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海外の需給動向【牛乳・乳製品/豪州】 畜産の情報  2021年8月号

2021/22年度の生乳生産量はわずかな増加見込み

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4月の生乳生産量は前年並み
 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2021年4月の生乳生産量は62万3811キロリットル(64万2525トン相当、前年同月比0.0%増)と前年並みとなった(図18)。
 これを州別に見ると、酪農主産地であるビクトリア州は37万4130キロリットル(38万5354トン相当、前年同月比0.3%減)、タスマニア州は7万6661キロリットル(7万8961トン相当、同2.7%減)といずれも減少したが、ニューサウスウェールズ州は8万666キロリットル(8万3085トン相当、同2.7%増)と増加した(表10)。
 また、2020/21年度(7月〜翌6月)の4月までの累計では、756万1336キロリットル(778万8177トン相当、前年同期比0.6%増)とわずかに増加している。
 




 

 2021/22年度(7月〜翌6月)の生乳生産量についてDAは、依然として労働力不足などの懸念はあるものの、かんがい用水や飼料などの生産コストが昨年度よりも低下していることや、当初乳価(年度当初に乳業各社などが設定する最低生産者支払乳価〈生産者への支払乳価の最低価格〉)が昨年度より高い水準にある(注1)ことなどから、前年度比で0〜2%増加すると見込んでいる(注2)
 

(注1)海外情報「2021/22年度の当初乳価は7ドル前後で幕開け(豪州)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002989.html)を参照されたい。

(注2)海外情報「2021/22年度の生乳生産見通し、収益は改善も生産は伸び悩み(豪州)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002999.html)を参照されたい。

 

主要乳製品4品目すべての輸出量が大幅に増加
 DAが発表した2021年4月の主要乳製品4品目の輸出量は、中国をはじめとしたアジア向け輸出の伸びなどを反映し、すべての品目で前年同月を大きく上回った(表11、図19)。
 同月の輸出を品目別に見ると、脱脂粉乳は1万5945トン(前年同月比48.5%増)、今期(2020/21年度)の4月までの累計は10万7615トン(同22.5%増)といずれも大幅に増加した。バターおよびバターオイルも同様に2430トン(同280.0%増)、年度累計は2万193トン(同114.1%増)といずれも大幅に増加した。また、全粉乳は6490トン(同58.5%増)と大幅に増加し、年度累計では4万1162トン(同4.0%増)とやや増加した。チーズは1万6189トン(同29.6%増)と大幅に増加し、年度累計は13万616トン(同2.0%増)とわずかに増加した。
 




英国とのFTA合意を歓迎も輸出増は不透明
 豪州連邦政府は2021年6月15日、英国との自由貿易協定(FTA)に合意したと発表した(注3)。これについてDAは、英国がEUに加盟する前は、豪州乳業界にとって英国は最大の輸出市場であったとした上で、現在では英国の輸入乳製品のうち99%以上がEUから輸入されており、今回の合意により豪州からの乳製品輸出が、以前の水準にまで回復することは期待していないとしながらも、北半球との季節差を活用した、価値の高いニッチな輸出機会となり得ると、期待感も併せて表明している。
 

(注3)海外情報 「豪英FTAが合意(その2:豪州側の反応)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002971.html)を参照されたい。
 

(調査情報部 阿南 小有里)