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わが国におけるでん粉の需給と流通の概要

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最終更新日:2010年3月6日

でん粉情報

[2008年1月]

【国内外の需給動向】

特産業務第二部・調査情報部


 昨年、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」が施行され、でん粉の新たな価格調整制度が開始されました。本制度は、制度の仕組みはもとより需給状況などについて、関係者を含め広く一般の方々にもご理解いただきながら運営されることが求められているところです。
 しかし、でん粉については、そのものとして消費されるほか、二次加工品として使用されることも多く、一般にはよく理解されていません。そこで、本誌では現在のわが国のでん粉需給と流通などについて、分かり易く解説いたします。

1.でん粉の種類と利用

 でん粉は、とうもろこしや小麦の「穀類」、ばれいしょ、かんしょ、キャッサバの「いも類」、サゴ椰子、葛、わらびの「根・茎類」、緑豆の「豆類」、などを原料とし、これらの種子や球根などから抽出されたものです。
 古来、葛やカタクリから抽出したでん粉は、「もち」にするなど主食である米などの不作時における救荒植物食料とされてきました。現在では、糖化用、ビール醸造用、水産練製品、麺類、インスタント食品などの多くの食品に使用されているほか、粘性や糊化する特性を活かして、製紙工業でのコーティング用糊料、段ボールの接着剤用糊料、クリーニング仕上糊など工業用製品の素材として使用されています。また、その他、オブラートや抗生物質の培養基などの医薬品や化粧品にも使用されており、その用途は多岐にわたっています。



2.でん粉の需給状況

 わが国で流通しているでん粉は、ばれいしょでん粉とかんしょでん粉からなる国内産いもでん粉、輸入とうもろこしから製造されるコーンスターチ、タピオカでん粉など海外からの輸入でん粉、小麦でん粉に大別されます。その総供給量は、最近5年およそ300万トンで推移しています。
 一般にでん粉の国内需給には、輸入化工でん粉の数値は含まれていませんが、最近の化工でん粉の輸入量は40万トン以上にも及び、他のでん粉の用途と競合するなど国内需給に大きな影響を与えています。


(1)  国内産いもでん粉(ばれいしょでん粉、かんしょでん粉)

 国内産いもでん粉は、北海道のばれいしょを原料とするばれいしょでん粉と、主に南九州地方(鹿児島県および宮崎県)で生産されたかんしょを原料とするかんしょでん粉からなり、その生産量の合計は、でん粉総供給量の約1割となっています。主な需要先は、ばれいしょでん粉、かんしょでん粉とも糖化製品用ですが、ばれいしょでん粉については、片栗粉、水産練製品、麺類などの固有用途先へ4割程度仕向けられています。



(2) コーンスターチ

 わが国のでん粉供給量の約9割を占めているのが、輸入とうもろこしを原料とするコーンスターチです。コーンスターチの製造は、国内では昭和25年に開始されましたが、その特性や年間通じて生産が可能なことなどから急速に発展し、現在では、12社15工場が稼働しています。
 主な需要先は、糖化製品用、化工でん粉、繊維・製紙・段ボール、ビール、その他食用となっています。
 とうもろこしの輸入先は、主にアメリカで、その割合は9割を超えています。とうもろこしは、近年、石油の代替燃料としてのバイオエタノール向け需要が伸びており、価格の高騰などその影響が注目されています。


(3)  輸入でん粉

 輸入でん粉は、主にタイから輸入されているタピオカでん粉、EU(ドイツ、オランダ、デンマーク)のばれいしょでん粉、マレーシアのサゴでん粉などで、年間約14万トンが輸入され、主に糖化製品および化工でん粉の原料として使用されています。
 輸入でん粉の約6割を占めているタイのタピオカでん粉は、最近中国がバイオエタノール原料および欧州が家畜の飼料用としてタピオカでん粉原料のキャッサバを大量に輸入しているなどの影響から需給が逼迫しており、19年(1〜10月)の輸入価格が前年同期に比べ約30%高くなっています。また、EU産ばれいしょでん粉が、2006年産の不作による在庫不足と価格の高騰が影響し、輸入量が激減しています。


(4)  輸入化工でん粉

 化工でん粉は、天然のでん粉を酸や熱、化学薬品などで物理的、化学的に処理することで、でん粉本来の特性を改良したり、新しい性質を加えたりしたもので、食品用から工業用まで広い用途に使用されています。
 化工でん粉には、国内でコーンスターチや輸入でん粉を主な原料として製造されている国内産と、タイやEUなどから輸入している輸入化工でん粉があります。
 輸入化工でん粉は、低関税と高度な化工でん粉の特性が評価されていることを背景に近年増加傾向にあります。特に、最近食品用の化工でん粉の需要が増加している中で、国内では食品衛生法により食品用としての製造が認められていないことから、その需要については輸入に依存してきました。しかし、昨年、食品衛生法に基づく食品添加物の指定に向けた検討が行われ、今後の国内製造の可能性が見えてきました。




 輸入化工でん粉の大半を占めているでん粉誘導体は、5割以上がタイからの輸入です。これは、タピオカでん粉を原料としたもので、価格の低さが競争力となっていることが圧倒的なシェアを占めている理由だと思われます。19年(1〜10月)のでん粉誘導体の輸入価格を見ると、各国とも前年同期に比べて軒並み高くなっていますが、タイについても 10%上昇しており、今後の動向が注目されるところです。
 主な需要先として、冷凍食品、麺類、インスタント食品などの食用から、製紙、繊維、接着剤などの工業用まで幅広く使用されています。最近は、国内産ばれいしょでん粉の需要先である固有用途の市場(片栗粉、練製品、即席麺など)と競合しており、国内需給に影響を及ぼしています。
(なお、でん粉等の輸入動向の詳細は、本誌の「統計資料」を参照して下さい。)



3.でん粉の流通

 わが国のでん粉は、その用途や種類により様々なルートを通じて最終消費先である食品・非食品産業や消費者のもとへ運ばれます。
 国内産いもでん粉は、主に、糖化製品製造メーカに引き取られ異性化糖・水あめなどに加工されますが、ばれいしょでん粉のおよそ4割は、固有用途と呼ばれる食品・非食品産業へ生でん粉として販売されているものがあります。
 コーンスターチ・糖化製品製造メーカによって輸入されたとうもろこしは、主に糖化製品に加工されますが、その他にコーンスターチとして食品・非食品産業へ販売されるものと、自社で化工でん粉に製造され販売されるものがあります。
 また、輸入でん粉は、種類・用途により糖化製品製造メーカや化工でん粉製造メーカなどにその原料として輸入され、それぞれ加工製造されたものが食品・非食品産業へ販売されています。
 このようにわが国で流通しているでん粉は、原料も複数に分かれており、また、国内産、輸入産とあり、その用途も多岐に分かれていることから、様々な流通経路を経て最終製品加工業者や消費者の元に届けられています。


このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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