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新政権がバイオセキュリティ強化などの予算案を公表(豪州)

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 豪州連邦政府は例年5月上旬に次年度予算案を公表しているが、2022年5月に連邦議会総選挙があったため、モリソン前政権は同年3月に前倒しで2022/23年度(7月〜翌6月)連邦予算案を公表していた(注1)。総選挙の結果、政権交代を果たした労働党のアルバニージー新政権は同年10月25日、政権交代後初となる2022/23年度予算案を公表した。
(注1)海外情報「豪連邦政府、農業の輸出強化などを盛り込んだ次年度予算案を公表」を参照されたい。
 農業部門における前政権が公表した予算案との主な相違点は、バイオセキュリティ関連予算が増額されているほか、同年10月23日に豪州が署名したグローバル・メタン・プレッジ(注2)を念頭に置いた牛からのメタン排出削減のための海藻の研究開発や商業化の取組み、気候変動対策に対応した持続可能な農業への取組みの支援などが重点的に措置されている。
(注2)世界全体のメタン排出量を2030年までに2020年比30%削減することを目標とする米国・EUの共同イニシアティブ。
 本予算案に関し、マレー・ワット農相は、「増加する家畜疾病発生への脅威に対応できるよう、持続可能なバイオセキュリティの資金提供モデルを確立するという我々の選挙公約を実現するための第一歩である」などと述べている。
 今後4年間で実行する農林水産予算について、以下に主要な施策を紹介する。

1. バイオセキュリティシステムの強化

(1億3405万豪ドル:130億955万円(1豪ドル=97.05円(注3)))
 インドネシアで発生している口蹄疫およびランピースキン病に対する防疫対策を支援し、豪州北部の家畜疾病最前線のバイオセキュリティを強化する(注4)。また、疾病が侵入した際に畜産業への影響を最小限に止め、管理するためのトレーサビリティの改革を支援するほか、検疫探知犬の増頭などを実施する。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年10月末TTS相場。
(注4)豪州では、インドネシアでの口蹄疫やランピースキン病の発生以降、家畜伝染病に対する警戒が強化され、本年8月、バイオセキュリティの諸課題に対する中長期的な方針として「国家バイオセキュリティ戦略」が策定された。詳細は、海外情報「家畜疾病等の諸課題に向け「国家バイオセキュリティ戦略」等を策定」を参照されたい。

2.将来の干ばつへの備え

(2084万豪ドル:20億2252万円)
 農家や地域社会における将来の干ばつへの備えと回復力を向上させるため、干ばつのモニタリングや早期警報システムの導入への支援とともに、干ばつに強い農法の普及拡大やネットワーク構築などの活動などを支援するための干ばつ準備基金を造成する。

3. アニマルウェルフェア検査局の設置

(398万豪ドル:3億8626万円)
家畜輸出におけるアニマルウェルフェアの透明性を高めるため、従来の生体家畜輸出検査局の拡張と機能強化を実施し、新たにアニマルウェルフェア・生体家畜輸出検査局を設置する(注5)。
(注5)豪州などにおける生体牛輸出の現状については、畜産の情報2022年11月号「豪州およびニュージーランドにおける生体牛輸出の現状」を参照されたい。

4. 展示会やイベントへの支援

(1230万豪ドル:11億9371万円)
 農業関連展示会補助金プログラムへの支援や、豪州最大の肉畜の祭典である「ビーフ・オーストラリア2024」などの大規模な農業イベントへの支援、豪州の国内および新たな輸出市場に関する農業生産部門に商品とサービスの提供を促進するための投資を実施する。

5. メタン排出削減のための海藻養殖の振興

(808万豪ドル:7億8416万円)
 水産研究開発公社(FRDC)によって運営される、牛のメタン排出量を削減する飼料添加物としての海藻の養殖技術に関する研究開発と、商業化のプログラムを支援する。また、低炭素排出畜産物の市場参入を支援し、競争力を強化させるとともに、中長期的に海藻養殖技術を輸出するための機会の創出を実施する。

6. 気候変動に対応した持続可能な農業への支援(注6)

(3億200万豪ドル:293億910万円)
 農業者の所得向上と気候変動に強い農業の発展ため、温室効果ガスの排出量削減の取組みと同分野での市場アクセスを構築し、環境保全に貢献する持続可能な農業および資源管理手法に投資する。
(注6)本予算項目は、2023/24年度からの5年間で実施するとしている。

【参考】

表 予算パッケージ
【調査情報部 令和4年11月15日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9530



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