた年もあったが、平成15年以降、62%前後で推移している。
 
 
 
 
 
 
 でん粉工場の操業率とでん粉製造コストの関係については、平成14年産は25万3000トンの供給量があり、操業率は76%で、加工経費は39円/kgであったが、平成16年産は17万トンの供給量で、操業率が60%で、加工経費は45円/kgに上昇している。供給量の不足がこれ程のマイナスの影響をもたらすことから、原料確保がいかに大事であるかが理解できる。

 これまで、でん粉原料用さつまいもの確保に当っては、鹿児島県においては鹿児島県さつまいも・でん粉対策協議会(平成16年以前は鹿児島県甘しょでん粉対策協議会「昭和40年7月設立」)が中核的な役割を果たし、一定の計画生産やJA一元集荷の推進および契約取引の指導がなされてきたところであり、成果も見えてきている。

 また、生産段階から生産農家との密接な関係を構築するため、でん粉工場が種いも用の優良苗を系列農家に対し無償供給することや、でん粉工場が自ら農事組合法人を立上げ、自社原料の安定確保を図るなどの取組みも始まっている。

 なお、平成19年産から始まった新たな経営安定対策において、対象生産者は、でん粉製造事業者との「でん粉原料用かんしょ売渡し契約」を事前に締結していることが要件となっていることから、計画生産、計画製造の一層の推進が期待されている。

ウ)でん粉原料用品種の普及

 でん粉原料さつまいも栽培におけるでん粉専用品種の普及状況は表10のとおりである。シロユタカ、シロサツマ、ダイチノユメ、コナホマレのでん粉専用4品種で95%を占めており、でん粉歩留まりがよく、品質向上にも寄与している。なお、平成2年に最も割合の高かったコガネセンガンは、平成19年には5.3%に激減している。
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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