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でん粉の国内需給

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最終更新日:2014年12月10日

でん粉の国内需給

2014年12月

調査情報部

1.需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。7月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、以下のとおり(詳細は2014年8月号参照)。
 
 

2. 輸入動向

【天然でん粉の輸入動向】
9月の天然でん粉の輸入量は、前年同月および前月を上回る

 財務省「貿易統計」によると、2014年9月の天然でん粉の輸入量は、2万959トン(前年同月比13.4%増、前月比26.6%増)となった(図1)。品目別の輸入量は、以下のとおりであった。

タピオカでん粉 1万7709トン (前年同月比9.2%増、前月比34.1%増)
サゴでん粉 2261トン (同62.5%増、同66.7%増)
ばれいしょでん粉 958トン (同29.1%増、同48.5%減)
その他のでん粉 32トン (同76.5%減、同77.0%減)

 品目別の国別の輸入量は以下のとおりであった。

タピオカでん粉
 タイ 1万7573トン(シェア99%)
 ベトナム 136トン(同1%)

サゴでん粉
 マレーシア 1793トン(同79%)
 インドネシア 468トン(同21%)

ばれいしょでん粉
 デンマーク 540トン(同56%)
 オランダ 400トン(同42%)
 ドイツ 18トン(同2%)
 
 2014年9月の品目別の1トン当たり輸入価格は、以下のとおりであった(図2)。

タピオカでん粉 4万3928円 (前年同月比11.9%安、前月比1.1%安)
サゴでん粉 6万9339円 (同9.1%高、同4.9%高)
ばれいしょでん粉 9万9538円 (同4.0%高、同5.7%高)

 タピオカでん粉の輸入価格は、1トン当たり4万円台と、依然高い水準で推移しているものの、5月以降5カ月連続で前年同月を下回った。サゴでん粉は、5月以降5カ月連続で前年同月を上回った。ばれいしょでん粉は、2013年11月以降、2014年2月を除き1トン当たり10〜11万円台で推移していたが、2014年7月以降3カ月連続で同9万円台となった。
 
【化工でん粉の輸入動向】
でん粉誘導体の輸入価格は、3カ月連続で上昇

 財務省「貿易統計」によると、2014年9月の化工でん粉の輸入量は、3万7925トン(前年同月比2.5%減、前月比12.5%増)となった(図3)。品目別の輸入量は、以下のとおりであった。

でん粉誘導体 3万6071トン (前年同月比3.0%減、前月比10.6%増)
デキストリン 1854トン (同8.8%増、同67.3%増)

 でん粉誘導体の最大の輸入先国は、タイである。主要輸入先国からの輸入量は以下のとおりで、上位3カ国で輸入量の8割以上を占めている。

タイ 2万4836トン(シェア69%)
ベトナム 2538トン(同7%)
中国 2002トン(同6%)

 デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの増減が大きい。主要輸入先国からの輸入量は以下のとおりで、上位3カ国で輸入量の8割近くを占めている。

タイ 1万1059トン(同60%)
マレーシア 209トン(同11%)
ベルギー 151トン(同8%)

 9月の1トン当たり輸入価格は、以下のとおりであった(図3)。

でん粉誘導体 8万4566円 (前年同月比3.4%安、前月比3.9%高)
デキストリン 8万9021円 (同5.9%高、同3.4%安)

 でん粉誘導体の輸入価格は、2013年5月以降1トン当たり8万円台と高値で推移している。12カ月ぶりに同7万円台まで下落した2014年4月以降、5月は同8万円台、6月は同7万円台と変動しながら推移していたが、7月以降は同8万円台となり、3カ月連続で上昇している。
 
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
わずかではあるが、7カ月ぶりに米国以外の国からも輸入

 財務省「貿易統計」によると、2014年9月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、30万8834トン(前年同月比1.0%減、前月比10.5%増)(図4)となった。2014年3月以降の輸入先国は米国のみであったが、7カ月ぶりに米国以外の国からも輸入された。国別の輸入量は以下のとおりであった。

米国 30万2991トン(同98%)
南アフリカ 4974トン(同2%)
豪州 869トン(同0%)

 9月の1トン当たり輸入価格は、2万9352円(前年同月比16.8%安、前月比0.2%高)となった。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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